更新記録 2012年 6月1日から2012年 7月31日まで
研究データの解析の方もネットワーク管理の仕事の方も、とにかくやらなきゃならない事がひっきりなしで、もはや限界に近いと思っておりましたが、追い討ちをかけるように大事なサーバーがうんともすんとも言わなくなる障害が発生し、とうとう連日0時を過ぎる帰宅となり、まともな夕飯を最後に食べたのはいつだろう、、と考えるほど何もかもが重なった5月でした。
6月は5月ほどひどい事にはならないだろうと願っているのですが、今週新しい研究データが届くし、来週は4日間の横浜出張があるし、その翌週はサーバーが2台届く予定だし、、、それになんと言っても、EURO2012が始まるし。。
こんなに時間が無いと言ってるそばから、EURO見たさにWOWOW契約いたしました(爆)。
嵐のコンサートDVDもまだ見れていないというのに、録画しても見る時間はあるのだろうか。。
話変わって、
山ほど積ん読になっているわたしですが、邦訳の出たカーラ・ケリーだけは読みました。
「あなたの夢に染まる丘」
どうしましょう、、、ちょっと悩んでしまいました。
翻訳してくださっただけでありがたやありがたや、文句を言うなんて失礼千万なのです。
よぉく分かっているのですが、、でも、、どうも言葉のリズムが悪いというか、地の文はよいのですが、せりふが、そう、セリフがぁぁ、、なんだか学芸会のように聞こえる時があるというか、、それぞれのキャラクターが合っていないように感じるというか、、
ディヴィッドがいくら紳士の言葉を学んだとはいえ、33歳の、死地をくぐり抜けた元軍曹、農地管理人が「ぼく」っていうのがむずむずしちゃって、、、
わたしの中ではディヴィッドは「チャタレイ夫人の恋人」の森番ショーン・ビーンに近いイメージで、チャタレイ夫人が1913年という時代設定だから、カーラのLady's Companion より100年も時代が経ってますけど、それでもあれだけの身分の違いを感じるでしょう? 1820年のウェールズ救貧院育ちの男ですよ。どこかに素朴で粗野な雰囲気があってしかるべきだと思うんですよね。
家政婦の Mrs.Skerlong もそう。なんだかやたら丁寧なセリフで違和感を感じます。
「デイヴィッドは出かけてますわ」なんて台所で交わすセリフかしら。
「デイヴィッドは出かけてますよ」 でいいんじゃない?
日本語に訳しにくいから、省略されてますけど、本当は 家政婦のケイト・スカーロングはデイヴィッドのことを Davey と呼ぶこともあるし、デイヴィッドもケイトと呼ぶこともあり、もっとくだけた会話をしてるんですよね。
宿屋のあるじは 「おや、おれは何を話していたのか」 というより 「おやおや、わしは何を話していたやら」 とかでしょ。
一方、レディBのセリフは普通すぎる。スーザンとの会話が時に娘っこのように聞こえる。65歳の、誇り高くかくしゃくとした老婦人なのだから、グレン・クローズに美輪明宏が混ざった感じ、もう少し高慢な話し方でもいいと
まぁ、読みながらあれこれ考えてしまいました。
そうそう、ディビッドは途中からスーザンのことを Suzie と呼ぶようになるのですが、スージー呼びは省略されていましたね。
こういうところは本当にニュアンスを伝えるのが難しい所ですけど、親密さが増した関係で微笑ましかったのです。
カーラのセリフはユーモアと機知に富んでいて、英文だと結構短かいので、訳しにくいと分かっていますが、最後の文章は、あの短さだからじんと来たので、日本語で長くなってしまいちょっと残念でした。
I think you both meant more to her than you knew."
Susan kissed the top of her husband's head. No, Colonel March, she thought, we knew.
やばい、やばい、好きな話だと気になってしまって、逆に困りますね。
レイ・ブラッドベリ氏がお亡くなりになった。
中学・高校の頃、夢中になって読み、それはそれは大きな影響を受けたものです。
ご冥福をお祈りします。
さて、何度も中断してはのろのろと読んでいた「The Reapers Are the Angels」 Alden Bell がやっと読み終わった。
うーん、、どうも理解不能、消化不良。。アマゾンの星2つの長文の人とほとんど同じ意見で、mutant が現れたところからどうも面白くなくなってきた。
ちょうどその頃の感想がこちら。
後半は、招かれざる客のように来るな、来るな、読みたくないなぁと、ラストを避けたい気分で読み続けたが、悪い意味で予想以上だった。
生きるとは?人間とは? 作家の問いかけは感じるものの、なんだかすっきりしない。
3分の1ぐらいまではワクワクして読んだのに、、何か肝心なものを感じ取る事ができなかった。読書力が低下してるのかも。。とほほ
さてさて、パトリシア・ブリッグズ の Alpha And Omega シリーズが出ていたんですね。
すっかりアンナとチャールズの事を忘れておりました。ごめんよ〜。
「Fair Game」をポチッてきました。
シリーズと言えば、ナリーニ・シンの Psy-Changeling シリーズ の11番「Tangle of Need」も出ているのですが、、どうしようかなぁ。。
SnowDancer Lieutenant Riaz にはあんまり惹かれないんだけど、Psy の Council や Arrow が10番 「Kiss of Snow」 のあの衝突の後どうなってるか気になるし、、
Kindle に溜まっている本の事を考えると、、あぁぁぁ。
ユーロ2012、、、みなさん、大丈夫?生きてますか?
わたしはもうヘロヘロです(爆)。
無理だね〜、一日中あくび連発して、、録画を見るのでさえあっぷあっぷしています。
明日から出張で、その前に解析をまとめようとばたばたしているのですが、 Carla Kellyの過去の短編を集めた「In Love and War」をつい読んでしまいました。
前に書いたように「The Light Within」と「A Hasty Marriage」は既読でしたが、「Something New 」「The Background Man」2編はお初。
Background Man は主人公がホテル支配人という、いつもと違う舞台装置で、ウェリントン公が最後に登場するも、いささか盛り上がりに欠ける所がありました。41歳未婚ヒーローがね、背景男とホテルの客も従業員もみなが言うだけあって、有能なんだけど空気みたいな、良く言って控えめ、悪く言うと優柔不断で、、、でも、ふふ、めずらしい逆玉の輿話でした。
Something New は元々ウェディングアンソロジーの中の話であったため、話の展開が早くて想定内な話でしたが、楽しめました。
利己的で目先の事しか考えない妹など、ステレオタイプな悪役身内はカーラ作品によく出てくるキャラで、ま、シンデレラの継母や姉はお約束だと思って読むしかないんですけど、笑えるか後味悪いか、この辺のバランスが難しいですよね。
で、この作品はギリギリOKかな。
ナポレオンのエルバ島追放が時代背景で、6年ぶりに大陸から英国に帰郷する大佐ヒーロー。
彼は部下の軍曹の結婚式の介添え人を務めるために軍曹の郷里に同行するのですが、、
あちこちに長編で出たようなモチーフがあり、どこかで読んだ感があるのですが、子供の会話が上手いし、ちょっとした何気ないシーンがツボだったり、、やっぱり上手いです。
さて、カーラの新刊 「Marriage of Mercy (Harlequin Historical) 」をポチしたのですが、Reforming Lord Ragsdale もキンドル版が 2.99ドルで出てますね。
240円でカーラの絶版旧作が読めるなんて、ちょっと前では考えられませんでしたねえ。
あぁ、わたしがカーラのSignet絶版本を集めるのにどれだけお金を遣ったか。。
ま、わたくしは表紙絵愛好家ですから、表紙絵にお金を遣ったと思えばいいんですけど、、(爆)
日本で開催される機会は滅多にないということで、先週横浜で開かれたとある国際学会に行ってきました。
ひたすら講演を聴き、ポスター発表を見る4日間で、何もしてないじゃないか、と言われたらそうなんですが、無茶苦茶疲れちゃって。
朝9時から夜の20時まで、昼休み以外はあまり休憩がないうえ、食べるものもあまり置いて無くて、、他の人はどうして平気なの?! わたしは腰は痛いし、足は痛いし、首は痛いし、やっぱ年だわ、、おなかは減るし、言っている事は分からないし、やだやだ、、
去年の1月に英検を受けたときは英語の勉強に燃えていたのに、三日坊主で続かず。
そして、こういう機会があるたびに反省するんですよね。ヒアリングの勉強をしておけばよかったと。。
さて、土曜の深夜に帰宅しましたが、京都は土砂降りでした。
そして日曜の朝、雨のあがった庭に出てみると、、不在だった4日のあいだに、鉢植えの花たちはものの見事に芋虫団にやられていて、「な、な、なんでこんなにフンがころころ転がっているのに、芋虫に気付かないのよぉ、とほほ」
この季節、昆虫たちの生命力は半端ないですねぇ。
往復の新幹線で読んでいたのは Anne Frasier 「Sleep Tight」 (2003)
Anne FrasierってTheresa Weirの別ペンネームなのですが、アン名義で発表したものを読むのは初めてです。
わたしは Theresa Weir のファンなので、時々思い出したように彼女の作品を買っているのですが、もっと有名になってもいいんじゃないかなぁ。
孤独や愛や痛みや優しさが、本当に文字じゃなくて実感として伝わるんですよ。
この作品はサスペンスで、ヒロインはFBI捜査官、17,18才の少女が連続して誘拐されて殺される事件を担当したところ。
で、サスペンスとしては、うーん、3.5点という所でしょうか。
解決までの手際がそれほどよくありません。
最後、犯人に繋がる手がかりというのも、ご都合主義に感じました。
ただし、Theresa の得意技、人を描く鋭さ、繊細さは、やはり光っています。
きれいごとでは済まさない残酷な現実と、それでもなお愛や優しさを求めてやまない気持ち、この按配が上手くて、ラストは温かいです。
しっかりロマンスもあります。(キスだけですが)(いや、それがいいんですよね、捜査中にいちゃいちゃする方がおかしいわ)
それにしても、ただの脇役なのにGavin には泣かされてしまいました。
こういう人間を描くとき Theresa Weir は天才的に上手いです。
さて、Kindleの中に未読本が山ほど入っているのですが、いつもどおり、読むそばから買ってしまう私は、Theresa の本をポチしてしまいました。
ポチしたからTheresaを読むのかと思いきや、次に読みだしたのは M. K. Hobson の「The Hidden Goddess」なのですが、「Native Star」を読んだのが去年の1月なので、すっかり省庁の名前や人名を忘れちゃって、なかなか乗れません。
もう一回Native Starを読み返さないとダメかも、、
週末はプランターの花の入れ替えと、梅干しやらにんにくを漬けました。
今年の南高梅は少し熟し方が足りない気がしたのですが、伸ばすと作業がウイークデイになるし仕方ありません。
にんにくは友人が畑で採れた新にんにくを送ってくれたので、3等分してオリーブ油とお醤油と焼酎に漬けることにしました。
ふふ、朝からニンニクの皮をむいていたので、家の中は猛烈なニンニク臭です。
さて M. K. Hobson の「Hidden Goddess」 を読む前に、 「Native Star」 を読み返していました。
いやぁ、面白いわ〜。
再読もまた初回と同じようにハラハラどきどきしちゃいました。
この作品はネヴュラ賞の候補にもなったそうですね。(受賞は逃したけれど)
このスチームパンクSFはほんと良く出来ているんですよ。
魔法の概念が面白く、魔法でありつつ、魔法でない、、特に credomancy の描写が絶秒です。
このパラレルワールドは19世紀終わりのアメリカが舞台で、魔法が日常に存在する世界なのだけれど、当時の社会状況がけっこうリアルに描かれ、女性の置かれている立場なども皮肉が利いていて、現代文明が抱える問題をさりげなくあぶりだしています。
魔法は大きく3つに分類できます。
animancy
sangrimancy
credomancy
animancy はスピリッツの魔法で、生物のもつ生命力や日の光、地球の元気玉を利用する感じ。薬草を扱ったり恋わずらいを治したり、魔女の多くはこのカテゴリに入ります。
sangrimancy は血の魔法。血のなかにある苦痛や怒りのエネルギーを主に利用するのですが、生き物を犠牲にする事で力を得るので、誰かを拷問したり、部下を殉死させたり、大いなる目的で人を殺して得た血で力を得ます。
ここまでは物語でよくある魔法なのですが、3つ目の分類、credomancy 信頼の魔法、、これがとっても食わせ物です。
出来ると思うから出来る、出来ないと思うから出来ない、、イワシの頭も信心から。
化粧品や健康食品のCMがちまたにあふれている現代人は笑えません。
credomancer たちは彼らの魔法力を堅牢にするため、新聞や雑誌、広告を通じて、針小棒大に騒ぎ立て、いかに credomancer が大事かを流します。
ネグレクトや決めつけ、、一歩間違えば言葉の暴力になるすれすれのところで、人を辱めたり、不安にさせて言葉巧みに誘導したり、、人間の信じたい気持をいかようにも操る credomancer 恐るべし!なんです。
ヒロインをただの駒扱いしているのにおくびにも出さないcredomancer研究所長の腹立たしい事といったら無いんですよ。
女性読者は何度も歯ぎしりすることでしょう。
田舎もので無学だけれど、決して愚かじゃなく、勇気・機転ではひけをとらないヒロインエミリーが本当に気持ちいい。
体のホメオスタシスがざる体質の Dreadnought Stanton が、ふふ、また良いんです。なんか、ゲドみたいに光と闇を抱えていて、、(^m^)
アクションバトルたっぷりで、陰謀もあり、ロマンスもあり、、
この本で初めて知った慣用句。
The best is the enemy of the good
あまり目標が高いとかえって成功を妨げる。(ヴォルテール)
"Do not make the best the enemy of the good."
というセリフが最後のほうにあり、ベストをグッドの敵にするなって何??意味が分からなかったのですが、慣用句だったんですね。
あれも出来なかった、あれも失敗した、と苦虫をつぶしたような顔のBに向かって、Aが言います。これが出来たじゃないか、これも出来たじゃないか。と。
完璧を求めたらいかんぞ。ひとつひとつのグッジョブを受け入れろ、って事ですね。
さてさて、まじでHidden Goddessを読まねば。。
M. K. Hobson 「Hidden Goddess」 (2011)
大満足でした!
睡眠時間を削って読んでしまいました。
すごいですね、デビュー長編の「Native Star」のあの出来は決してビギナーズラックじゃなかったです。この作家さん、本当に面白いわ。
5点満点と言いたいところですが、前作を読んでいないと分かりにくい点があるのと、エピローグが少し甘ったるいので、4.5点にしときます。
でも、ほんとに良く出来ていますよ、これ。
登場人物やストーリーの流れは前作に続いていますが、雰囲気が変わりました。
前作が「恋」だとしたら、本作は「愛」ですね。
ふたりで冒険をくぐり抜け、あなたの過去なんて関係ないの!今のあなたが好き! な〜んて事を言っていたのは一ヶ月前、、、NY上流社会でのおつきあい、魔法協会の権力闘争、陰謀、Dreadnought の過去の悪しき噂、毒女登場、人気凋落、、、現実社会の雑音が大大大音量でふたりに襲い掛かってきます。
ハイエナの群れに投げ込まれたようなヒロインと、暗い秘密を抱えて非難の的になっているヒーローの、心かき乱されるシリアスロマンス部分は、好き嫌いが分かれるかもしれません。
もっとカラッとしたものを求めている人は、こんなにロマンス色が強い話だったっけ?って思うかも。
わたしはかなりここが面白くて、複雑な感情をしっかり掘り下げたことで、Emily がまたひとつ強くなったと感じたのですが。
それにしても、結婚する、人を愛する、、って本当に大変なんだよなぁ、、、などと、しみじみ読んでしまいましたが(爆)、もちろんこの本はそれだけじゃありません。
世界の破壊を願うアステカの邪神の恐ろしい魔手は伸びてくるし、魔法力の駆逐を願う科学者集団 Sini Mira の言い分も理解できるし、内部の裏切りはあるし、、そうそう、ちゃんと笑いもユーモアもあります。
さらには「かけひき」とはこういう事か!と舌を巻く タレーラン的 Credomancy の解説ありの、ヒロインの両親の物語ありの、ヒーローの大いなる秘密が明かされるのありの、最後の最後まで読者をぐいぐいと引っ張り、最終決戦のシーンはもうもうもう、真夜中に読んでいたら、絶対にやめられずに寝ずに読んでしまうでしょう。
これだけ色々な事柄がわちゃわちゃと出てくるのに、この作家さんは、ちゃんとひとつにまとめあげる力があります。読んでいて楽しいです。
エピローグが甘ったるいのですが、ま、これは商売のためかな。
今はまだ生まれていない、息子が主人公になる話を売り込んでいるらしいです。
と、書きながらネットで調べてみたら、、なーんと!
今年の10月に出るじゃありませんか!
「The Warlock's Curse」
うわー、むっちゃ楽しみ。
あれですよ、Hidden Goddess を読んだ人なら分かる、あの呪いですよ、、
そうか、、、上手いこと繋がってるわぁ。
EURO2012準決勝 イタリアードイツ
イタリア、強かったですねぇ。。
ピルロ、、なんだか若返った? どんだけ走るんだか、あれだけ走って見事なパスをみせてくれるんだから驚きますね。。
イタリアの選手は位置取りが素晴らしく、こぼれ玉を取るにしろパスカットにしろ、なんでちゃんとそこにいたの、って所にいるんですよねぇ。
決勝戦が楽しみですね。
Theresa Weir 「American Dreamer」(1997)
コンテンポラリ ロマンティックサスペンス。
コンテンポラリといっても97年の出版なので、携帯電話はトランシーバーみたいな大きさだったと思いますが、全く一般的ではありませんでした。 物語の舞台アイオワのど田舎では、電話すらひいていない家もあり、ガソリンスタンドで公衆電話をかけるのが普通でした。
牧畜農家で成り立つ小さな田舎町。
頭のおかしい変わり者、女を自殺未遂に追いやったという汚名をひきずるNathan(32)は牛農家で、離婚の慰謝料に生家や土地の多くを元妻に取られてしまった。
10年前にレイプに遭い、以来社会に臆病になっていたLark(30)はカリフォルニアからとある調査にこの町を訪れた。
Nathanの元妻が死体で発見され、容疑者となるNathan、という真犯人探しのサスペンスはそれほどの出来ではありません(だってミエミエです)が、農業、牧畜、に人生をかけて、それが上手く行かずにどんどん疲弊しているNathanの暮らしが、、なんていうんでしょうか、すごいリアルにトラクターのディーゼルや土の匂いと共に迫ってきます。
ロマンス本を読んでいるのに、ところどころで苦しくなるほど生活の厳しさを感じちゃうんです。 偏狭な町の人々とか、会話に忍ばせたかすかな侮蔑のニュアンスとか、動いてくれないトラクターとか、、
この際立つリアル感は、作者自身の体験から来ているようで、シティガールだったテレサは代々農業を営んできた家の一人息子と恋に落ち、農家の嫁としてかなり辛い道を歩んだようです。そして、このロマンス本は、最愛の夫を亡くしたあとに書かれたそうで、、こんなハッピーエンドのロマンスなのに、何か胸をかき乱すものがあるのは、そういう背景があるからなんでしょうねぇ。
サスペンス部分に無理やり感があって、ヒーローが犯人ではない証拠がもっとあるだろーっ、もっとちゃんと捜査してよ、、いろいろ不満が残るのと、ヒロインが真犯人にのこのこ付いてゆくような部分があるので、読んでいるとイラッとしてしまう点が残念なところです。
それにしても、町の人々からは理解されず、傷ついている獣のように人をそばに寄せ付けようとしない、、こういう男を書かせると、とにかく Theresa は上手いですねぇ。
絶版だったものが Kindle 版で蘇るのは嬉しいことです。
日本版の Kindle もこういった絶版本を復活させてくれるんでしょうか。
また間が空いてしまいました・・・・
同じセリフの繰り返しですが、なんだかやたら忙しくて夕飯もちゃんと食べない日が続いたりで、ネットワーク管理の仕事とデータ解析の仕事に追われています。
忙しいと言いつつ、EUROをがんばってみてしまったり、自宅での仕事用にThinkPadのE420を買って(安いんです)、メモリを16GBにして、Windows 7 に VirtualBox で Biolinux を入れて、、とか、そういう事はシコシコとやってしまうんですが。
Patricia Briggs 「Fair Game」 (2012)
アルファ&オメガの3作目、出ていたんですね〜。
先週の土曜、東京に出張だったのですが、行きは読まなきゃいけない論文を持っていったので読んでいましたが、帰りはKindleでポチッたこれを読んでいました。
あっら〜、、深刻だわ。。
Anna と Charles って相思相愛なのになんか責任が重くて生真面目で大変なのよねぇ。
人間社会にWerewolfやその他異生物の存在を公表するというのが前回で、今回はもう色々と社会整備が進められている。 しかし、プレデターたる werewolf と人間が共存できる事を保証するために、ルールを破ったものはパックとして処刑せねばならない。 やっぱり werewolf は危ない動物なんだと糾弾されないためにも、いかに真っ当な怒りであっても、かみ殺したくなるという本能を制御できない werewolf には死が待つのみなのである。
曖昧を許さない姿勢こそがパックを守る法なのだと頭では分かっているものの、死刑執行人 はいつも Charles であり、Charles は知り合いや仲間を殺さなくてはならない。
自分は汚れている、とAnnaから次第に離れてゆく Charles、、
そんな頃、FBI からシリアルキラーの捜査協力の依頼がくる。
へぇ、こんなに人間社会と絡むのは珍しいわ。
まだ、3分の1ってところです。
解析の仕事がやっとひと段落しましたぁ〜。
頼まれている仕事が残るはあと一つ。
これが済むと、また別の依頼が来る予定で、、仕事を頼まれるのは有難いのですが、ちょっと休みたいのが正直なところです。
さて Patricia Briggs 「Fair Game」 (2012)
いやいやいやいやぁ、、、なんですか、このシリアスな終わり方。
シリアルキラーはまあミエミエな人物だったので、一件落着になるにしてはまだページが随分あるなぁ、と気にはなっていたんです。
そうですよね、werewolf や fae が人間と共存する社会なんて、そう簡単に出来るわけないですよねえ。
なるほどね、死刑執行人としての Charles の迷いと、制裁された werewolf たちの犯した過ちが、こういう風に最後リンクされるのね。
裁判で思いっきり不利に働いたのがねぇ。。。くそぉ、くそぉ、とソファに座りながら地団太踏みましたよ。
と、ここまでも、まぁ、想像できなくはない流れだったのですが、、
え゛ーーーーっ
とにかく、爆弾は落とされた、と言う事ですね。
チャールズもアンナもブランも、なんだかもう、開き直った?
あんなパンケーキを食べてる場合でしょうか?(笑)
Ms.Briggs はこの続きをどんな風に料理してくれるのか、ものすごく楽しみです。
暑いです。
ほんと暑いです。
わたしの職場は計画停電から免れましたが、独自に節電体制をしいていて、普通の部屋はクーラーも切るし、冷蔵庫も切るし、廊下も電灯をつけずに真っ暗のままです。
でも、わたしのいる部屋はネットワークサーバーや解析サーバーがあるので、一日中冷えていて、サーキュレーターも回っているしで、、申し訳ないと思いつつ、肩にショールをかけて仕事しております。
実際計画停電が本当に起きたら、、停電前にサーバー群を止めて、停電後にサーバー群を起動して、、想像するだけで戦々恐々です。
サーバーは止めないのが一番なんですよね。
ネットワーク社会の現代では、電気の使用を控えることはそう簡単ではありませんね。
電子メールやWEB、電子決済、、24時間365日、サーバーたちは動き続けていて、大量データを溜めているデータセンターがあり、それらをクーラーで冷やしている場所があり、、リスクを減らすために二重電源にしたりコピーをとったりして更にものは増えていて。
悩ましいです。
さて解析がひと段落、、と昨日書いたばかりなのに、、共同研究相手の教授から、ここを手直し、あそこを追加、これもついでに調べて、、と、山ほど注文されてしまいました。
月末に発表する予定が入り、それに間に合わせなくてはなりません、、、はぁ。
最初に手がけた解析を参考にしようと、前のノートを見直してびっくりしました。
こういった解析を始めて、まだ一年なのでした。もっと前のような気がしています。
偶然にもアマゾンの無料セール中でした。
Theresa Weir 「Pictures of Emily」
買おうと思ってアマゾンに行ったので、ほんとラッキー。
最近こういう絶版がどんどん電子ブックで再版されていて嬉しいですね。
シルエットロマンスらしい、無垢で純真で美しい島の娘、エミリー(20)と、世界的に有名で芸能誌をいつもにぎわせるモデル、ソニー(28)の超切ないロマンス。
代わりのきかない人間なんていないというシニカルなヒーローは、自分に価値を見出せない悲しい絶望を抱えている。
一方、ヒロインはとてもまっすぐで人を疑わない娘だけれど、未経験の愛にとまどい、彼が自分を必要としている事は感じるものの、有名人である彼が自分を本当に愛しているのか自信が持てない。
ヒロインの妹たちのなにげない言葉やしぐさ、ヒーローの数少ない友人のセリフなど、繊細で知的で、物語をぴりっとひきしめています。
初期の王道ロマンスでありながら、人間観察と感情のすくい上げが見事な Theresa らしさが垣間見れます。
初めて出会った時のセリフが「きみは人魚?」、心臓を射抜かれたブリキのきこりくんヒーローです。
愛すること、愛されることが恐くて逃げてしまうヒーローに、「どんなに遠くに逃げても、何回逃げ出しても、いつだって私はここにいて、あなたを待っているから」と天使のようでありつつ、3人の妹の母代わりもしているしっかり者ヒロイン。
ふふふ、こういうロマンスはたまに読むと、胸きゅんでいいですねえ。
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