マーガレット・セントジョージ(マギー・オズボーン)  2003年12月初出
HQ歴1年というひよっこで、まだ読んだこともない作家が沢山いるけれど、
この作家に出会えて幸せだなぁ〜と思ったのが マーガレット・セントジョージ !!!
彼女はわたしの大のお気に入り。 とにかく上手い!

お話は、もろ、HQかもしれない。立場、身分、考えの違うふたりが出会い、愛がめばえる。
途中幾多の困難があるが、愛は成就する。。

でも、違うのよ。これが、なんていっていいのか、違うんだなぁ。

彼女のヒロインは勇敢で、ヒーローは高潔。そして、正直で信用できる。どちらも頭が悪くない。
べつに勉強ができるとか、そんなんじゃないけど、優れた知性を感じるし、つまらないバトルや
曲解で時間を無駄にしない。

でも、それだけじゃない。違うんだなぁ。

マーガレット・セントジョージは、彼らの心のひだをすくいとる上手さと、確かな人間理解があって、
感情を深いところからゆさぶる力がある。とりあげるテーマはどれも真剣だけど、決しておおげさに
深刻ぶらず、バランスを見極める上等のユーモア感覚がある。しかも脇役のうまいことと言ったらない。
どんな登場人物も、忘れ難い、ぴりっとした味わいを残してゆく。

翻訳されてるのって、初期の頃のものだけで、全部が全部いいわけじゃない。
それが残念だわ〜。

現在、彼女は、マギー・オズボーンというペンネームで多くの作品を発表しているけれど、
日本にマギーで紹介されたのは、むかしむかし、1984年のもの一冊だけ。
アメリカンヒストリカルを描きだしたマギー・オズボーンは、水を得た魚のように
数々の受賞に輝いている。。でも、日本では米ヒストリカルものは
たぶん翻訳されないだろうなぁ・・(しょぼ〜ん)

マギー名義の本のレヴューを読むと、HQでわたしが感じたのと同じで、
「心に深く残る人物造形、わくわくするプロット、よく書き込まれた脇役、
ほころびのない物語の背景設定」
うんうん。。どこの国の人でも、感じることって一緒なんだなぁ〜

マギー・オズボーン名義のリストはこちら。

まだたいした数を読んでないけれど、著作リスト一覧と、下に感想を。
リストの色つきのものが所有しているもの。
これからぼちぼちと未訳の原書をゲットして読むつもり(あぁ〜〜きりがない ^o^;;)

をっと!大事なことを忘れてた。
たぶん読者年齢がちょいと関係するんだわさ。
マーガレット・セントジョージの味が分かるのって、30代以降じゃないかって
思うんだけど、どやろ?
荒波越えた40代後半なら、もう、太鼓判を押しますよ〜(自爆!)
シリーズコード 題名 出版 日本題 備考
HAR-142 Winter Magic Mar-86 A-122 スノウ・クイーン  
HAR-159 Castles and Fairy Tales Jul-86 A-128 一粒の真実  
HAR-203 The Heart Club Jun-87    
HAR-231 Where There's Smoke Jan-88 A-154 煙が目にしみる   
HAR-272 Heart's Desire Nov-88    
HAR-323 Dear Santa Dec-89 A-194 サンタがいるなら  
HAR-345 American Pie Jun-90 A-187 セピア色の思い出  
HI-133 Jigsaw Mar-90 U-33 標的は黒のクイーン  
HAR-421 Happy New Year, Darling Jan-92 A-219 新年はキスから 1992-93 RT Reviewers' Choice
HI-198 Murder by the Book Oct-92    
HAR-462 The Pirate and His Lady Nov-92    
HI-230 Cache Poor Jun-93    
HAR-501 A Wish...and a Kiss Sep-93   less than perfect のおすすめ
HAR-518 The Accidental Princess Jan-94    
HAR-545 The Drop-In Bride Aug-94    
HAR-582 Love Bites May-95   1994-95 RT Reviewers' Choice
HI-358 The Renegade Feb-96    
WBDW-6 To Love a Thief Sep-96   Weddings by DeWilde
WBDW-9 Family Secrets Dec-96   Weddings by DeWilde
AN-60 Dear Darcy <g> Sep-97 アンソロジー Fortune Cookie
HAR-710 Joe's Girl Jan-98    
HDJ-9 For the Love of Beau May-98   DELTA JUSTICE
AN-314 The Arrangement Jan-99 アンソロジー Wish upon a Star
読んだもののミニレビュー
カテゴリー 題名 過去 出版 ジャンル ヒロイン、ヒーローの名前 感想 一言
講談社L文庫 きまぐれ飛行   1984 正反対のふたり ひとめぼれ 貨物空輸会社経営サマンサ・アダムス(サム 27)、 ライバル会社経営ルーク・バニスター ふたりの会話の洒落てること。ハートウォーミングで、可笑しくてちょっぴり切なくて、優しい。。ヒロインもヒーローもマスもバッタも、お気に入りキャラだ(笑) うふ
A-122 スノウ・クイーン ヒーローは生後すぐ養子にだされた Dec-88 PTSDヒロイン、怪我ヒーロー ホテル支配人テディー、スキー用品とウエアの専門店経営グラント・スターリング ハートウォーミング。誤解を早々ととけるが、その時の会話もホント上手い。思いやりに満ちたヒーロー、家族、友人。そしてヒロインも持ち前の勇気。 うき
A-128 一粒の真実   Mar-89 再会(15年) 挿絵画家ジェニー、ガレージパソコンから大成功、IBMに権利を売って今は富豪投資家デイビッド ヒロインが見栄を張ってついたうそを石頭ヒーローが許さない。ばかやろー!>ヒーロー。 ヒロインが持ち前の前向きパワーで自分自身をみつめなおし、誠実に生きていくのがいい感じ。37の女性がつぶやくあれこれがツボをついていて爆笑もの。 うき
A-154 煙が目にしみる Jan-88 禁煙教室で再会、どちらも婚約者あり状態 不動産売買サミー・ウッズ、保険外交ジム・レイノルズ 禁煙の警句にみちたユーモア、泣き笑い。オチは定番でここがイマイチではあるが、禁煙教室の面白さは群を抜いている。 うふ
A-194 サンタがいるなら   Dec-89 より戻し(結婚8年) サンタ村勤務ペニー、夫、投資銀行証券部ジョン・マーティン 笑って泣いて、のロマンティックヒューマンドラマ。ヒーローとヒロインの歩み寄りは胸にぐっとくる。周りの人もあたたかい。クリスマスの朝のシーンは泣けるっ うるる
A-187 セピア色の思い出 それぞれ、アメリカに渡ってきたばかり Sep-91 アメリカンヒストリカルもの 1899年 ポーランド移民ルーシー・コルスカ、 アイルランド移民ジェイミー・ケリー やっぱ、上手いな〜。ドラマのツボを心得ている。優しくて切なくて、胸にしみるポイントがあって、定番のお話でもセントジョージ味になる。 うる
U-33 標的は黒のクィーン ヒロイン2年前に離婚。ヒーロー、離婚 Feb-91 ミステリー、 連続殺人事件 小学校教師ローラ・ペイン、(28)、 刑事マックス・エリオット 元夫の影、殺人予告、と、まぁいろいろあるけれど、そつない出来か。  
A-219 新年はキスから Jan-93 超ロマンティック運命の糸(12年) RT 女子大生のちに国会議員ベイリー、ウォール街出世後牧場へ、コール お気に入り本に決定! ヒーローの手紙には泣いてしまった。これほどの男ってなかなかいないよぉ。こんなヒーローに愛され続けるなんて、ヒロインの幸せ者!!とにかくヒーローが良すぎっっ うきき、うるる
HAR-501 A Wish…and a Kiss   Sep-93 ファンタジー、足の不自由なヒロイン 考古学者チェルシー、ランプの魔人アレックス 良質の童話を読むようだ。人間の善に対する信頼をとりもどすヒーローと、体の不自由さに勇敢に向かい合って自分を見つめなおすヒロイン、そして、優しくて甘い愛。 うふふ
HAR-582 Love Bites ヒロイン子供の頃父が死亡。母が過剰にヒロインの健康を心配した May-95 パラノーマル 傷ヒーロー RT 個人アシスタント、ケイ、 深夜ラジオDJ トラヴァー (バンパイア) これほど辛いラストのロマンスを読むのは初めてだ(ToT)。 興味つきないプロット、魅力ある脇役たち、心の底からわきあがるセクシャルな感情。本当に上手い。。心臓鷲づかみ。。はぁぁ。。 うるるる
WARNER The Wives of Bowie Stone ヒロインは義父に虐待を受けていた。3年前に義父は溺死 Dec-94 便宜結婚 アル中ヒロイン 農婦ローズ 元北軍大尉ボウイ・ストーン 死刑囚ヒーローを夫として貰い受けたヒロインは、ヒーローを馬代わりにして、荒れた農地を耕す。夜は酔いつぶれて眠る毎日。 あいや〜、ヒーローさまの男っぷりときたら! 傷だらけヒロインを真正面から受け止めてくれる。 揺ぎないユーモア精神、見事な脇役たち、むちゃくちゃ過酷だけれどへこたれない強さ。 そして、胸にずうんと染み込むラストの感動。名工の仕上げ うふふ
WARNER The Promise of Jenny Jones ヒロインは10才で親に捨てられた Apr-97 ヒストリカル 人を愛することを知る 雑役・運搬ジェニー・ジョーンズ(24) タイ・サンダース、 グラディエラ(6) 平易な会話だけで、なんでこうも胸に響くものを作れるんでしょうねぇ〜。うまいなぁ。 ジェニーとグラディエラの間に芽生える愛情、タイのストレートな男らしさ、飽きさせないストーリーに、時間がたつのも忘れてひたれる幸せ! 実父ロバートだけは、ちょっと哀しいねぇ・・・ うふふ
WARNER A Stranger's Wife   Mar-99 ヒストリカル 1800年 契約結婚系(妻の身代わり) ピグマリオン 殺人罪で刑務所に5年のリリー・デイル(28)、 弁護士、牧場主、政治家クィン・ウェスティン 失踪したと思われているヒーローの妻の身代わりを演じるヒロイン。最後まで互いを信じきれない部分があって、ちょっとイライラするんだが、ヒーローの心優しさが帳消しにしてくれる。  
Ivy Silver Lining  ヒロインは4才で孤児、13才で養家から逃げた ヒーローは銀行家の娘と婚約後、一時的に金鉱掘りへ Feb-00 ヒストリカル 無理強い結婚 妊娠している婚約者 コロラド金鉱掘りLow Down(Louise 28)、 牧場主Max McCord(31) うーん、、フィラデルフィアをここまでねじれた娘にする必要があったのかなぁ。罪悪感を背負い続けるヒーロー、そもそもくじ引きに参加する事が間違ってる、、、ヒロインは気持ちいい偉丈夫ウーマンなんだけど、お話がちょっと好きになれない。
IVY  I Do, I Do, I Do   Oct-00 ヒストリカル1900年 重婚男捜しと、自分探し 裕福な遺産相続人ジュリエット・マーチ、銀行家ベンジャミン・ジェイムズ・デア(ベン)、 宿屋経営クララ・クラウス、酒場経営バーナード・バレット(ベア)、 ゾーイ・ワイルダー、出荷業トーマス・ジョン・プライス(トム) 育ちも性格も年齢もちがう女3人の珍道中。冬のアラスカにトンズラした男を捜しにやってきて、それぞれが心温かいヒーローたちに出会う。。だが、彼女らは全員人妻だっ(笑)。涙あり笑いあり、ペーソスたっぷりの逸品。 トンズラ男ジャン・ジャックはいずこ?(笑) うはは!
Ballantine The Bride of Willow Creek  Oct-01 ヒストリカル 再会(10年) アンジー・バルトーリ(26)、 金鉱探し、大工サム・ホランド(28) 若すぎた二人は譲れないプライドと恐れから、結婚式の日に別れてしまう。それから10年。コロラドで内縁の妻の残した娘2人と暮らすヒーローの元に、離婚するために訪れるヒロイン。 嫌なシチュエーションなのに、ラストの持っていき方が上手い。ヒロインの人柄が良いので救われる。
Ivy Prairie Moon ヒロインの夫は10年前に戦死 Oct-02 ヒストリカル 南北戦争後 再出発 寡婦Della Ward、 司法官(Lawman)James Cameron  最後の手紙をずっと後悔しているヒロインと、亡き夫の手紙を携えてやってきたヒーロー。お尋ね者ハンターのヒーローは命知らずで知られている。ふたりが未来を願う気持ちになるまでの物語。サブキャラがいつもながら上手いよねぇ〜。  
Ballantine Foxfire Bride  ヒロインは9歳のとき母死亡、13歳のとき家出。 Dec-04 ヒストリカル サバイバル系 道案内フォックス(28)、 鉱山会社技師マシュー・テイラー(35?) 父親の身代金を届けるためコロラドの山を旅する。初めて恋を知った男まさりのヒロイン。ヒロインの恨みの相手がアレなんだが、後悔しても後悔したりない事をしでかしたわけで、赦すのが微妙〜・・・


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