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更新記録 2010年4月1日から2010年5月31日まで


4月 4日

週末は桜満開のぽかぽか陽気。家事を済ませ、久しぶりにのんびり読書。

Karen Robards 「One Summer」(1993)

カレン・ロバーズを読むのは初めてだけれど、なんというか、妙に既読感がある話だった。
一つ一つのシーンは甘く切なくて、読者をきゅんきゅんさせるんだが、全体として考えると少女マンガと言うか、、シリアスな掘り下げや展開があるのか、と思ったら、冴えないめがねっ子ちゃんが眼鏡をはずしたら超美人! みたいな話だった、というか。

読む前に期待しすぎてしまったため、なんちゃってロマサスだと気付いてガッカリして点が辛くなっちゃったのだ。 最初から甘切な「女の夢」ロマンスだと思って読めばよかったなぁ。

11年前に女子高生をレイプして殺した罪で刑務所に入れられた男が、仮出所で故郷の町に戻ってくる。
バッドボーイ・リターンズには必ず、待っているグッドガールがいる。
今回はそれがヒーローより5歳年上の、高校教師(当時も今も)だという点が新鮮なポイントだ。

自分が殺(や)ったんじゃない!といくら主張しても、ゴミタメのような底辺・低所得者層の不良に味方はいない。11年の服役で更に危険な男になって町に戻って来て、到着した早々、トラブルを起こす。 ヒロイン以外の全員から憎しみや嫌悪の目を向けられているってわけだ。

で、わたしは最初考えた。
30にもなった男が、わざわざ憎まれている故郷の町に戻ってきて、(仮出所だからトラブル起こしたら刑務所に戻されてしまう恐れもあるのに)ケンカを売りまくるのには、きっとワケがあるんだろう。
誰彼となく怒らせて、真犯人をおびき出そうという計画なんじゃないか?
自分の冤罪を晴らそうと思ってるんじゃないか?

・・・・間違ってた。

ただただ故郷に一度戻りたくて、高校生の時からあこがれていた先生(ヒロイン)に会いたくて、彼女をモノにしたくて戻ってきたのだった。

うーむ、まぁねぇ、、Bad Boyの一途な思い、、これって女の夢だわねぇ(爆)。
でもってヒロイン、ミス南部レディは彼の無実を信じて彼を擁護する一方、大人の男になった彼のむんむんする魅力に、だめ、だめ、惹かれちゃだめ!と苦悩するわけだ。

3分の1くらいまでは、二人の所属する社会クラスの違いや年の差、世間の常識、偏見等にもみくちゃにされる二人なので、色々切なくて、ヒーローの鬱屈した怒りも、ヒロインの当然の迷いもリアルに伝わり、読んでいて面白かったが、だんだん二人がハッピーになってくると、なんだか、急に「めがねっ娘ちゃん」系物語になったような。。。

矢吹丈みたいだったヒーローは、心が温かく、知性的で、ちょっと本を読めばテーブルマナーもばっちりだし、実は優秀だから将来計画もばっちりだし、信頼を裏切らない。
一方でヒーローと対比させられたエリートや裕福店主たちは、一皮剥けば薄情で冷たく、浮気で家族を捨てたり、と、「裕福な南部男は中身がスカ、貧しいワルは心豊かで善人」というステレオタイプだったりする。

さらに、以前読んだカレン・ローズの「暗闇に抱かれて」とか、ケイ・フーパーだったかの話とか、とにかく、ごく普通に見えた親友や同僚が、実は多重人格者でサイコパスで、何一つ証拠を残さず人をさくさく殺していたんです、という筋書きは、まぁ、それしか話を終わらせる方法がないかねぇ、と諦め気分で読みつつ、あぁ、最初から「なんちゃってロマンティックサスペンス」だと教えて欲しかった、と思ったりするわけデス。

例えば、ビリー・グリーンのSSE「白い風の中で」だったら、過去の殺人事件の真相が明らかになると、愚かな人間模様が浮き彫りになってほろ苦く、脇役にもドラマがあるんだが、そういうのがサイコパス系には無いのよねぇ。

先生は俺のもんだ! あぁ、ジョニー!
うひひ、ロマンス部分は好みだったんだけどなぁ。

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4月 5日

週末の間並行して読んでいた Anita Mills 「Secret Nights」(1994)

前に途中まで読んで放置していた本。

この話は一風変わっているので、誰にでも薦められる話ではない。
ロマンス自体はスタンダード。
野心溢れるマクベスのようなヒーローが、ヒロインと出会った事で、真の幸福とは彼女との愛に生きることだと悟り、これまでの生き方を大転換する話なんだが、ロンドンの風俗とヒロインの父親のキャラクターが強烈で、とにかく簡単には呑み込み難い話だ。

読者には早々と知らされるので、ここで明かしてもネタばれにはならないが、ヒロインの父親は「連続殺人犯」なんである。
冤罪でも何でもない、正真正銘の殺人者なんである。

彼はレンガ製造販売で巨財を成し、ロンドンに大邸宅を構えている。
妻や娘を崇めるように神格化する一方で、夜な夜な性の欲求のために娼婦を買う。彼は娼婦など人間のクズだ、薄汚れたブタだ、と痛めつけては快楽を得る。
そして次第に乱暴が高じて、娼婦を殺してしまい、以来、限りなく殺しているんである。

なんやて! このバート・ランドを捕まえるやて! あほかっ、わしゃ誰一人殺しとらん! 売女ごときが死んだところで世の中掃除になってええやないかぃ! クズのためにこのバート・ランドを縛り首にするっちゅうんかい! 奴らはわしがぎょうさん金持ちなんで妬んどるんじゃ! わしは無実じゃ!

で、家では善人の顔を見せている父親を、ヒロインは愛して信じきっているんである。

このヒロインは、社会を良くしたいと願い、当時の社会問題、例えば煙突掃除児童の救済を訴えたり、貧民院を訪ねたり、パンフレッドをコベントガーデン前で配ったり、と、慈善や社会改革に関心が高い、真心と行動力のある女性なんである。

それなのに、
娼婦連続殺人の証拠のどれもが彼女の父親を「クロ」と指し示しているのに、一心に父親の無罪を信じている。

わしを救えるのはパトリック・ハミルトンだけだ。あの男しかわしを救えん。娘よ、何がなんでもハミルトンに頼んでくれっ!

辣腕法廷弁護士パトリック・ハミルトン(ヒーロー)はバート・ランドがクロだと思っているが、ヒロインの必死の頼みを聞き入れてしまう。「父の弁護を引き受けてくれたら、何でもあなたの望むものを差し上げます」

トーリー党議員に立候補するつもりで、有力伯爵の娘と婚約したヒーローだが、眼が覚めるほど美しく、正義感に溢れ、心優しいヒロインにどんどん惹かれてゆく。
彼女が欲しい! でも、バート・ランドは大嘘つきで、一体何人殺したか分からないほど有罪だ。。どうやって絞首刑を回避できるというのだ・・・だが、、弁護すると約束してしまった・・・

父のため、体を差し出してしまったが、パトリックのシニカルな仮面の下にある優しさを知ってしまい、惹かれてしまうエリー。
安っぽい女になってしまったと罪を悔い、揺れる心を恐れ、二度とパトリックに会うまいと決心するが、、

いやはや、この話、パトリックとエリーの献身・純愛ときたら、これほど恋に落ちてる二人っていません、というほど恋に落ちる、甘く切ない胸きゅんロマンスなのだが、一方で父親が「羊たちの沈黙」のレクター博士か切り裂きジャックか、という殺人者なので居心地が悪い。
父を助けて、と言われても、本物の犯人じゃどうしたらいいの?(>_<)

物語は骨太で、バーソロミュー・ランドを単なる異常者というように扱っているわけではない。
ナポレオン戦争が終結し、職にあぶれた元兵士たちが貧困に苦しんでいる。労働者の劣悪な待遇、ストリートチルドレンの問題、社会には不公平と不正義があふれている。
娼婦が何人死んだところで、実際、富裕層はそれが重要な事だと思っちゃいない。
大金持ちのMr.Randを極悪人として処刑する事は、社会不満のはけ口なのだ。
彼は格好のスケープゴートとして、新聞に連日書きたてられる。

絞首刑が余興となっているロンドン、微罪でも貧乏人は流刑や死刑となる裁判、ニューゲートの囚人環境、トーリーとホイッグの駆け引き、、そりゃもう、様々なエピソードが登場し、リージェンシー・ロマンスにしてはシリアスすぎる、真剣すぎる。

作者がエリーに清らかな忠誠心というキャラクターを与えたため、父親を疑わないにも程がある、とイラつく事は否めないが、「殺人狂Mr.ランドを弁護する」という事がパトリックにとって色々と運命を変える手段や口実になる。
実に巧妙なストーリーでもあった。

娼婦を痛めつけて殺すシーンもあるし、平民や貧民のなまりだらけのセリフで、読みやすい物語とは言えないが、ディケンズのようなリージェンシーロマンスが読みたい時はお勧め。

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4月 7日

セルビア、若いのにいいチームでしたねぇ・・。はぁ〜。

Kresley Cole「Pleasure of A Dark Prince」 (2010)

いやいやいやいやぁ、、クレスリー・コール、感心しましたよ。
読み始めた時は、シリーズも7作目になるとさすがに勢いが落ちたか、と思ったりしたのですが、途中までのスローペースから、ラストスパートが凄かった。

これまでこのImmortals After Dark(IAD)シリーズは、敵との戦いがあっても骨の髄まで寒くなるような敵は出てこなかったし Omort the Deathless にも最後は哀れを感じたものでしたが、今作の悪役は、、ひえぇ〜、、ほんま、ぞっとさせられました。

Broken Bloody One の別名を持つ Cruach の禍々しい造型が見事です。このモンスターが持つ能力というのがね、なるほどねぇ、上手いこと考えるなぁ。
スコッツ弁丸出しのライキー王子 Garreth と 弓の名手 Lucia the Huntress のロマンスを、こんな風に最悪最強Cruach と絡ませるとはねぇ。
(ガレスの胸をかきむしる愛がぁぁ、、やっぱ、ライキーの盲目的献身は、良かですたい)

ガレスがルシアを「俺のmateだーっ!」と追いかけていたのは、シリーズ最初から読者は皆分かっていましたが、なぜルシアが逃げ続けるのか、よく分かっていませんでした。
彼女の抱えている秘密、彼女の背負っている宿命が、今作で明らかになります。
今度のヒロイン、ルシアの秘密や宿命は、パラノーマル設定だけれど、現代女性の問題と通じるところがあって、読んでいて結構考えちゃったり。。

クレスリー作品のいいトコは、ヒロインがバランスの良い強さを持ってる事ですよね。知的というか、押す所と引く所のタイミングを知ってるというか。
保護欲のかたまりのアルファヒーローばかり出てくるのに、ちゃんと彼ら以上に強く戦うヒロインを描いてくれるから、読んでいて気持ちがいいんですよねぇ。

ただし、今作はかなり不満も残ります。
なんていうんでしょう。商売上の戦略? 尻切れトンボのエピソードが一杯なんです。
あの人はどうなるの? あの人は助かるの? 困っている人が沢山出てきて、そのままです。(不眠先生助けてあげたいっ!)
あの災厄はどうなるの? あいつらは何者なの? やばい事が起きるんですが、そのままです。
IAD#6のRydstromの話の時から怪しい行動をとっていたヴァンパイア Lothaire がまたまた超怪しい行動をとります。(おのれは何を企んどるんじゃーっ)

これまでの雰囲気と変わって、急激に世界情勢が不安定になってきた感じです。
ちぇっ、これでまた次の8番目が8月に出るのを待たなくちゃならないわけですねぇ・・。

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4月 9日

ジョーダン・デイン「届かない叫び」
マリアンヌ・スティリングス「ミステリーはお好き?」

とても褒めていたレビューを読んだため買ってみたが、、、うーん、not my books の2冊。

「届かない叫び」は実に中途半端な本だった。
陰惨な事件とやばすぎる敵という華々しい幕開き、暗い本格サスペンス風に始まったので、期待していたら、出会ってすぐにソウルメイトだ!とヒロインとヒーローは感じちゃったらしく、慎重に行動すべき大事な時であるのに、やたら脇の甘い行動をとってしまう。
裏社会をよく知ってる男と優秀な刑事というふれこみが、少しもリアルに伝わってこない。
そもそも、女刑事は超美人だそうだし、謎の男として登場したヒーローは「GQ」表紙を飾るようなゴージャスなセクシー男だという。

そんなゴージャス男がヒロインを見たとたんに、「彼女こそ僕の穢れた魂を救ってくれる女性なんだ」とか思っちゃうのもなんだかなぁ〜、だし、ヒロインのほうもヒロイン母がアル中か?って感じだったのに、家族の亀裂も事件が解決したら無問題だったりするし、、H/Hどちらの人物像もやたら深刻ぶるだけで深く掘り下げられていない。

所どころ、まともな推理小説風、所々、性的虐待の問題を取り上げる社会派サスペンス風、、でも結局は花火をたくさん打ち上げただけの「なんちゃってダーク」捕り物帳って感じだろうか。

「ミステリーはお好き?」はちょっとマシだったが、ヒロインのキャラクターの輪郭がぼやけていて、最後まで違和感がぬぐえなかった。
愛すべきヒーロー、ソルジャーの魅力がなかったら途中で放っていたかも。

彼女の毒舌エッセイの切れ味と、実際の人物像にものすごーい違和感が残る。才女というより自信の無い女性で、観察力も鋭くない。
なんでここまでこき下ろすの?
ヒーローの小説がここまでヒロインの逆鱗に触れるのはなぜなの?
本当にヒーローの作品が凡作なの?

くどくど突っ込まなくていいじゃないの、単なる面白いロマンスなんだからさ、って感じなわけ。お話のためのお話ってレベル以上のものが感じられなかった。

殺人事件は起きるが、カレン・ロバーズの所で書いたように、「ごく普通に見えた親友や同僚が、実は多重人格者でサイコパスで、何一つ証拠を残さず人をさくさく殺していたんです」パターンは、もう食傷気味。
いい加減、サイコパス禁止令を出版社に出してもらいたいワ。
80年代だったら新鮮だったし衝撃だったけれど、今サイコパスを書くのは、単なる作家の怠慢だ〜。

書くなら、ジェン・サックス「ナイス・レディ」のように、実はヒロインがサイコパスだった、ぐらいの衝撃にして欲しい。(いや、これはこれでヒドイ話だけどサ)

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4月10日

FC愛媛の福田選手、ゴールおめでとー。
なんだかしみじみしてしまいました。

ガンバもようやく星ひとつ♪

ついでに、ちょっと古いニュースですが(4/6)、強力な磁石が人間の脳の「モラル判断を司る部分」を狂わせるって、なんとも気味の悪い報告ですねー。
右耳の後ろに強い磁石を当てられると、モラルに関する事を、人はロボットのように結果の大小だけで判断してしまうそうです。
具体的な例では、磁石の影響の実験で、被験者の多くが、自分の体に爆弾つけたテロ犯について「自爆は(他の攻撃に比べたら)それほど大勢の人を殺すわけじゃないから」と寛容に判断したんだそうです。

やっていい事と悪い事の判断は、それ自体とても曖昧な事ですよね。
宗教や文化によって行為の正当性は変わるわけだし、唯一の正しさ、なんて無いのかもしれないけれど、とにかくそれぞれの人の善悪の判断が、磁石で影響受けてしまうって事が恐いですねぇ。

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4月11日

店内2坪ほどの小さなブティックPをこの10年ほど懇意にしている。
オーナーSさんは55才のパワフル女性。10年の結婚生活に終止符を打って、40代からお店を始めたという経歴で、彼女の人脈は多彩だし行動力はあるし、PはSさんを慕う女性客(平均年齢高し!笑)でいつも賑わっている。

そのSさんが結婚した。

えーーっ! 長く付き合っていた人なの?

違うよ〜。人生、何が起きるかわかんないんだよね〜。

洋服など商品が入っていた段ボール等を定期的に回収に来ていた古紙回収のお兄さんに告白され、居酒屋デートを重ね、、、そして、一緒に年をとろうと言われたという。
(告白のセリフが、またね、「超」殺し文句でねぇ、、、)

彼女の携帯にはお兄さんもとい!ごっついおっさんの写真が!(^o^)

若い女性だと古紙回収業にちょっと躊躇いがあるかもしれないが、Sさんは経済力あるから旦那のひとりくらい養えるし、、なにより女性ホルモンの分泌が増えたのか、顔がきらきらしているのが一目瞭然。

ちょっとね、思っていたんですよ。お化粧の感じとか変わったなぁって。。やっぱ、そういう事があったんですねぇ。
ふふふ、まぁね。
(のろけ全開!)

・・・ご不要になりました古新聞、古雑誌、段ボール等がございましたら、多少に関わらず・・・町でみかけるライトバンにもこんなドラマがあるのでした。

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4月13日

Theresa Weir 「Last Summer」(1992)

破滅型ヒーローもの、読み始めました。
やばっ、、ジョニーったら、もうもう、おばかさんで情けなくて自暴自棄で弱くて、もうもうもう、好みですわん(爆)。

私の脳内イメージでは、あれほど才能があるのにぼろぼろに身を持ち崩した昔のロバート・ダウニー・ジュニアとか、「妹の恋人」の頃のジョニー・デップ。
バカ騒ぎしていても目の奥に絶望が浮かんでいるような、痛々しいくらいむき出しの弱さを隠して笑っているような、、(ははは、かなり妄想入ってます)

チャップリンを演じたロバート・ダウニー・ジュニアや、キートンの真似をしたジョニー・デップを想像して書いたんじゃないのかなぁ。 絶対そうだと思いたい!(笑)

ジョニー・アイリッシュは、ハリウッドで成功しつつあるコメディ俳優だが、奇矯な行動とバカ騒ぎを繰り返す事で有名。一部の識者は彼の抜きん出た演技力を認めているも、世間はお騒がせ映画スターとしてしか見ていない。
彼が心の底から疎んでいる生まれ故郷、テキサスの田舎町Hope。
その町の祭典に町が生んだヒーローとして招待され、「俺を追い出したくせに、こいつはお笑いだ」 町の顔に泥を塗ってやろう、という気分で招待に応じた。

ヒロインはHopeに8年前に移ってきた生真面目な高校教師。夫を病気で亡くしている。
ジョニーのエスコート役を押し付けられ、ふざけたジョニーの態度にうんざりしている。

オープンカーに乗って町の大通りをパレードしている途中で、ジョニーは意識を失って車から転落する。
そばにはカラの注射器が。。。

いやはや、物語はまだまだ先が長いんですが、
彼は精神的に非常に不安定で(もちろん原因はある)、もろくて、ほんとに痛々しいの。でも、作者が彼に言わせるセリフが実にうまくて、乱暴な毒舌やひねりの効いたユーモア、さらには温かみのあるオカシミが彼を輝かせるんです。
なんでみんなジョニーの事を分かってあげないのよーーっ、きぃーーっ。

ジョニーの上っ面しか見ないヒロイン。いや、本当は仮面の下の傷だらけの魂を見てるんだけれど、頑なに「あれもこれも演技のうちだ」と自分に言い聞かせ、深く関わろうとしない。
いっときのお遊びにつきあう気はない。そうつぶやき続けるヒロインに読者はイラつくが、安全という人生の檻から一歩も出ようとしないヒロインもまた、物語のなかで成長しなくてはならない。

よくあるロマンスと違って、ジョニーはあまり語らず去ってゆき、また、ある事件が起きて、、、
あぁん、ジョニーっ、なんでそんなに自分の命を粗末にするの!!
もっと自分を大事にしてよーーーっ!!(号泣)
ジョニーは再び唐突にHopeにやってくるんだが、肝心な事はあまり語らず、、、うっぎゃっぎゃっぎゃ、うわべしか見ないヒロインは、、うっぎゃっぎゃっぎゃ、、

どうも、これがこの先2,3回繰り返されるらしくて恐い。
幸せが遠すぎる・・・・

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4月15日

アンドリュー・パーカー 「 眼の誕生-カンブリア紀大進化の謎を解く」

「Last Summer」のジョニーに胸きゅんきゅんとほざいていた後にこれを読了ってなんやねん!という感じだが、ロマンス本が飽きたらこっち、こっちが飽きたらSF、というように並行して読んでいるので。

「眼の誕生」は実に面白かった。
「これは本当に新発見なんだろうな?」と編集長が聞き返したほど、言われてみれば当たり前のような、まさか著者より以前に誰もこれを思いつかなかったなんて嘘だろ・・・と言いたくなるような、眼からうろこの本だった。

5億4300万年前、なぜ生物は、突如、爆発的に進化したのか? 
バージェス動物群の奇妙奇天烈な形。回折格子による虹色の構造色。丹念に傍証をつみあげてゆく過程は、「眼」にたどり着くまでちょっと長いが読み終わってみれば、がっちり説得されている。

物体に色なんてものはない、「色」とは物体から跳ね返ってくる電磁波の様々な波長を脳が解釈しているだけだ、と言われて妙にショックだった。「見ている」と思っている事は何なんだろうなぁ。

さらにもう一つ、生物の不思議を痛感したこと。
単なる視覚ではなく、「眼」を初めて持った生物は三葉虫で、カンブリア紀には節足動物しか眼を発達させなかった。
我々脊椎動物の眼はカメラ眼で、節足動物の複眼とは全く別の異なる時に進化した。
それなのに、Drosophila(ハエ)の複眼形成のマスター遺伝子 eyeless と、マウスのカメラ眼形成のマスター遺伝子 Pax-6 は非常によく似ていて、マウスの Pax6 をハエに導入して本来眼ができるはずのない所に複眼を作らせることが出来る。

このような、形づくりに共通な上位遺伝子をツールキット遺伝子と呼ぶのだが、共通のものから指令を受けて出来上がる形が長い時間のうちにここまでバリエーションに富んだものになることに驚嘆する。
サイエンス関係は続けて「ミラーニューロン」を読む予定。

ジョニーの話があまりに辛そうで、一時停止して、ジャニー・ワーツの「帝国の娘」(ハヤカワ)を読み始める。表紙絵が情けないので、買ったはいいが食指が伸びなかったのだが、読み始めると、をを、面白い。。

復讐心を抱えてのしあがってゆく、少女成長もの?

軍事惑星、有力な一門の娘がヒロイン。
彼女は血で血を洗う権力ゲームを嫌い、修道女になる訓練を受けていたが、父と兄がライバル一門の謀りごとで殺され、権力闘争ゲームの真っ只中に否応なく放り込まれる。。
領民を守るため、家を守るため、戦わなくてはならないが、ライバル一門によってほとんど両手両足をもがれたようなダメージなのだ。
そこから女の魅力や手管すべてを駆使して権力のトップへとのし上がってゆく物語らしい。

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4月17日

レイモンド・E・フィースト&ジャニー・ワーツ 「帝国の娘( 上・下)」(1987)

読み出したら止まらない面白さ!!

「く、苦しい、息をするのを忘れた、すぅーー、はぁ、はぁ」
それくらい息詰まる苦難の連続と思わぬ展開。
虎視眈々とヒロインの命を狙う者たちが、ほんの少しの失敗、ほんの少しの隙を待ち構えている。

SFファンタジーというが、正直SFでもファンタジーでもないと思う。空想上の舞台で繰り広げられたら何でもファンタジーという分類になってしまうのだろうか。
架空の惑星ケレワンが舞台で、6本足の牛みたいな家畜ニードラや、アリとほとんど同じ社会性昆虫型知的生物チョー=ジャ等が出てくるが、すべて舞台装置というだけで、普通の、ごく普通のヒストリカル、人間(ツラニ人)ドラマだ。

だが、これが本当に良くできている。

ツラニ人社会は、男尊女卑社会で、この手のSFファンタジーによくある中世的封建社会。
文化の発達レベルは、徒歩か駕籠か船しか移動手段がない、武器は剣や槍や弓矢である。
わたしは街の描写や慣習から中世のアルハンブラ宮殿やイスラム社会のイメージをもったが、うわさでは作者は日本を意識したらしい。
西欧の作家って男尊女卑の封建社会ものというと日本が思い浮かぶのかなぁ(複雑な気分)。

ヒロイン、マーラはアコマ家の姫。アコマ家は帝国の5大家族につぐ名家である。
アコマ家には血で血をあらう長年の敵、血讐の一族がある。それがミンワナビ家。

物語は、ミンワナビ家の策略で父と兄と多数の兵士が死んでしまったところから始まる。
豊かな領地と健全な財政を誇るとはいえ、家長も嫡子も失い、残った兵士わずか50名、命運が尽きようとしているアコマ家。
17歳のマーラは、いったいどうやって、この状況から家を再興し、さらに父兄の復讐ができるというのだ・・・

権謀術策の高等会議ゲームを冷静な計算と度胸と忍耐で生き抜いてゆくマーラだが、なにがすごいって、殺しを含め、汚い手も辞さない本気の生存競争を戦うヒロインであること。
競技会のような、試合が終わったら健闘をたたえ握手するような戦いではないし、勧善懲悪の正義は勝つ!スーパーヒロインものでもない。
あまりに深く相手のみぞおちをえぐるので、勝負に勝っても一層の憎しみや敵をつくる。そういう複雑な人間模様が物語をさらに面白くする。

真剣勝負に負けたら自分の死、家名の死、領民の死が待っているのだから、汚い手もきれいもないが、ヒロインにこういう道を選ばせるのか。。と甘ちゃんのわたしが驚いた所もあった。
だが、打算的という言葉では片付けられない葛藤があり、恐るべき女であるが、共感を勝ち取れる女性だ。

ストーリーはよく練られており、容赦ないが、命の尊さも感じさせるし、ジェンダー視点もあり、男社会に対する女性の挑戦としてもスリリングである。

「野望から行動する者と、生き残るために行動する者と、どちらのほうが恐ろしいか? わしらは仲良くやっていけそうだ。しかし、わしの本能はそなたは危険であると警告しておる。それゆえさしあたりは、仲たがいをする理由はないとだけ言おうではないか」

こわ、、背中を向けたら最後じゃね?

この作品は、レイモンド・フィーストの「リフトウォー・サーガ」の外伝という位置づけだが、私のようにリフトウォー・サーガを読んだ事がないものでも全然大丈夫だ。もしかしたら本編よりもこちらの出来のほうが良いかも? そう思いたくなるほど、この作品はよく出来ている。

続編「Servant of the Empire」「Mistress of the Empire」は翻訳されていない。
ミンワナビ家の、より陰湿な策謀家の甥が出てくるらしい。また、リフトウォー・サーガで惑星ケレワンが戦っている相手のミドケミア星人が奴隷として出てきて、マーラと恋人関係になるらしい。

うーん、、未読本がいっぱいあるのに、また買いたくなってしまった。

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4月19日

先日読み終えた「眼の誕生」のところにツールキット遺伝子の事をちょっと付け加えたが、眼の形成に限らず、足の形成にしても、ショウジョウバエの足とニワトリの脚、魚の鰭、ウミウシ(軟体動物)の側足など、最終形態が全然違うのに「足」形成に共通のマスター遺伝子があるそうだ。
ショウジョウバエの心臓形成の上位遺伝子tinman(ブリキ男、オズの魔法使いのブリキのきこり[心臓がない]からついた名前)、このティンマンは、哺乳類の心臓形成に関わるNK-2と相同だったとか、色々なものに共通の上位遺伝子が見つかる。

さて、今日はまた別の驚きの事実を知ってしまった。
もしかして、わたし以外の人は知ってた事なのかな、、最近不勉強で、ほんと、
「ぎょえーっ、知らなかったーっ」って感じだったんだけど。

クモは昆虫じゃない、と小学校で習いましたよね。
昆虫は頭、胸、腹の3つの部位で出来ていて、6本の足は全部胸部から出ている。
一方、クモは頭胸部と腹部の2つ、という事になっていて、8本の足は頭胸部から出ている。
頭胸部って呼ぶくらいだから、頭と胸がくっついていて、昆虫の胸部に相当するところから足が出てると考えるのが普通でしょ。

ところが、クモの足の発生分化を昆虫の発生と比べながら遺伝子発現で調べたところ、なんと、クモの8本の足のうち前の6本は、昆虫で言うところの口だったのです!!


(昆虫の)第1触角は(クモの)鋏角(Chelicerae)
第2触角〔昆虫では欠如〕はクモの触肢(Pedipalps)

Mandible〔大顎〕が足1
Maxillae〔下顎〕が足2
Labium〔下唇〕が足3
thorax〔胸部〕1が足4

うげげげ、クモって、頭部を巨大に変化させて、虫でいう上下の顎と下くちびるを使って歩くように進化した生き物だったんですぅ〜。。

昆虫の足に当たるのは、最後の足4だけという驚き。
節足動物という共通の雛型を持っていても、どこをどう変化させて今の形が出来上がるか、分かったような顔で見ていた人間をクモは笑っていたかもしれませんねぇ。

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4月26日

ちょっと忙しくて間が空いてしまいました。

夜はくたびれちゃって、がっつりしたモノを読む気になれず、Theresa Weir の「Last Summer」を横目で見つつ(飛ばし読みしちゃったので、もう一回じっくり読もうと思って)、Jennifer Ashley の「The Madness of Lord Ian Mackenzie」を読み始め(ごっつい面白い!)、 さらにLisa Harris の「Final Deposit」を読み出しました。

結局読み終わったのはリサ・ハリス(ベサニー・キャンベル)のクリスチャン・ロマサス。
ハーレクイン社傘下のクリスチャン系出版社から出てるものですが、すごいですね、クリスチャン・ロマサスって。
こういうのをクリスチャンロマンスって言うのか、、こういうのが実は売れているのか、、

普通のロマサスだったら、困っているヒロインをヒーローが助けたりしてるうちに、「そんな事してる場合かっ!」と突っ込みをいれたくなる熱いシーンがあったりしますが、これは違うんです。二人はとても真面目に、神さまに問いかけたり、祈りを捧げたりするんですよ。

世界で大問題になった詐欺「ナイジェリアの手紙」を題材に使っています。
Nigeria 419 とググれば、詳しい説明が読めますが、一種の振り込め詐欺です。

親友の結婚式の付添い人を務めたヒロインは、13年ぶりに大学の同級生(ヒーロー)と再会する。お互い淡い好意を持っていたが、別々の道を歩んできて、式が終わればヒロインは地元ダラス、ヒーローはカリフォルニアへ帰ってゆかねばならない、、と、ここで、ヒロインの父親が倒れたという病院からの知らせ。ヒーローは動揺するヒロインを式場から病院まで送ってあげる。

父の入院準備のため実家に帰ったヒロインは、クレジット会社からの督促状やその他色々な郵便物が山のように積んであるのを見つけてしまう。
父親が詐欺にひっかかって、土地家屋を抵当にいれ、クレジットカード最大限までお金を借り入れている事がだんだん明らかになる。
ヒロインを助けて調査してくれるヒーロー(ITセキュリティ専門会社経営)。
実はヒーローの兄が以前悪質なインターネット詐欺にひっかかって苦しんだ事が、セキュリティ会社起業の動機だったのだ。

これがねぇ、非常にシリアスな話で、ほんわかした部分ゼロ。
ヒロインが、「お父さんはだまされているのよ!」と言ってもがんとして信じようとしない父親。
詐欺犯人だけじゃなく、父親に対しても、なぜなの、なぜなの、抑えきれない怒りを抱いてしまうし、また、母が死んだあと孤独になっていた父親のことを気付かなかった自分を責めたりもする。

あぁ、クリスチャン系だから奇跡が起こるんじゃないか、と思ったら大間違い。最後まで悪人は悪人、失ったものは戻らない。
じゃ、なにがクリスチャン系なのか、というと、辛い現実に信仰者としてどう向き合うか、自分の信仰を問うような作りになっているんです。

ヒロインがヒーローの胸を借りて泣く場面で、普通のロマサスだったらキスからベッドへ移るってのが相場ですが、「銀行に大金があろうが借金だらけだろうが、そんなことは一時(いっとき)の事だよ。大事なのは神さまとの関係だよ」などと会話して、キスすらしません。清らかなんです!

ヒーロー:憎しみに心を曇らさせてはいけないよ。
ヒロイン:犯人を憎むことはいけないことなの?
ヒーロー:そういう気持ちを神さまは分かってくれると思う。だまされたり裏切られたり、どうしていいかわからないほど苦しんだ心の痛みをね。
ヒロイン:そうじゃないの。わたしは、父や他の被害者が苦しんだのと同じぐらい、あの男を苦しめてやりたいのよ。
ヒーロー:僕だって兄さんが死んだとき、同じように感じたさ。でも、我々はみな罪びとなんだ。主はどんな罪であろうと我々すべての罪を背負って死んでくださったんだよ。
ヒロイン:罪を憎んでも人を憎んではいけない、ってこと?
ヒーロー:うん、、どう、それって難しいかい?
ヒロイン:ええ。
カイルは腕をまわし、ぐっとリンゼイを引き寄せ、、、

こういう感じなんですわん。

ヒロインは詩篇の一節を思い出します。何が起ころうと神はすべてを見ていらっしゃる。天は神の栄光を物語り、大空は御手の業を示す、、

クリスチャン色さえ薄ければ、リサの変わらない冷めたスタイルが健在で、心理劇として面白いんですが、なんというか、ねぇ、、^^;
リサ・ハリスは現在モザンビークで夫と教会を建設しているそうです。

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4月27日

Laura Leone 「Fallen from Grace」 (2003)

評判がすごく良かったので期待して読んだんですが、not my book で、途中からあまりのツマラナサに飛ばし読み(ごめん)。
彼女のレズニック名義の作品 Laura Resnick 「DISAPPEARING NIGHTLY」を前に読んだときと似たような印象なんですよねぇ。。

なんちゅうか、アイデア先行で人物が平面的。キャラクターの存在感というか、人となりやその人の芯というものが感じられない。
一番つまらない人間が ヒロイン なので困ってしまう。
このヒロイン、これまでに歴史ミステリーを6作出したとなってるけど、ほんまに作家なんだろうか? ”作家は作家らしく見えなくてはいけない”と言うつもりはないけれど、感受性が鋭いとかモノの見方や感じ方が面白くてひねりが効いているとか、口下手でも心の中では深く考えているとか、何かあるべきじゃない?読者を説得するには。

彼女はユダヤ人で、作品はユダヤ人社会を舞台にしたミステリーだというけれど、ユダヤ人を感じさせるとこなんかあんまり無いじゃん、、それに、一体買い物や食事をどうしてるんだろう?生活が感じられないよ、、だいたいね、35才の女が隣人と共有のバルコニーに深夜わざわざ出てわんわん泣くかぁ?

つまらないセリフしか言わないし、めそめそ泣いてばかりだし、隣に住む小栗旬みたいなイケメン君(ヒーロー 9つ年下)がすごく親切なので、それとなく誘いをかけては姉妹できゃーきゃー言ってるし。

これがロマンチックコメディならそれでもOKだけど、そうじゃないから、ごっつ違和感あり。
この話、気に入っている人がいたら本当、ごめんなさい。わたし、このヒロインに全く感情移入できなくて・・・。

一方のヒーローは、父親の虐待で家出、ストリートチルドレン、レイプされて大怪我、、助けてくれた女性がエスコートサービスの元締め、というわけで、今や年季の入った高級男娼という身の上。
顧客の欲しいものを提供しているだけだと割りきり、一時間単位で高い料金を稼ぐ男なのだが、自分は体を売るしか価値のない男だと虚無的シニカルかつ実はめそめそ系でもある。

体と心は別、sex奉仕は単なる仕事、大金もらえるんだからいいじゃん、現代サンフランシスコの男娼というアイデアは、例えば援助交際で稼ぐ女の子をロマンスでどのように扱って話を膨らませるのか、みたいな興味があり、展開を期待したのだが、残念ながら肩透かしだった。ヒーローは隣に引っ越してきたヒロインに最初っから一目ぼれで、なんて素晴らしい女性なんだ、ぼくみたいな男は彼女に相応しくないんだ、、とかなんとか。

ヒロインはお説教くさい事を言いつつ、ヒーローに優しくされると「オーマイガッ わたしを奪って」状態になるし、なんだか節操が無い。
結局、無理やりやらされていたのだから男娼やめれば無問題、みたいな話の流れで、、確かに崩壊家庭・家出・ストリートチルドレン・裏街道で生き延びざる得なかったヒーローは理解できる。。でも、とかげのしっぽを切るみたいに、結婚したらお仕事やめてちょーだい、で問題解決?
うーん、、これではわざわざ設定を男娼にした意味が無いんとちゃうやろか?
ヒロインの葛藤をもっと掘り下げてほしかったが、最初に書いたように、ヒロインが一番平板な人物に描かれていて、、、

9歳年下の影あるイケメン君が、なぜかわたしにぞっこん。「山ほど女の相手をしてきたけれど、あなただけなんだ、こういう気持ちを感じたのは」とワンコの瞳で見つめる。
わは、年上女のスーパー夢物語だと思って読むのが正しい読み方かもしれませんねぇ。

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4月28日

毎日まいにち片付けばかり。手はガサガサになるし、腰は痛むし・・・

昼は職場の大整理(工事のため狭い部屋に引越し予定)、夜は自宅の大掃除。
連休に息子夫婦がやってきて泊まるというんですっ、しかも、連休しょっぱなに来るというんです。
うがーーっ、私が東京に行くほうがいいよ〜。

話かわって、プレミアリーグ、どーなるでしょうね。
マンCとトットナムがここまでもつれるとは。。
監督の顔的には、ハリー・レドナップよりロベルト・マンチーニのほうが断然良いけど(笑)。
5月5日はガンバと川崎フロンターレの対決もあるからサッカー三昧! 問題はナイターだってこと。6日まで休みたいけれど、職場の大整理がおしているから無理だにゃ〜(>_<

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5月 3日

掃除した甲斐があったのか、なかったのか、なんだか右手と右足を同時に出すようなぎこちなさでしたが、息子夫婦の上洛が無事終了〜。
お客馴れしていない侯爵くんは、ほとんどの間カーテンの裏に隠れてしまい、普段ごろごろして偉そうなのにやたら小心者でした(飼い主にそっくり 笑)。

連休後半、読んだ本は、
Shron Ihle 「Dear Penelope」(2005)
1896年ワイオミングの小さな町を舞台にしたアメリカンヒストリカル・コメディ。

婚約者のもとにミズーリからはるばるやってきたヒロイン、ルーシーは、婚約者が心変わりして別の娘と暮らしている事を発見する。帰りの汽車賃も無いが、元婚約者にお金を無心するのはプライドが許さない、、と、駅で知り合ったサロン経営者セブ(セバスチャン)が彼女を店のウエイトレスとして雇ってくれ、住む場所も世話してくれた。

このヒロイン、何をやってもドジばかり、歩けば何かにぶつかってころぶ、料理をやればこがす、裁縫をすれば袖口を縫い付けてしまう、ビールを運べば必ずお盆をひっくりかえす、、

これだけだったら可愛いドジ娘ちゃんとそれにメロメロのヒーロー(サロン経営者)の話だが、ヒロインが零細新聞社の仕事を手伝い始めて、匿名で人生相談のコラムを書き始めてから話が面白くなる。
何をやってもドジだけれど、彼女には隠れた文才があった。ペネローペという名前で、横暴な男たちをばっさばっさとユーモアコラムで切ってゆく。

ちょうど Mary Lease が「Raise less corn and more Hell!」(収穫じゃなくて怒号を上げよう!)と遊説して、女性の参政権や権利拡大を訴えていた時代背景で、ヒロインの暮らす市でも女性の権利について喧々諤々な状況だ。
新聞社の仕事と金銭的自由を手に入れたヒロインは、故郷に戻りたくない。自立した自分が誇らしい。 父親が彼女を連れ戻しに来るとわかり、どうか便宜結婚してくれないかとヒーローに頼みこむ。
ベルベットのような瞳にクラッ。。注意一秒怪我一生、困った女性を見ると助けてしまうヒーロー様が、このあとヒロインの兄や父親や、その他あれやこれや、それはそれは大変なご苦労をなさいます(笑)。

ペネローペコラムはユーモアも冴えていて気がきいてる、が、コラムがよく出来過ぎてて、このドジヒロインの言動とどうにも一致しなくて困る。
そのうえ、ちょっとヒロインが身勝手に思えて腹立たしい。。(おばさんのひがみ 笑)。まあドタバタ系コメディだから誰一人傷つかないのがよいけれどネ。

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5月 4日

Therese Weir 「 Last Summer」(1992)
4月13日にも書きましたが、途中で飛ばし読みしてしまって、、また読み直しました。

最近では見かけないほど超切なく苦しい大人のロマンスなんですよねぇ。。
物語の期間もあまり見かけない長さで、出会いからラストまで2年間以上。
別離を何回も繰り返すけれど、いかにもメロドラマという感じじゃない、ユーモアも十分ある、オカシミと切なさが共存していて、二人の間と同じように読者もどんどん離れられなくなってゆくというか。

前に書いたように、ジョニーは本当に痛々しい男で、「お前なんか生まれてこなけりゃよかった」と母親や母親の客から殴られたりして育ってきたため、人間関係をうまく結べない。孤独なのに人を突き放す。社会に怒りとおびえを抱いている。自分を無価値な人間だと思っている。

彼はハリウッドの人気コメディアン。
目の前のドアを開けずにぶつかるとか、何をやるにも人を笑わせずにはいられない。
・・・考えてみると子供の頃から人を笑わせることが好きだった。。たぶん、人を笑わせて注目を浴びると、その時だけ愛されてるように感じるからだろう・・・

ヒロイン、マギーはジョニーの故郷で演劇のクラスを持っている高校教師だが、地元出身者ではない。夫と共にこの町に移り住んできてが、夫を病気で亡くしている。

町のお祝いに賓客として招待されたジョニーを迎えにいったマギーは、妙な反発と心のざわめきを覚える。

テレサ・ウェアーのヒロイン&ヒーローは等身大なんですよね。

楽しいロマンス、ほんわかするハッピーエンドものを期待する人には向かないし、バッドボーイものの切なさを求めている読者にとっても注意が必要。

だって、H/Hどちらも大なり小なりオバカさんなんです。
後悔するような事をやってしまうんです。
自信がなくて情けない自分に似てるんです。

でも、ここ強調したいんですが、並のロマンス本によくあるような、最後のほうで唐突にオバカな行動にでたり、なんでそこでそうするわけ? とかのオバカさんじゃないです。

欠点のある、けっして完璧じゃないヒロイン&ヒーローが、傷ついたりおびえたり、相手を傷つけたり、たくさん間違いを犯しながらも愛を認めて育ててゆく、読んでいて胸が痛くなるけれど、ハッピーエンドが本当に嬉しいロマンス小説。

普通のバッドボーイものだと、ヒロインはもっと確固としたリード役なんですが(たとえ生真面目の殻をつけていても)、このヒロインはそうじゃないんですよねぇ。
自分を守ろうとして愚かな事をして、バッドボーイヒーローの心を本当に傷つけるんですよねぇ。

でも責められません。ふらっとやってきて、ふらっと去ってしまう有名人を本気で信じる事なんて、、

彼にはわたしが必要なんだわ、、
普通のラストとはちょっと違う不確かさがまた良いんですよねぇ(*^-^*)。

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5月 6日

昨日は万博でガンバ大阪ー川崎フロンターレを観戦。

試合前のプチ飲み会では、元ガンバのサッキーことサキ(崎の旁部分)本くんの経営するスリー・ブラザーズのバームクーヘンを酒の肴に生ビール。
3 Brothers の包装デザインが、なんとなくガンバのアウェイのユニフォームに似てます。
サキ本くんは現役の時のクラクラッとするような眩しさこそ無くなりましたが、相変わらずの正統派ハンサムぶりで、目をじっと見て応対されるとなんだか照れてしまいます。あっは、ハンサム馴れしてない私(爆)。

で、試合の方はというと・・・
あぎーっ! >_<
3−1がなんで最後は4−4になるわけ?!

ほんと、守備がぼろぼろすぎるよぉ。。
フタのゴールに大喜びしたのもつかの間、点を取ってもすぐに追いつかれる展開に、引き分けというより負けたような疲労感。
試合後のプチ飲み会2(笑)で愚痴をこぼしたあと、最終バスで帰路に。
次のホーム戦はワールドカップの後かぁ。。

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5月 9日

ローザンヌ国際バレエコンクールを見て思ったんですが、バレエをあまり知らないわたしのような素人でも、あ、なんて素敵なの、と目を奪われるダンサーがいて、そう感じたダンサーがちゃんと一位を受賞するんですよねぇ。
肉体から言葉が流れでてるような、踊る事を謳歌しているような、なんなんでしょうねぇ、際立った表現者なんですよね。

アルゼンチンのクリスティアン君はほんとうに素敵でした。

もう一回見ようとyoutubeに行ったんですが、ついでに昔のローザンヌコンクールの動画も見てしまいました。
うっひゃっひゃっ、あの辛口コンビの吹き替え! 懐かし〜い。
久しぶりに聞いてみると、マジで失礼な事言ってます(笑)。
非の打ち所が無いと16歳の熊川さんのドンキホーテを誉めちぎっているそばから、足があとちょっと長ければ、とか。
今だったら差別発言? でも、しらっと失礼な事を連発するあの中年男女コンビのおしゃべりを聞くのが楽しみでローザンヌコンクールを見ていた人も多かったんですよねぇ。

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5月11日

ロイス・マクマスター・ビジョルド 「スピリット・リング」(1992)

ほんま、うまいなぁ・・・。想像力の豊かさ、話作りの上手さに舌を巻く。
15世紀末のイタリアを舞台にした、史実と虚実を織り交ぜたファンタジー。
本物の魔法使いが存在するけれど、何でもアリなわけじゃなく、なんだろう、宮崎駿アニメ「天空の城ラピュタ」で言う、普通の鉱山掘りの親方たちと、飛行石が両立するみたいな感じ。

ミラノやベネチアなどの強国、ローマ教皇や神聖ローマ帝国の勢力争い、その中でなんとかバランスをとって生き延びている小国、モンテフォーリア公国。
公国一の魔法使い、かつ金属細工師である父親のもと、父親の仕事を手伝いながら、こっそり魔法の本を読んで実験したりしている少女フィアメッタ(16歳)が主人公。

ビジョルドの作る世界は細部まで気配りが利いているから、その日常が信じられる。だからこそ突然の出来事やめくるめく冒険活劇が生きてくるってわけだ。
アクションアドベンチャーとしても極上の面白さの上、正義って?力って?政治って?色々な事を考えさせられるし、女性作家ならではのジェンダー視点もある。

と、ここまで誉めておいて、この作品には最大の問題点があって、これさえ合格だったら星5つなんだけれど、星4つ。

それは、主人公を助けるヒーローというか、別にロマンス作品じゃないのでヒーローと呼ぶと変かな、ま、鉱山と鍛冶場で働いている17歳の若者トゥールが登場するのだが、このトゥールがあまりにいい人すぎて、どうしたもんか、ケチのつけようがないほどいい人で、、

鉱山の落盤事故が起きたら、逃げ遅れた人を救いに何度も危険な場所に戻るような立派な若者で、、常におだやかで家族を大事にして、愚痴もこぼさず不平も言わず、、
大変な目に会うのに、出来すぎ君すぎて、はらはらして緊張が盛り上がるべき気持ちが薄まってしまう。

彼の穏やかさを補うように、フィアメッタは生命力にあふれ、大人社会に疑問をぶつける少女に描かれているので、バランスが取れているって言えば言えるのだが、でもねぇ、トゥールったら17歳で老成しすぎだよ〜(笑)。

恋と冒険の歴史ファンタジーと、文庫本の背には書いてあるが、「恋」の部分は大疑問(笑)。

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5月18日

間が空いてしまいました。
先週末は高知に旅行に行き、美味しいものを食べてしゃべくりまくる、という贅沢な休日を過ごしました。(^o^)/

帰宅後、さっそく日曜市で買った小夏でマーマレード作り
昨年も何度も作ったけれど、今ひとつ満足の出来栄えに至らずで、試行錯誤中です。

小夏のワタは他のかんきつ類に比べて苦味が無いので、普通に皮をむいて、ワタをこそげとらず茹でます。 皮も薄いのですぐに柔らかくなり、何度も茹でる必要はないのですが、かんきつ類独特のツンとくるアクがあります。

アクが残りすぎると舌にツンツンくる、でも、アクを取りすぎたら自然の土の香りが無くなってしまう。。この按配がねぇ・・

人によっては剥いた皮と実(ふくろとか取り除かない、ホンマまるっぽ)全部入れて煮てしまう、というのから、実を果汁とふくろワタに分けて、ふくろワタは別に煮て、その煮液を果汁に加える、というものまであります。

このワタの部分に含まれているペクチンがとろみを付けるために重要なんですが、実際やってみるとわかりますが、ワタが溶けるほど煮て、それを裏ごしして使う、って事までやらないとただの煮汁だけでは全然ペクチンが足らないんですよねぇ。皮の砂糖煮になっちゃうんですよねぇ。

で、わたしのポイントは「手間があまりかからないのにナイスなものが出来る」で、とろ〜り感のあるマーマレードを作りたいけど、手間がものすごーくかかるのは、やっぱねぇ。。

市販のものは業務用ペクチンを加えていますもんね。
でもペクチンなんてスーパーで売ってないし、そこで、わたしはサラダ用寒天を少し煮溶かして加えたり、、ははは、お手軽を目指して、結構しつこく追求しております(笑)。

そうそう、保存瓶もね、熱湯消毒なんてやりません(爆)。
普通に洗ったジャムの空き瓶に、出来た熱々マーマレードを詰めて、電子レンジへ。
500Wで様子みながら1分、2分、沸騰してきたらパッと扉をあけてフタをする。
これでほとんど雑菌が死んでる状態、しかも冷えると中が陰圧になるから、フタがものすごく固く締まります。冷蔵庫に入れておけば一年後でも普通に食べられます(我が家だけ丈夫? 爆)

そうそう、家の戸棚にあったマーマレードのラベルを見たら、内容物にぶどうジュースが入っていたので、次回は、これにトライしてみようと思ってますが、どうなりますことやら。。

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5月23日

職場の掃除と荷造りばかりやっていた一週間で、更新滞ってます・・・

疲れたわたしを励ましたニュースは、、
ゴーレン刑事が戻ってくる! 「Law & Order:Criminal Intent」 のシーズン3がFOX CRIMEで6月から放送される。いやぁ、嬉しいなぁ。

疲れたわたしを励ましてくれているのは、毎週楽しみに見ている「怪物くん」(爆)。脚本に波があり、すごくノリのいいコメディになる時と、教育訓話になってしまう時があるが、イマイチの回でさえ個人的なツボでくすくす笑ってしまったり、脚本の悪かった点について考えてしまったり、わはは、結構真剣ざます。

ちょいと脚本イマイチだった6話も、モンスターペアレントと、俺がヒロシを傷つけたからもう友達じゃなくなったんじゃねぇか、この2つで、「許す!」、、わはは、超甘い。。

久しぶりにハーレクイン。手ごろな短さでほわっと癒されたイマージュ2冊。
サンドラ・ポール「パピー、マイ・ラブ」
勧められて読んでみて大正解。とても楽しい。カテゴリーロマンスを読むささやかな幸せを再確認。
話の中心にいるマスティフ犬が過度に擬人化されてないところがハナマルで、H/Hとの距離感が良かったです。

ジョージー・メトカーフ「十五年目の告白」
落ち着いたメディカルロマンス。ヒロインが気持ちいい女性で、故郷の町のバッドボーイものの味わいもあり胸きゅん。 メトカーフを初めて読んだけれど、他の作品も集めてみようかな。

他に、ビジョルドの「影の棲む城」とパメラ・クレア「タータンの戦士にくちづけを」を読んだが、感想は後日。

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5月24日

マーク・ブキャナン『複雑な世界、単純な法則』を読み始めた。わぁ、すごく面白い。
優れたサイエンスライターは豊かな教養をバックに、易しい言葉で興味深い現象や理論を面白く紹介できるんですね。

つぎつぎに出てくる実例を読みながら知的好奇心が刺激され、わくわくしてくる。
体のなかの脳や神経も、発電所やアマゾン川も、インターネットも、ハリウッド俳優社会も、複雑な世界の形 - 単位同士の関係性 - に共通な法則を持っている。
強い結びつきのクラスターと弱い絆のリンク、または多くのノードがつながるハブさえあれば、世界はぐっと狭くなる。

一章ごとにちょっと違う対象物を語り、一章ごとにスモールワールドを作っているという粋な構成。

わたしはミルグラムの手紙も、ワッツとストロガッツの論文も全然知らなかったので、スモールワールド初心者として、本当に目からうろこだった。
ワッツとストロガッツの論文の要旨など、説明されると「なんでこんな事に気付かなかったのか」と思うほどシンプルで美しい。

事実は小説より奇なり、ですよねぇ。
学術論文そのものは一般人には読みにくい代物だけれど、科学が明かした謎解きを読みやすい形にしてくれた本を読むと、なまじの小説よりもずっとスリリングで、自然が秘めていた真相にびっくりしてしまいます。

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5月26日

昔処分してしまったハーレクイン等を買いなおしている昨今。

手元に残していたロマンス本のスキャンがほぼ完了し、最後まで切断をためらっていた「ダンカンの花嫁」や「カムフラージュ」などもばっさりと。

こうなると、過去に売り払ってしまった本たちが気になってくる(爆)。

スキャン業界も(ってそんな業界は無いかもしれんが) iPad登場で俄然活発になっている模様。
最近発見したのだが、1冊100円で裁断アンドpdf化を請け負っている会社があるんですよ。や、安っっ。
ただし、100円の安価相応というか、切断した紙本は返却してくれない。
読み取りエラーページが5%以上あったら料金は返すというが、オリジナルの紙本を返してくれないので、エラーの箇所を直すことが出来ない。(例えば折れ込んだままスキャンされたページはそのままpdfになってしまう)。

でも、オフで100円とかで買った本ならpdf用と割り切れるかも?
こういう会社が流行りだすと、著作権的にはどうなんでしょう。。pdf本の貸し借りを絶対しないとは言い切れないし、、微妙なグレイゾーンになりますね。

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5月31日

すみません、、更新滞ってます。。くたびれてます(爆)。
わたしの仕事は雑用って感じなんで、何もなくて超ひま!って時もあるんですけど、やたら雑用の嵐って時もあり、最近はほんと忙しいんですよねぇ。。

疲れて本を読む気力が失せると、精神的代償なのか、やたら本を買いたくなってしまい、Ilona Andrews や Bonnie Dee 他、あれこれ夜中に衝動的にポチってしまいました。

fictionwise は バーンズ&ノーブルに買収されて以来、ほんと、利用しにくくなりましたワ。
eReader フォーマットへの強制に腹が立ちます。

iPad 上陸で世間では「電子書籍」が毎日のように取り上げられていますが、電子書籍を実際に読んできた人の目線じゃないですよねぇ。。

以前からここで書いてるように、電子ブックはファイルのフォーマットが統一されていないので、売り手の思惑に左右されます。
これまで極力モビポケット形式ファイルを購入してきた私ですが、モビはご存知のとおりアマゾンに買収されてしまい、かたや Fictionwise は Barns&Noble に買収、、というわけで、fictionwise のロマンス新刊に Mobi形式 はもう無いと言ってよいです。
安さに負けて eReader(ePub) 形式ファイルを買いますが、これまでの書庫とは違うフォルダーにまとめられるし、eReader は非常に読みにくい。使いづらい。
字面が汚いのが特に嫌。(これってわたしだけなのかしらん)

一番頭にくるのは、モビ用の英英辞書や英和辞書が eReaderでは使えない事です。
異なるフォーマット間では DRM(コピーガードのようなもの)が邪魔をして、ファイルが開かないし、異なるフォーマットに変換する事もできません。

辞書をフォーマットごとに買わなくちゃならないとしたら、そういう仕組みそのものがばかげてますよね。

電子ブックは印刷できないし、ファイル形式によってA機で読めてもB機では読めない事があるし、読み終わって古本屋に売ることもできない。
DRMの方法も各社統一されていない、大手は、クレジットカードか、パソコンやキンドルなどプラットフォームの情報を元にDRMをつけるので、クレジットカードを更新したり、プラットフォームを買い替えたりするたびに、新しいDRM紐付けを頼む必要が生じる。
極端な話、購入したサイトがつぶれると、パソコンを買い換えたとたんにこれまでハードディスクに保存しておいた電子ブックが読めなくなっちゃうわけです。

電子ブックは買うというより、販売会社が続く限り借りてるって感覚に近いんで、音楽ファイルのダウンロードとはちょっと違うんですよねぇ。

こういう不都合も、紙より安いからちょっと我慢だったわけですが、これが最近では紙の本と同じ値段だったり、紙より高かったり、、販売陣営の悪しき競争で、値段があがっている現状です。 明らかに売り手の都合が優先という感じでうんざりです。

そしてここにきてiPad登場で、まるで電子書籍元年のような報道ですが、、

電子ブックはフォーマットごとに管理ソフトが違うため、
あの本はiBook の中だけど、この本は My Library 、こっちはMy eBooks って感じでばらばらになるし、ファイルを開くソフトも異なります。
だから、普通の人なら、キンドルで買うなら、ずっとキンドルがいい、とか思うでしょ。でも、出版社が eReader 形式だけ激安で売るという戦法をとると(まさにfictionwise が今やってる)、eReader 形式のを買ってしまう、、、

そういうわけで私のパソコンも電子ブックが入ってるフォルダーが幾つもあり、クレスリー・コールの最初の2冊はMSリーダー形式で買ったのでMSリーダーで読み、3冊目から6冊目まではモビ形式で買ったのでモビポケットで読み、7冊目はePub なので、、なんて事態で、、

悪事に走るわけではなく、自分用にDRMを解除して、すべての電子ブックを同じ形式にまとめてハードディスクに保存しておきたい、と思うのは普通じゃないかしら。
私はDRM解除ソフトが見つからない形式は絶対に買いたくないのですが、iBookはどうなるでしょうね。

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