更新記録 2010年12月1日から2011年 1月31日まで
いつも同じ感想ですが、一年が早いですっ。
なんだかんだと心配事が続き、HPの更新もさぼりがちです。
ひとつは下の息子の就職。 いまだ内定ゼロで、年の暮れを迎えてます。
上の息子は「アメリカの大学を受験しろ」、私&夫は「看護学校を受験しろ」、友人は「青年海外協力隊に応募しろ」
うーん、どれも簡単じゃなさそうですが、下の息子はどーするかなあ。
企業をリードできる優秀な人材、そこそこ優秀 or 経歴に売りを持っている人 or 強烈なパーソナリティの持ち主、、これらの若者はどんなに不況でも大丈夫なんですよね。
問題は、大学生なのに分数の割り算もできない、という下層ではなく、普通に地味な中間層です。
わたし(バブル前)やバブル全盛期と比べたら、明らかに彼ら中間層は真面目です。
バイトしてサークルで遊んでという大学生活イメージは、古いわ。それって採用面接官の若かりし頃のイメージじゃないかな。
今の若者は早くから資格やインターンなど「不安な将来」を意識してますもの。
でも、今の日本というかグローバル企業には、中間層はそれほど必要ないんですよね。
一部の優秀な人材と低賃金の海外or非正規労働力でOK。
製造業の海外移転もそうだし、クラウドに情報資産や業務を移行するのもそうだし、多くの産業で機械化と能率化が進み、新しい産業が生まれないと人手が余るばかり。
ま、産業革命の頃から続いている命題ですが、、、
いま先進国では若者の失業率の増加が目だっています。 ほんと、先進国では若者を雇用できなくなってるんですねぇ。
引越し屋だろうが外食産業だろうが、仕事を選んでいるわけじゃないのですが、パチンコ屋に就職というのも正直ためらいます。。たいていの親はそうじゃないのかなぁ。
ワープア予備軍となるのか、、あぁ、なんとか明るい春を迎えられると良いのですが。
昨日は昼間は12月とは思えない暖かさでしたが、夜に雷を伴う強い雨が降って、残っていた紅葉を無情にも落としてしまいました。
我が家のアメショ、侯爵君(2歳半)は長らく血便が続いていて悩んでいます。
血便というか、ウンチの最後にうっすらと血がつくのです。で、それがたまに最後にボトッと血が出る時もあり、心配で2回ほど病院に行き、抗生物質などをもらったのですが、薬を飲むと一時的には止まるけれど、また血便になるの繰り返し。
食欲もあり、元気で体重の減少なども無い。
一日一回の血便以外は異常がないのです。
ネットで検索すると結構いるんですよ。こういった大腸炎のにゃんこが。
とある抗生物質が効いたという人もいるし、食事を変えたら治ったという人もいるし、もうずっとそのままだけど元気だから放っているという猛者もいるし。
今も抗生物質と整腸剤を飲んでいて、療養食を食べているのですが、親の心子知らず。
抗生物質の錠剤が相当まずいようで、毎度怒るわ叩くわ吐くわ、、いい加減諦めればよいものを動物は断固抵抗しますねぇ。
このところワケあって、毎晩数学I・Aの問題を解いているのですが、全然ぴんとこない平面幾何の問題があり、悩んで解答をみたら
「メネラウスの定理より○○は1」とあっさり書いてありました。
うへ、メネラウスって誰?
初めて聞く名前だと思う人は年齢がばれる?
最近は中学とか高校で習うんですね。知らなかったわ〜。
補助線をひく証明方法と、面積比を使う証明方法がありますが、面積比の証明がエレガントすぎて、しばし考え込んでしまいました。とほほ。
平面図形の問題は、日頃からやってないとすぐにコツを忘れて解けなくなりますねぇ。
今週は波乱万丈?な一週間でした。(長いです)
梅田のガーデンシネマまで行ってアルゼンチン映画「ルイーサ」を見ました。
息子の就職難や愛猫の病気などここ数ヶ月悩んできた私に、この映画のストーリーはあまりにリアルで、泣いたり笑ったり、、ま、直撃でした。
自由経済、格差の拡大、失業、将来の不安、老いと孤独、、日本より極端だとは言え他人事ではなく、とりあげられてい問題どれもが胸にささります。
都会で暮らしている一人暮らし(+同居猫)のルイーサ。
退職金も支払われずに首を切られる所から話は動き出す。
ルイーサには、どうしてもすぐに現金が必要な事情がある。心の友だった猫のティノが突然死してしまう。火葬してやりたいがお金が足りない。ティノの遺体をとりあえずフリーザにしまって。。
なんの資格もないし、頼る人もいない彼女は、物乞いをしてお金を得ようと考える。
弁護士に相談したらいいのに、とか、行政に相談しろ、とか、他の仕事を探せ、とか、思う人もいると思いますが、電気が止まったり、バスが止まったり、行政が効率よく機能してるのかはなはだ疑問な社会の上、若くてかわいい娘ならまだしもレジも出来ないような60才の不器量なおばさんを雇ってくれる所があるでしょうか。
片足の物乞い老人オラシオが言うせりふなんて、もうねぇ。。
「誰もが俺を恐がっているんだ。誰もこんな悲惨な姿なんか見たがらない。だから、見せてやるんだ。奴らは罪悪感から金をだすんだ」
明日はわが身、自分もいつ社会から転落するか分からない、という恐怖。
国をむしばんでいる貧困に目をそむけている通勤客。
マクドナルドの看板の明るさ、英語を流暢にしゃべる経営者、一人暮らし女性のお掃除スリッパ、電車内での演説(本当の事情を話した所で誰も聞いちゃくれない)、、小道具が利いてます。
深刻で暗い内容です、映画館を出たあと、あまり笑顔になれません。
でも、人間にとって人とのつながりが生きる希望につながるんだと感じさせてくれます。
万人ウケしないかも、ですが、お勧め映画です。
オラシオがほんといいんですよねぇ。。
演じていた役者さんはこの映画のあと亡くなられたそうで、ご冥福をお祈りいたします。
さて、
火曜から金曜まで毎日京都から神戸ポートピアまで通っていました。
朝5時に起きて6時に家を出る、一日中シンポジウムを聞いたりポスターをみたりして、夜7時ぐらいに家に着く。それから食事の支度、下の息子の受験勉強のプチ家庭教師、職場のサーバーに自宅からログインしてログチェック、、
ハードな4日間でした。
水曜日はマーキーの薬を貰うため、帰宅後病院まで行ったりして(また別の抗生物質を試しています)、もうばてばて、布団を敷いたらバタンキューの毎日でした。
で、金曜日、ポートピアの会場をうろうろしていたら、息子から携帯メールが届きました。「看護学校合格^o^」
先週受験した私立病院付属の看護学校ですが、一般入試・定員20名のところに130人以上受験したようで、息子が言うには大学生や社会人がかなり目立ったとの事。
試験は出来たが面接がダメだったと肩を落として帰ってきたので、落ちたと諦め、次の受験に向けてコツコツ勉強していたわけです、、あぁ、、、ほっとしました。
看護系って学費がかなり高いのですが、この学校は学費分をカバーする奨学金を希望者全員貸与してもらえて、国家試験に通った後この病院で3年間働けば返済が免除になります。
いい年した息子には自力で学校に通ってもらいますヨ。
穏やかで優しく滅多に怒らない、明るい話好き、、下の息子は我が家の中で唯一の草食癒し系で、大学進学のときも、就職活動のときも、一体どーするんだ、なんでこれが出来ないんだ、家族はあーだこーだと心配してやかましく口出ししていたのですが、結果的には一番合っている方向に進んだんだと思います。
わたしもこれで毎晩数学のテスト問題を解くのから解放されます。
一週間空いてしまいました。
読書ネタがないのでねぇ・・・。
下の息子ネタとしては、看護学校の入学金を支払い、自動車教習所の入所代を支払いました。将来の予定がたつと、色々な事が出来るようになりますね。自動車教習所代は出世払いという事で、息子はアルバイトを早速探してきました。
というわけで彼は今週から大学(もうすぐ休みだけれど)、自動車学校、アルバイトと忙しくなりました。うるる。
私ネタは、、やったーっ、とうとうシュレッダーを買いました〜。
ネットで評判高いコクヨのレリッシュ。すっごい爽快、いいですよ〜。
以前からケシポンで、クレジットカード明細やら電話料金の電話番号などを消していたのですが、マンションが透明なゴミ袋指定になって、ゴミの中身が丸見えになってからは、どうでもいいダイレクトメールの「宛名」も消さなくちゃ気分悪くなって、、、
ありとあらゆるものに名前や住所が記載されていて、それを探してちょこちょこ押しているのが嫌になるんですよねぇ。
欲しくも無い保険の勧誘手紙も、中には申込み用紙が入っていて、ちゃんと私の名前と住所が記載されている。
気にしなければいいのだけれど、気になるときりがなく、イライラしながらケシポンを押していたわけです。
液晶テレビのエコポイントが先日届いたので、迷わずシュレッダーにいたしました。
シュレッダーが動き出すと、我が家の侯爵くんが興味津々で手を伸ばしたり、覗こうとします。
めっ、だめだよー、と追い払って、たまったDMやらを裁断するのですが、にゃんこは周りをうろうろ。。
電源スイッチだけだと、猫が飛び乗ったりしたら、うっかりスイッチが入る時もあるんじゃないかと思いますが、コクヨはガードがついているので安心です。
その偉そうな侯爵くんは、あいかわらずうっすらと便に血がつく状態で飼い主を悩ませています。
種類の異なる抗生物質を試したり、ステロイドを試したりしましたが、あまり改善したようでもなく。。今は z/d という食物アレルギー用のキャットフードを与えて様子をみましょうという状況。
いやはや、ほんま、手がかかるお金がかかる侯爵さまですにゃ。
ウォーキングは三日坊主じゃなく夏坊主。
2ヶ月も続かなかったなぁ。。。(爆)
最近はものぐさに戻ってしまい、全然運動してないわたしです。
先日上の息子から靴のサイズを尋ねられ、誕生日のプレゼントに運動靴をくれるのかと思っていたところ、、、
宅急便で届いたものは、、、なんとびっくり、プラダのスニーカーでした。
うへっ、、こんな綺麗な色の、履いてウォーキングなんて出来ないよぉ。
汚れたら勿体無いじゃん。
だいいちユニクロのフリースとか着てるのに、アンバランスにもほどがあるわ。
実は去年の誕生日も、上の息子はセリーヌの折りたたみ傘を贈ってくれたのだけれど、雨に濡れたら勿体無い気がして、、ごめん! 一回も使っていません(爆)。
話かわって、ソファーが届いたのです。
3週間ほど前に注文した2Pの布張りソファーが出来上がったのです。
(結婚ウン十年、ソファーを買った・置いた事がなかった)
わーい、老後だらだら計画がまた一歩前進だ!正月はここに寝転んでテレビを見るぞ、と喜んでいたのですが、なんだかかすかに嫌な臭いがして、クリーニングしたてのような臭い? ずっと座っていると頭が痛くなってきました。
翌日、家具屋さんに電話すると、おそらくウレタンから出る臭いで、体には害はないのだけれど、夏に比べて気温の低い冬場は自然蒸発が弱く臭いが抜けにくい、との事。
いったん引き取って、風通しのよい場所で臭いを抜きます、一ヶ月後にお届けします。
という事で、ソファーは再び家具屋さんが持って帰ってしまいました。あらま。
皆さん、ソファーとかクッションを買うなら夏場が良いようですよ。
先月受けたTOEIC、ホームページ上で結果が発表されました。
えーと、リスニングが435点。リーディングが450点。合計885点。
初めてにしては、まぁ、悪くないと思いますが、うーん。。。
やっぱ、リスニングがほんまダメだわ〜。
ウォークマンでイングリッシュジャーナルの付録のCDを垂れ流してるだけ、みたいな学習では、英語の総合能力はもう足踏みですね。
BBCやCNNのニュースを見ても、さっぱり??だし、何というか大きな壁があって、壁の向こう側とこっち側は分断されてるっていうか、道はどこ? 壁を登る方法がわかんない!って感じです。
地道な努力は必要だけれど、何かプラスアルファが必要だなぁ。
ここはいっちょ、音読練習なんぞ始めてみようかな。
立派なウンチなのに周囲に薄く血がついている、立派なウンチなのに最後にぼとっと血がでる。。こういう血便がいつまでたっても治らない侯爵くんです。
病院に行ったのは8月だから、もう4ヶ月。。
抗生物質やステロイドの処方など、一時的には治るのですが、薬が切れるとすぐに戻り、完治に至らず。
ネットで調べると、獣医さんによっては一ヶ月抗生物質を続ける、とか、一ヶ月ステロイドを続けるとか、大変長い期間薬を投与するお医者さんもいます。
長ければ良いというわけじゃないですが、別のお医者さんの意見も試す時期かもしれません。。
低分子量たんぱく質のアレルゲン除去ドライフード z/d に変えても、ウンチのあとにぼとっと血がでたりします。そのうえ、食べて30分もしないうちに嘔吐したり、、このキャットフードはどうも侯爵くんに合わないようです。i/d もだめだったし、、
色々ネットで調べているうちに、この病気じゃないか、と思えたのがこれです。
猫の特発性炎症性腸疾患(IBD)のページ
我が家はこれまでサイエンスダイエットのアダルトがメインの食事でしたが、ときおりというか定期的に(?)未消化のフードをおえっおえっおえっと嘔吐していました。
ねこは時々吐く動物だと思い込んでいて、あまり気にしていなかったのですが、今にして思うと、血便の前段階だったのかも。
まずはドライフーズの種類を変えてみようか、と思います。
あと、一人の時間が長いのでそれがストレスなのかなぁ。もう一匹飼おうかしら・・・
天皇杯準々決勝「ガンバ大阪ー浦和レッズ」
ときおり雪が舞い散り、強風が吹き付け、もう寒いのなんのったら。
頼む!早く試合終わってくれ〜っと祈っていました(爆)が、試合は延長に。
ボールを蹴ったあと、足が「じーん」としてしまうような寒さで、浦和の選手のひとりがシュートした後うずくまってなかったっけ?
宇佐美くんがシュートを決め、ガンバがリードしたけれど、後半レッズの反撃に悲痛な悲鳴「ば、、ばかぁ、、し、死ぬ気で守れっちゅうのっ、、ぴ、PKになったら承知しないぞぉ、、」
帰宅後テレビで天皇杯ダイジェストを見たら、力のこもった試合に見えてびっくりしました。たぶん、わたしは寒さのあまり集中力を欠いていたかもです。
今年最後の万博、いつもの観戦仲間のみなさんとちゃんこ鍋屋さんで忘年会をいたしました。鍋にかぼちゃや玉ねぎを入れたのは初めての体験。意外にも美味しい(びっくり)。
それにしても一年、ほんと早いです。南アでWCがあった事もずいぶん遠く感じます。テレビでは海外サッカーをよく見たけれど、万博はかなりさぼってしまった一年でした。
なんというか、私のモチベーションのフタがこのところずっとベンチで、、あぁ、来年の去就が気になります。
Govinder Nazran ゴヴィンダー・ナズラン
2006年、偶然彼の名前を知ったのです。
大丸京都店が展示会を催していて、たまたま通りかかりました。
お値段は高いし、、宣伝の絵葉書だけ貰って、それを台所に貼っていましたが、とぼけた表情の犬や猫の絵が、なんとも忘れがたかったのでした。
先日、ソファーのために家具を移動したところ、居間の白い壁がぽっかり空き、、
「絵を飾りたい! そうだ、ナズランの絵を探そう」
探し始めたら、えっ!!! 彼は既にこの世を去っていました。。
1964年生まれ、まだ44歳だったのに、2008年12月30日に発作(脳卒中?)に見舞われ、自宅前で倒れ、お亡くなりになったのだそうです。
無性に彼の猫の作品が欲しくなってしまい、、、今年はどこにも旅行に行かなかったんだし、、ポチッ、、イギリスの画廊から買ってしまいました〜。 をいをい。。
インチで表示されていたサイズが、頭では理解したつもりでもピンときていなかったのと、送料が安かったので、それほど大きいとは思っていなかったのですが、我が家に届いた「物体」は、もうもう、びっくりするほどの大きさでした。
額を入れると横幅は1メートル以上ありますっっ。
居間の壁に飾ると、ソファに座った人間の頭が絵の下部にぶつかりそうです(爆!)
結局、玄関に飾る事にしましたが。。居間から見れません。。かばかば。
帰宅時にしみじみ見ることにいたします(笑)。
最後に言う事ではないですが、COAがついた本物だったことを一応付け加えておきます(いやはや、衝動買いしたので届くまでドキドキでした 爆!)
明けましておめでとうございます。
さぼりがちのHPですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年も1、2日と長男夫婦が泊まっていったのですが、ほんと、しんどいっす。わざわざ来てくれて文句言っちゃいけないんですけど、、ごろごろ本を読んだり、たまったごちゃごちゃを整理したかったなぁ。
どうしても「お客さん」なんですよねぇ。
延々と続くテレビ番組に飽きて自室でパソコンを立ち上げてると、「お母さん、感じ悪いよ」と息子に言われてしまう。
会話しろ、と言われても、そんなに話って続きませんよねぇ。おばあちゃんの昔話ってほどの年じゃないしサ。11月に会ったばかりだから、新しいネタも無い。
彼女はお酒を飲まないから、お菓子でワイワイするのも限度があります。
気ばかり疲れて、あげくのはて「お母さんばっかりしゃべってた」と言われる始末です。とほほ。
閑話休題。
猫のドライフードを変えてから、侯爵くんの血便がぴたりと止まりました!!
す、すごいですね。
Proplan「ターキー&ライス」
たん白質の種類を限定、小麦不使用ってのが謳い文句です。
これまで何回も、出たばかりのウンチをビニール袋に入れて獣医さんまで自転車こいで、検便を繰り返したり、血液検査をしたり、薬を飲ませたり、処方食に切り替えたりしましたが、一向に良くならなかった血便が、、、
小麦のアレルギーだったのかしら。
しばらく様子を見て、他の小麦不使用ドライフードなども試してみます。
血便が止まっただけじゃなく、雰囲気がより活発になり、明るくなった気がしてます。
家族は特にそうは感じてなくて、これは私だけの感想ですが、絶対に感じが違ってる、根拠なき自信があります(きっぱり ^o^)。
今まで元気だと思っていたけれど、本来はもっと元気であるべきだったんだ、マーキー、ごめんねぇ。
ハッピーになっている侯爵くんを見ると、猫はストレスでよく血便が出る、とか、簡単に片付けず、食事を変えるとか色々やってみるべきだと強く思いますね。
「林檎の庭の秘密」 サラ・アディソン・アレン
悪くないです、チャーミングな本です。
お気に入りか?と訊かれたら、ノー(ごめんネ)ですけれど、心地よい話だと思いました。
南部の田舎町、かつては名家だったが今は落ちぶれた風変わりな一家、母親に遺棄され祖母に育てられた姉妹、10年前に町を飛び出した妹がやむにやまれぬ事情で5歳の娘を連れて突然故郷に戻ってくる、ケータリングを営む姉は町から一歩も出たことが無い、、妹は仲の悪かった姉の許に居候する、、
ウイメンズノベルによくある設定に、林檎の実を投げてくる林檎の木(その実を食べると人生で最大の出来事を見せてくれる)が加わり、新鮮な物語になりました。
「林檎の木を思いついて、、わたしの人生は変わりました」と作者も言っていますが、地味なウイメンズノベルが、ハーブとスパイスの漂うファンタジーへと変貌したようです。
最初に書いたようにチャーミングなお話なんですが、お気に入りになれなかった理由は、人物の掘り下げ(特に男性陣)が浅いと感じたこと。
タイラー(ロマンス小説的にはヒーロー)もハンター・ジョン(妹の元BF 金持ちの坊ちゃん野郎)も大差ない。
なんでその人と寝たの? 寝たかったから寝たんだ。
なんでその人と別れたの? 別れるときがきたから別れたんだ。
なんでこの人が好きなの? 好きだから好きなんだ。
かなり大事な役柄なのに、なんだかカリカリと表面をひっかいているだけで、中の方に入っていけない感じ。
主人公のクレア(姉 34才)がそもそもタイラーに心惹かれた理由も無いといえば無くて、惹かれる事が決まっている、としか言いようがない。
なんというか、色々な部分でドキドキしなくて、お約束だからそうなの、って感じがしてしまいました。(ま、パラノーマルロマンスだと思えばいいんですけどね・・ 爆)
前半は力強かったけれど、後半はお手軽で綿菓子風になった気がしたのも減点ポイントでした。
レイチェル(タイラーの元カノ)の登場は必要だったのかなぁ。
シドニー(妹 28才)のロマンスは必要だったのかなぁ。ま、読者は癒されますけど。
デイヴィッド(妹の元カレ)の顛末は、心配したわりにお手軽すぎて、、。ま、読者は癒されますけど。
いろいろ不満はありますが、姉妹の遠縁の老女エヴァネルがとっても素敵でした。
彼女だけで星4つ。
エヴァネルには、いつか必要となるものを人に与える能力があるのですが、それがいつ何の役にたつのか本人にも分からないのです。
それとゲイの食料品店主フレッド(だったっけ?)、彼もいいですねぇ。エヴァネルが自分に悩みの「答え」をくれるんじゃないかと待っているのですが、ワケのわからない物を貰って途方にくれる。。(笑ってしまいました)
結局、人生を切り開くのは、人それぞれの選択なんだと、優しく背中を押してくれます。
読み始めたのは 「What Alice Forgot」 Liane Moriarty (2010)
まだ3分の1です。
Therese Weirの「Forever」と似ている設定です。
事故ですっぽりと人生の大事な時間が頭から消えてしまう、10年のあいだに自分や自分の大切な人々が大きく変わってしまったことを発見する、、この10年のあいだになぜこんな風に変わってしまったの?
主人公の Alice はスポーツジムで転倒し、目覚めると、29歳のはずの自分が今39歳だと知ります。
人がうらやむほど熱々の恋愛結婚をして、初めての子供をおなかに宿しているはずの自分、少しふっくらしてる、のんびり屋でシャイ、シンプル服装が好き、朝寝坊が好き、庭いじりが好き、何よりNick(夫)を心から愛している自分、誕生を心待ちにしているベビー、、のはずが、スレンダーで洒落た服装をし、3人の子供の学校や社交に大忙しの生活をおくり、夫とは離婚争議中だと知らされます・・・
物語はアリスと、姉エリザベス(ここ数年疎遠になっていた)を中心に描かれ、三人称でアリスの状況が語られ、エリザベスの部分は一人称です。
アリスは当然そうですが、エリザベスもまた深刻な問題を抱えています。
大きく変わらない10年もあるけど、物凄く変わる10年もありますよね。
10年前の自分が想像だにしなかった10年後になっていることは、わたし自身にもあるので、なんというか無心で読めないというか、時の流れの無情さが辛いというか。
うげ、失望や苦々しさ、気が重くなる話で嫌だなぁ。。と思ったのですが、ネットでカンニングすると、読者の感想は「楽しかった」らしいのです。
ほんとかなぁ。
過ちをやり直せるとしたら、、過去を消せるとしたら、、これは優しいファンタジーになるんでしょうか?
3分の1の時点で予想すると、とてもハッピーエンドに終わりそうじゃないのですが、暗い話じゃないらしいと知って、読み続ける気になりました。。がんばろっと。
キャサリン・コールター「旅路」
Ms. Moriarty の本を読みかけのまま道草、コールターのFBIシリーズ1番を読みました。
文庫本のコールターを読むのは初めてなんですが、、、うーん、、ごめんなさい、これは私向きじゃないみたいです。
「サリーは父親殺しの疑惑から逃れるために伯母を頼って、またFBIのクインランは私立探偵と偽ってサリーを確保するために、コーブにやってきた。この小さな田舎町は美しく整然としていて、老人だけの町だった。。」
と裏表紙に書いてあるように、当初ヒロインを疑っていたヒーローが、孤立無援のヒロインを助けて事件の真相を暴く、といったロマンティックサスペンスですが、ストーリーはねちねちとしつこくて、なかなか良くできてます。
H/H は悪くないです。
ヒロインにイラっと来る時もままありましたが、許せる範囲でしょう。
呆れてしまうほどオバカな行動をとるわけでもありません。
サスペンスに重きを置いていて、こんな火急時に何やってんだっ!っちゅう濡れ場展開も控え目、そこそこプロフェッショナルなのも好感をもてます。
それじゃ、何が問題なのか、と言うと、、なんていうんでしょう。ろくでもない人間が多すぎて、読んでいて嫌になってしまうというか、しつこすぎて胸やけするというか、、
良心的な人間なんて何人居る?ってくらい、うんざりする人間ばかり出てくるんです。
相互理解が不可能な、自己愛のかたまりのようなイタイ人たち。
悪役としての魅力をこれっぽっちも感じないし、同情の余地もないし、暗澹たる気持ちになってしまうというか、ほんと、身も蓋もない。。
ある意味、実にイマドキの社会を切り取っているとも言えます。
どうしても狙ってるとしか思えない道具立ても、ちょっと苦手。後味を悪くするんですよねぇ。
世界一おいしいアイスクリームの描写、マーサのつくるよだれが落ちそうな料理の数々、これを作者は何度も詳細に描くのですが、「注文の多い料理店」や「スウィーニー・トッド」を思い浮かべずにはいられなくなります。 この場合、食事はカニバリズムの変形、欲望の象徴なんですよねぇ。
楽しんで人を殴る、人を人とも思わず殺す、自分たちの都合を満たすためには手段を選ばない、、そういう人ばかり出てくるお話なんです。
ここまで書いていて、自分でも「よくぞこれでロマンスと言えたものだ」と感心してしまいます(爆)。
あぁ、次作はどうしようかしら・・
連休はソファーに座って、放置していた文庫ロマンスをのんびりと読んでいました。
まずは、アマンダ・クイック「エメラルドグリーンの誘惑」
原作は1994年、翻訳も2002年、随分経ってますね。
クレンツがアマンダ名義で書いた初のヒストリカルだそうです。
チャーミングな話だけれど、私にはなにかスパークが足りない感じでした。
ソフィー(ヒロイン)のキャラクターが安心すぎるから?
ジュリアン(ヒーロー)がソフィーを求める理由が、男女の愛というより子供が母親を求めるみたいな、「愛されている」という安心に基づいているから?
いつも思う事なのですが、はずれがないというのが誉め言葉。
わたしにとってロマンス界の片平なぎさ&船越英一郎なんですよねぇ(爆)。
話の進行も少しぎこちなく感じました。噂がかけめぐる田舎にしてはヒロインの妹のあれこれが少しも知られていないようだし、エメラルドが盗まれた事をロンドン中の宝石店が知っているのに秘密になっている事なども。
AARでAがついていますが、この時のレビュア Karen Hodgen さんは、この作品以外のレビューが無いんですよね。
わたしとしてはクイック作品なら「隻眼のガーディアン」の方がときめきが感じられて好きかな。
J・R・ウォード「永遠なる時の恋人」
ブラックダガー団の1作目がどうにもちゃちに感じられ、次作に手が伸びなかったわたしですが、1作で判断するのは良くないと思い、今頃ですが2作目を買いました。
(1作目原書の感想、
1作目翻訳本の感想)
を、いいですね、これ。
1作目ではやたら大げさでチープだったパラノーマル設定が、王様とミスターXが影を潜めてくれたおかげで、おバカ揃いのレッサー&ヴァンパイアを無視しやすくなりました(爆)。
なんていうか、センスオブワンダーが作者の資質として薄い気がするので、無理にパラノーマル世界を構築しようと考えないほうがいいんじゃないかなぁ。
書の聖母なんて、悲しいほど神秘さが感じられないし。
ワケのわからん脳みそ足りないオメガや自己満足の塊の書の聖母なんて、作者が書きこめば書き込むほど、どっこいどっこいで、、はぁ。。orz
とりあえずキリスト教社会の人たちって、悪側が賢いのはダメなんでしょうかね。
こわもてのヤバイ兄ちゃん達のハチャメチャ話でいいのよ、わたし。
レイジとメアリは前作のロス&ベスより好みでした。
次も読む予定ですわん。
と、ここまで2冊読んできて、そこそこ満足していたのですが、次にジョージエット・ヘイヤーの「令嬢ヴェネシア」を手に取ったら、、、
どっかーん!!
う、うまい、素、素敵、、どきどきする・・・
上記2冊は、ちょこちょこ本を置いて、家事をしてはまた読んで、、という感じでしたが、ヘイヤーは、「おかあさん!おかあさん!にゃおおーん!にゃおおおーん!」の声も聞こえないほど物語に引きずり込まれました。
登場人物たちの性格付け、ぽんぽんと言い交わすセリフの妙、ヨークシャーの空気、、、うーん、好きすぎる、まいったわ。
ジョージェット・ヘイヤー 「令嬢ヴェネシア」(原作 1958年)
あぁぁ、いいですねぇ。
読み出したら途中で本を置きたくなくて困りました。
リージェンシーの空気、人々がリアルに伝わってきます。
大勢の親類縁者がドタバタ劇を繰り広げる話が大嫌いな私ですが、ヘイヤーだと大丈夫なんですよね。
それはなぜかというと、舌を巻くようなセリフの上手さに加え、人物の描写が卓越していて、、ほら、あのBBC放送の「自負と偏見」に登場したミスター・コリンズのように、俗人たちが生き生きとそこで生活しているんです。
はなはだ詰まらぬ事しか言わないそんな俗人たちを Idiotish、Foolish、Ridiculous と思いつつもユーモアで受け止められるヴェネシアはリジー(エリザベス)よりも達観してますね。リジーと違って自立できるマネジメント力と財力があるからかしら。。
をっと、話はヴェネシアに戻って
温かさと冷静さを併せ持ち、知性をユーモアで包めるヒロインがとても好みですが、ヒーロー、ダマレル男爵も素敵です。中年にさしかかった放蕩者が真剣な恋をする、というヒーロー更正モノの王道ですけど、そこがヘイヤー、極上の一品です。
「Lord of Scoundrels」や「The Rake and Reformer」が好きな人間にはこの作品はツボですね。
多くの人は前半がまどろっこしいと感じるのかもしれませんが、わたしは前半の方が好きだと言えるくらい、ほのかでありながら強い愛の芽ばえにどきどきと火照りました。
納屋の子猫のシーンなんて、何も無いと言えば何も無いのに、好きすぎるっ。
後半はどちらかというと展開を急いだ感もありますが、小気味良いヴェネシアに最後まで大満足でした。
細郷妙子さんの翻訳は、今風と古典風を苦心してミックスさせていると感じられ、原書でヘイヤーを読まない読者としては大変感謝しているのですが、唯一、気になってしまったのが「ばーか」です。
「 Stoopid 」は、オーブリーの口癖で、オーブリーが言うには「ばーか」でいいんですが、ヴェネシアが使うときは、「おばかさんね」とでも訳して欲しかったです。
ヴェネシアはダマレルに、愛撫するように「ストゥーーピッド」、そっと優しく「ストゥーーピッド」、強く抱きしめ「ストゥーーピッド」と言うのですから。
ストゥーーピッドって、結構セクシーじゃないですか?
それが「ばーか」では、なんというか、、、
でも、同義語調べてみたけど、日本語にはあまり適した言葉がないっ。。
あほたれ、とんちき、ぼんくら、たわけ、まぬけ、あんぽんたん、すっとこどっこい、、うーーん(爆!)
私とした事がっ!
Carla Kellyの「The Admiral's Penniless Bride」が12月21日に出ていた事に気付かなかったー!
アマゾン様には申し訳ないが、ソニーのブックストアで買った方が安いのでそちらでポチッとダウンロードしてきました。
そこで知ったのですが、なんとカーラは2月に新作が出るんですね、アメリカンヒストリカルもの。 嬉しいですねぇ〜。
他にも、気になっていた本をダウンロードしました。
Dear Author や米アマゾンの読者レビューで大評判の、Helen Simonson 「Major Pettigrew's Last Stand」(2010)
読者の年齢を選ぶかもしれませんが、わたしにはどんぴしゃですワ(爆)。
イギリスの小さな村に移り住んだ退役軍人ヒーロー(60代後半、妻を亡くしている)が、村でミニマートを営む寡婦ヒロイン(50代 パキスタン人らしい)と知り合い、しだいにお互いとても大切な存在になってゆくお話だそうです(あぁ、それって女の夢だわ・・)。
もちろん、偏見や中傷、息子たちの反対など、色々あるらしいのですが、とても心温まるH/Hのロマンスだそうです。
表紙絵が素敵なの!!
もひとつ、これは迷ったのだけど、ま、いいかとポチ。電子ブックの手軽さが恐いっす(汗)。
M.K.Hobson 「The Native Star」(2010)
1870年代、南北戦争後のカリフォルニアが舞台のアメリカン・ヒストリカルなんですが、ヒロインが老いた父を抱え、日々の食事にも困って、なんとか裕福な男と結婚しようと考えてる「魔女」らしいのです。
それで、惚れ薬をとある男に飲ませたのはいいけれど、効きすぎちゃったらしく、「この女は魔女だ!」と町の人たちに糾弾されるらしい(わはは)。
惚れ薬を飲まされた男はヒーローではないらしい。
ともかく、この魔女ヒロインは、鉱山に巣食うゾンビ(ゾンビたち?)と戦うはめに陥るらしい。
アメリカン・ヒストリカル・ファンタジー・アドベンチャー・ホラー・ロマンス?
ダウンロードしたのは全部 DRM のついた ePub ファイルですが、ちょこちょこと作業して、キンドルで読めるように変換しました。ソニーリーダーを買わずキンドルで読むわたしです。(ソニー様、申し訳ない)
話変わって、
読み終えた「What Alice Forgot」は、わたしが最初に予想していた展開ではなくて、深刻さと滑稽さが同居したまま、意外にもハッピーエンドになりました。
「ああぁ、分かる・・」と非常に強く心を掴む部分と、全く面白くなくてイライラする部分がまじっていて、、、信じられないほど軽く流す(頭を強打して記憶喪失になったにも関わらず、翌日はジョギングしてしまうとか)かと思うと、姉のモノローグのように、分析が細かく仔細に物事を述べたり、、
面白いのに面白くない、という奇妙な本なんです。重いのに軽い、みたいな。
どういった感じの映画になるのかなぁ。
消化不良なので、時間を置いて、もう一回読み返そうと思います。
昨日は長浜方面に出張でした。
ご覧のとおり雪がかなり残っていて、行きも帰りも、列車の運行が大幅に遅れました。
左側にみえる屋根は、上りのホームへと続く屋根ですね。
右側、京都・大阪方面行きのホームへ渡る連絡通路から写真を撮ってみました。
目的地は駅の正面にある大学だったので、駅から唯一雪かきされている溝のような(笑)道を歩きました。本当に近くて良かったわ。
列車のダイヤが乱れたおかげで?カーラ・ケリーが読み終わりました。
Carla Kelly 「The Admiral's Penniless Bride 」 (2010)
あぁ、これは・・・
何ていったらいいか、すごくフラストレーションが溜まる話です。
もちろん、さすがカーラです。良く出来ています。とても温かくて深みがあります。大人の男(45)と女(32)のゆっくりと進行するロマンスはユーモアも極上。人物描写も見事です。
ハーレクイン社からこれで長編は5作目ですが、どんどん地味になっています(これは誉め言葉)。こんな地味な作品を出してくれたHQ社には大感謝です。(表紙絵はペケです。大きな間違いがあります)
でも、ユーモアたっぷりの語り口にも関わらず、非常にしんどい物語でもありました。
現実的なのですが、同時にとても宗教的だと感じました。
カーラは決して宗教観を押し付けたりしませんが、でも、「赦す」事が大きなテーマだと思います。
わたしは正直いってこれがとても苦手で、読んでいる間はやり場のない憤りがたまって幸せ気分になれませんでした。
正直ものや社会的弱者が痛めつけられ、その不正義が最後まで正されない。
海軍のお金を横領した人間がその罪を無実の男になすりつけ、一方的な裁判の結果「殺人および横領」の有罪判決をうけ、無実の男は自殺するが、死後も更に悪く言われる、、残された一家は貧乏のどん底に落ち、家の子供は病で命を落とす、、
どうですか?十分に暗いでしょう? でも、これだけじゃないのです。物語に登場する様々な不正義。。
幼女に性的乱暴をする卑しい男、他人の生活にちょっかいをかける嫉妬深い男、先ほどの横領をした男の兄(貴族)が逆切れをする、、
確かにすべての悪を根絶する事なんてできないし、過去の不幸せを消す事なんて出来ませんが、それでも冤罪を晴らしたい! 不正な大人を罰したい! 思い上がった奴らに痛恨の一撃を食らわしてやりたい!、と読んでいて思ってしまうのです。
もう一つ、これはカーラ作品ではとてもとても珍しいのですが、ヒーローが大事な場面でヒロインを守りません。
不信の種を植え付けられていたヒーローは、とある事件でプライドを傷つけられたと立腹し、ヒロインを罵倒するのです。
これは大変ショックで、まさか、あんたが裏切るとは、、という感じでした。
米アマゾンで星3の人間はみなこれです。それまでとても度量が広く物事が見えていたヒーローなのに、あんな行動をとるなんて、このヒーローらしくないと思ったのです。
わたしも読んでいる時は「ガーン!」でしたが、しばらく経ってから思い直しました。
完璧な人間はいないと思うと、人間の愚かさや醜さはヒーローとて例外ではない。このようなヒーローを描いた事はカーラにとって一つ進んだ境地なのかもしれないと。
当たり前ですが、ヒーローは激しく後悔して苦しみます。それは提督にまで上り詰めたアルファ型男が自分もまた愚かな人間であることを認める大切な教訓だったともいえます。
彼の誇りの象徴でもある海軍が、醜い面も持っている事を知るのです。
この話には悪を一刀両断するスーパーヒーローが登場しないのですが、その代わりに、リアルなスーパヒーローとリアルなスーパーヒロインが、今救ってあげられる子供を救う、偏見を持たずに周囲の人を愛する、不正に満ちた世の中を悲しみ、罰する事は神がする領分であると怒りをおさえ、自分のできることを行います。
人を赦すことができる男女の物語なのです。
スジが一本通った物語なのですが、それが自分に向いていないと、超むしゃくしゃしてしまいます(笑)。
結局「水戸黄門」や「必殺シリーズ」のように、最後は悪い奴らをコテンパンにしてやりたいって気持ち、あるんですよねぇ。
M. K. Hobson 「The Native Star」(2010)
いやぁ、これはこれは、、
先日なんとなく買った本なんですが、読み始めたら面白いのなんのって。
地に足のついたアメリカンヒストリカルなんだけれど、魔法が普通に存在している世界で、サスペンス味もあるし、ヒューマンドラマ的なところもあるし、もののけ姫みたいな所もあるし、もちろんロマンスもあって、予想以上の展開です。
まだ読み終えてなくて、3分の2なんですが、本の最初の方では「文章が下手とちゃうか?」なんて思ったのですが、文章力を補って余りある勢いがあります。
ストーリー展開も、いい意味で予想を裏切られてます。
舞台は1876年、カリフォルニアど田舎の町。
魔よけや熱さまし、家内安全の呪文など、昔ながらの魔法商売をしているヒロインと養父。
だが、ここ数年商売は上がったり。
なぜならカタログ注文で送料無料迅速配達の大手魔法グッズ工場が得意先をどんどん取っているから。
南北戦争が終わり、鉄道の発達、西部開拓、時代はどんどん近代化を進めている。
魔法使いとて例外ではなく、いまや全米魔法協会や魔法研究所が、魔法技術の近代化をすすめている。アメリカ各地に魔法使いを派遣して、田舎の呪い師を指導しようとしている。
ヒロインの暮らす町にも、尊大で無礼な魔法使いがNYから1年前に移ってきて、ヒロインの養父に偉そうに講釈する。
このままでは魔法商売は続けてゆけなくなるだろう。老いた養父の健康も気がかりなヒロインは、いけない事とは知りつつ、町で一番裕福な男に「惚れる」魔法をかけて、夫をゲットしようと考える。
ところが、魔法をかけたその晩、思いもかけない大騒動が起こり、、あの尊大で失礼な魔法使いと共に町を追われるはめに陥る。。
西部開拓時代のロードムービーです。
馬で旅をしたり、鉄道に乗換えたり、行く先々で襲われたり、助けられたり、、
最初は平面的だと思ったヒロインがどんどん深みを増してくる成長過程がいいです。
ヒロインには出生の謎があるのですが、これはなかなか明かされません。
一方、尊大で失礼な魔法使いはヒーローのはずなんですが、、こっちも謎を多く残しています。
彼は栄養が吸収できないザル体質で、やせの大食いの針金男なので、うーん、ほんとにヒーロなのかなぁ(笑)。
南北戦争でグラント将軍を勝利に導いた魔法使い軍団の秘密もあれば、魔法撲滅運動を狂信的に進めている「赤い十字架」キリスト教一派もあります。
魔法にも理屈があって、これがかなり説得力あります。
また、魔法の消費に伴い、魔法の澱が地下にたまり、時折それが噴出して、動植物を悪しき魔物に変えています。。あぁ、いつの時代も人間という奴は。
そうそう、故郷の町の裕福な男は、本当に気持ちのよい男なんですよ。
この男性の描き方が温かいので、わたしはこの作家さん好きだなぁと思ったんですよね。
表紙絵にあるように、ヒロインの手には青く光る宝石がはまってしまったのです。
どうやっても宝石が手からはずれないのです。
さて、最後3分の1でどうなりますやら。
なんと、そうきたか、、
M. K. Hobson 「The Native Star」、大満足の一品でした!
最後まで予想を超える展開で、、うーん、次作が待ちきれないわ。
19世紀後半のアメリカという時代設定が非常に生きてます。
産業の近代化が急速に進む時代ですよね。電信や製鉄、鉄道網の発達、電話も初の実験が成功したところ。
一方、生物学・医学はようやく「病原菌」が認知され、公衆衛生の概念が生まれてますが、(NIH アメリカ国立衛生研究所が1887年に設立されてるんですね)、ペニシリンの発見は1929年ですから、人間の怪我や病気の治療は前近代的な状態です。
こういう時代背景が、科学技術と魔法の混在をまったく違和感なく感じさせてくれます。
そして、ストーリーが、怒涛のアクションムービーで、いやはや、一難去ってまた一難にもほどがあるっ! というくらい波乱万丈、、昔みた007の映画で、全部の歯が鋼鉄で出来た大男の出た映画とか、ターミネーター1の最後の逃走とか思い出しました。
「えー!あんな爆発なのに! ひぃーっ、頑丈すぎる〜〜っ」
捻りが随所にあり、最後の最後まで息つく暇もない感じなのに、地球環境、愛国心、正義、戦争、女性差別、ネイティブアメリカン、色々な問題が巧みに織り合わさっていて、しっかりと問いかけてくる上、さらにロマンスも成就する。
偉い!よくぞまとめた!
ヒロインエミリーの出生の謎や、ヒーロー Dreadnougt(恐れ知らず)の過去の秘密など、次の作品に持ち越されたのですが、それでよかったと思います。
この作品はこの作品でちゃんとまとまっています。
ヒロインのキャラクターが良いです。
田舎ものの魔女ですが、偉そうな魔法使いに対しても卑屈じゃない。でも、意固地ではないから、聞くべき耳は持っている。
大魔力があるわけじゃないから、リアルながんばりしか出来ないけれど、知恵と勇気が気持ちいいです。
一方の針金のような恐れ知らず君は、尊大に講釈を垂れる失礼な男でしたが、それがだんだんミスター・ダーシーに似たように見えてきて(笑)、、いやぁ〜、次が楽しみだなぁ。
ラピュタやもののけ姫、ターミネーターや007、昔なつかしい「おしどり探偵」、、そんな話が読みたくなったら、超お勧めです。
注意。ロマンス表現はキスまでです(爆)。
激しく寝不足です。
アジアカップ、韓国戦の激闘に加え、よせばいいのに、、
予約していた嵐のライブDVD「10-11 TOUR “Scene”〜君と僕の見ている風景〜STADIUM」を昨日取りに行って、夜に見続けちゃったんですよねぇ。
あぁぁ、大野くん、素敵すぎる(爆!)
歌と踊りのレベルの高さに加え、ファンサービスがもう、神業のような自然さで。。
そして、嵐さんたち全員がほんと、ナイスというか、極めてプロフェッショナルなアイドルで、最後の挨拶なんて舌を巻く上手さですね。感動しました。
コンサートDVDを見ると、改めて大野くんの惚れ惚れする格好よさはテレビではほとんど拝めないと思い知らされますねぇ。
やっぱ、ファンクラブに入ろうかなぁ・・・。うーん。
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