HOME    更新履歴リスト    CINEMA    中南米映画リスト    BOOKS    MIHA    書きっぱなし    PC雑感

更新記録 2013年12月1日から2014年1月31日まで


 12月11日

あやや、更新が滞っているうちに12月も半ばになってしまいました。
カーラ・ケリーの「Marian's Christmas Wish」が翻訳されて、まあまあ好評なのが嬉しいです。
原書を読んだ時、いまいち乗れなかったので、和書の評判が少し心配だったのですがほっとしました。
翻訳が続くようにと和書購入済みですが、まだ読んでいなくて・・(汗)。

カーラの絶版 Signet 作品群はどんどん Kindle 版になっています。
まだ全作品揃ってはいないけれど、それでもアマゾンのデジタル出版、本気度が凄いです。
Marian's はモルモン系出版が早々と再販したからマグノリアが翻訳権を買ったんだと思うけど、見てみて、どんどん出てるよ~っ!
アマゾンデジタルサービスから「Summer Campaign」や「Miss Whittier Makes a List」が再販されているんだよ~っ。

カーラの Signet 古本を各部2冊買って、1冊を解体してスキャン(いわゆる自炊)してpdfにしている私ですが、さらにアマゾンへの感謝の気持ちでキンドル版も買っております(爆)。
その上、翻訳本も買っているんですから、どんだけ~(古い)ですね。

それから、とうとう Mira からカーラの今の作品が翻訳されるんですね。
Signet のシリーズロマンスが無くなってからはハーレクイン・ヒストリカルで書いていたのだから、さっさと出してれば良かったのにねぇ。

で、翻訳される作品が、、うーーん、、すみません、、なんだかなぁ、、マイベストカーラではないので、積極的に勧められないわ~。
あぁ、人生って辛いなぁ、涙ぽろぽろ、、ヒーローの大馬鹿ヤローって感じの話です(爆)。

このページの先頭へ
 12月15日

春に訳も分からずに「つるアイスバーグ」の新苗を買ってしまい、つるってこんなに伸びるの?!と慌てた夏。

寒風の吹きすさぶ土曜日、青々と茂った葉をむしり取って鉢替え、剪定、誘引をいたしました。

いやぁ~、、寒かった~ (>_<)。

葉をむしっているうちに寒さでどんどん不注意になってきて、赤い芽をつぶしそうになりました(汗)。

マンションだからこれ以上大きくなると困るのですが、この根詰まり! 8号の鉢でどんだけ窮屈だったか、、今回10号に替えました。
誘引っていっても、マンション専用庭だから、たいした事はできません。
庭の境の壁際に支柱を立てて、針金を渡し、それに沿って枝を麻ひもで結わえました。

この頃には、もう指がかじかんでいて、簡単なかた結びさえ出来ない始末。
ひー、参ったわ。。これで春にちゃんと咲いてくれなかったらショックだわ~。

写真は、名無しのバラとバフ・ビューティなんですが、どちらも黄色系の花なのに、気温が低いとピンクになってしまうんですね。
このように、まだバラは少し咲いているのですが、これから1月末まで、週末はひたすら土替え、剪定予定です。

さて、Mira から出るカーラの作品「拾われた1ペニーの花嫁」、先日書いた感想はちょっと乱暴でしたね。
すみません。
実際に「the admiral's penniless bride」を読んだ時(2011年1月19日)の感想を見てもらうとわかるように、決してイマイチな作品ではないんです。
さすがカーラ、という作品です。

あったかいしユーモアもあるけれど、でも、でも、楽しい作品かと訊かれると口ごもっちゃうんです。
なぜなんでしょうね。
色々あっても温かいラストなんですよ。

ま、私の感想なんかどうでもよいので、皆さんが自分で読んでみてくださいね。

このページの先頭へ
 12月19日

Tess Gerritsen 「Last to die」(2012)

テスは、リゾーリ&モーラシリーズを止めてしまうのかなぁ。
そんな感じを受けました。
少なくとも書く気を失っているというか熱が冷めている気がする。

わたしにとって前作は後味の悪い作品でした。
なんだか、テスに裏切られた気持ちさえしました。

真実を告げる事、捻じ曲げない事がモーラなのに、「融通の効かない石頭冷血女」というレッテルを貼られたままで終わった前作。
リゾーリまでもがモーラを非難するわで、「あたしゃ、あんたを見損なったよ、リゾーリ!」と内心腹をたてておりました(爆)。

その償いをする今作?
針のムシロの仕事場から休暇を取るモーラ。
一方のリゾーリは、前作では身内意識どっぷりだったのに、再び刑事仲間から一歩引いたようなスタンスになり、モーラに謝ったりする。。。うーん、一番苦しい時に横にいなかったのに、、、なんか納得いかないゾ。

で、今作の事件なんですが、、
リゾーリ&モーラじゃなくても良かったんじゃね?
このシリーズである必然があまり感じられませんでした。 子供を狙う正体の分からない連続殺人犯、スリルとサスペンス、、雰囲気はたっぷりでしたが、シリーズ初期の「刑事ドラマ&女の生き方」風味がさっぱりありません。

ここ数作の目玉サブプロット、リゾーリの両親の離婚話はなかなか読ませます。
実にリアルで実に面白い。
だがしかし、リゾーリ&ガブリエルは平面的だし(というかガブリエルは一体FBIの仕事をしているのか? いつも育児&皿洗いをしている気が、、爆)、フロストの苦悩はどこに消えたやらだし、モーラに至っては孤独に倦み疲れて生彩が無いし、、

恐れつつも予想した通り、最後にモーラはボストン市警の監察医を辞めようと思っている事をリゾーリに告げます。
そうだよねぇ、、このままじゃどん詰まりだよねぇ。。

2013年はテスは新作を出していない。来年の4月にでる新作は監察医 Kat Novak のサスペンスミステリーだそうで、、リゾーリ&モーラはこのままぐだぐだで終わってしまうのかもしれません。

(2014年3月追記)
新作というのは間違っていました。
4月に出るのは昔の作品の再版でした。
テスは2013年に母親を病気で失くしたのですね。彼女のブログを読んで母親や長年の友人を亡くしたことなどを知りました。
リゾーリ&モーラは今後も続くようです。

このページの先頭へ
 1月 1日

ぐずぐずとホームページを続けて、とうとう2014年になってしまいました。
更新もたまにしかしていませんが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、年末は掃除と鉢バラの植替え、大みそかはのんびり読書でした。
Ilona Andrews 「Magic Rises」(2012)

期待を裏切らない作家さん。
Kate Danielsシリーズの長編6番目。

あぁぁ、ほんま、ケイトの男前に惚れ直す事必然。
ここまで戦う女はかつていただろうか(いやいない 爆)
いや、ほんとに凄いんです。
このシリーズを読んだ事が無い人に分かってもらえないかも、ですが、殴られ切られ刺され咬みつかれ、片腕片足が折れ、内蔵出血して、至るところから血を流し、立ち上がる事も出来ない状態でも、敵の親衛隊に囲まれ戦っている愛する男 Curran を守るために、バルコニーから下に飛び降り、げーっ、ばかばか、まじで死ぬだろーっ! 飛んで火に入る夏の虫だ、と、倒れている彼女に近寄った敵は、足の甲を小刀で刺されひるんだ瞬間膝の腱が切られ、崩れ落ちると喉笛を掻っ切られ、、
ぼろぼろの状態になっても諦めないヒロイン像と、ぼろぼろの状態で勝つなんて、と読者が思わない、非常に納得できる戦闘能力。

ケイトは魔力も持っているのだけれど、ほいほい使えるものじゃなくて、エネルギーを取られてしまうので、ここぞという時にしか使えない。
幼い頃からHunterxHunterのキルアのように殺人教育を受けてきたという特殊な過去を持ち、今は愛する男と仲間のために命を張る。

で、仲間というか Curran がシェイプシフターのアルファだから、パックメンバーが大勢登場するのですが、彼らのキャラもシリーズを追うごとに立ってきて、毎回飽きずに読めます。

人間って何だろう、結婚って何だろう、、色々と考えさせられながらも、ケイトとCurran(何て発音したらいいんでしょうね)の苦難の道を応援しちゃうんですよねぇ。

Curran の惚れっぷりが、もうね、良いんです(きっぱり)。
シリーズ最初の頃は、なんてアホな奴なんだ、と思っておりましたが、今では Curran が何をやっても許す!ですわ(笑)。
I don't deserve you  俺には君はもったいない、なんて言うんですからね。

最大の敵 Roland(ケイトの父)が居るのですが、彼に勝てる見込みは今のところ無い。
今作で、Roland の一番の部下が登場するのですが、彼の魔力に対抗するのがやっとでした。
だから、どうやってこの物語をひっぱってゆくのか、とても気になります。

このページの先頭へ
 1月6日

急に朝日が昇るのが早くなりましたね。
ちょっと前は7時でも暗いって思っていたのに、、
冬至を過ぎると、どんなに寒くてもやっぱり春が近いわ。
我が家の侯爵くんもちょっと前はだらだら寝ていたのに、この頃起きるのが早くなって、にゃぁにゃぁ叩き起こされます。

「Magic Rises」を読んだあと、このシリーズ第1巻「Magic Bites」を読み返して Curran との出会いにじんわり浸り、カップル最大の見せ場、第4巻「Magic Bleeds」に飛んで、彼らの Mating Battle や Aunt B にどっぷりと浸ってます。

この作者は絶対日本アニメが好きですよね。
読んでると Saiman がヒソカ(ただし戦闘能力ゼロ)に見えてくるし(笑)。

こうして再読ばかりで、前にポチった本は未読のまま。。
Kresley Cole の Immortals After Dark シリーズの11番目?「MacRieve」
M.K. Hobson の3番目「The Warlock's Curse」
シェリル・レビスの「Bridal Fair」の続編「An Unexpected Wife」
あぁ、さっさと読まないと、、、前作とか忘れているし、、だめですねぇ。
それにしても、まさかレビスが今頃になってミルズ&ブーンで続きを書くとは思ってもいませんでした。

このページの先頭へ
 1月12日

まつお園芸の「バラの剪定集中講座」に行ってきました。
車で45分ぐらいなのですが、相変わらず自分の運転は緊張する~っ!
でも公共交通で行ける所ではないし、、
自動車の免許を取らなかったら、こんな講習に参加しようと思わなかったよねぇ。

鉢植えの植替えもほぼ終わりました。
根に癌腫ができていたものがあり、ちょっとがっくり。
秋に購入したままの鉢だったので、これは恐らく購入時から癌腫があったのだろうと思います。
思えば、我が家では今まで黒点病がなかったのに、この鉢は黒点病になり、農薬やら消毒やら手当して黒点は治ったのだれど花はそれほど咲かなかった。
シュートも出たし、葉も元気に茂ったけれど、何かイマイチな感じがしたんだわ。
一応癌腫を取り除き、土や鉢を替えたけれど、、春に花が咲かないかも。。うーん。

このページの先頭へ
 1月13日

Ilona Andrews 「Clean Sweep」(2013 Dec)

わたしはアマゾンからダウンロードしたのですが、元々著者のウェブサイト上に掲載された自費出版なんだそうです。
Ilonaのようなプロ作家かつ稼いでる作家でも、こんな風に自費出版をするんですね。

クリフォード・シマックの「中継ステーション」を思い出す。テキサスの田舎町の古ぼけた宿屋、その実体はワームホール兼宇宙版B&B。
宿の管理人ヒロインと、B&Bに訪れるエイリアン達。
なんちゃってSFが面白い。ヴァンパイアもウェアウルフも化け物も総出演でバトルやらお家騒動やら自分探しやら。(ロマンス色は薄いです)

ヒロインの武器は「箒」。
変幻自在の箒を持って、エイリアン達が巻き起こすトラブルをせっせと片づけます(笑)。
続きを書く予定はあるのかしら。

このページの先頭へ
 1月15日

Stephenie Meyer 「The Host」(2009)

すみません、わたしはステファニー・メイヤーがYA人気作家だという事は知っているけれど、「トワイライト」を読んだことも見た事もありません。

で、キンドルショップをうろうろしてたら、メイヤーの初の大人向け本と書いてあったので、興味をひかれてポチってみました。 7ドルちょっとだしね。

ダウンロードしてから分量の多さにびっくりして、、調べてみると何と翻訳では3冊になってるんですね。

で、今3分の1、翻訳でいうと1冊目が終わったあたりなんですが、、
うーん、、
なんちゃってSFというより、なんちゃってロマンスというか、アメリカ人の好きなゾンビものが寄生エイリアンものに変わって、かつ、17歳の美少女&1000歳?が彼のためなら死ねる!みたいな話かなぁ。

ある日気が付くと、地球上にゾンビがあふれていて、人間が少数派になってる、、という世界(何故アメリカ人はそんなにゾンビが好きなの?)もとい! ゾンビじゃなくてエイリアンに寄生された人間、なんですが、つまりはまっさらな人間は少数派という世界です。
なんちゃってSFなので、どうやってエイリアンが地球に来たのか、そもそも銀色のムカデみたいなエイリアンはどこの星から来たのか、地球に来る前の寄生生物はなんだったのか、どーでもよいです(爆)。

彼らエイリアンは、自分たちの事を地球の言葉で「Soul」と自称していて、首の後ろから入り込み、中枢神経にリンクして宿主(host)をのっとります。
Human は野蛮で凶悪だから、我々 Soul が寄生したほうが良いと本気で信じています。
Soul は善良で嘘をつかないし、暴力を振るわない、盗みをしない、、等々、ユートピアを形成しているのであります。

いや、だがしかし、大前提の、人間をのっとったってのは他人の体を盗んでるんじゃね? とか、嫌がる人間を捉えて寄生するのって善良なの? という疑問は置いといて(をいをい)、今日までなんとか逃亡生活を続けていた17歳の美少女メラニーが、寄生人間に捕まり、寄生されるくらいなら死んだ方がまし!と自殺しようとしたが失敗して、彷徨い人(wanderer)と名乗る Soul に寄生されるのが物語の始まり。

通常ならSoulが寄生すると宿主の思考は消えるのに、メラニーの意識は消えずに残り、wanderer に抵抗したり話しかけたりする。

この話を読むのに大事なポイント、「SF好きじゃない人の方が楽しく読める」。

そうなんです。なまじSF設定が面白いとか思っちゃうと、作者は全然その辺りを書く気が無いので、え、放置なの? とがっかりするんです。
メラニーに寄生した wanderer はこれまでに7つの惑星で寄生しているという長老のはずなんですが、なんちゅうか深遠な感じを受けず、彼女とメラニーの意識との頭の中での会話は30代女性と17歳の会話って感じなんですよねぇ。
それに愛する男と弟に再会する事にしかフォーカスが向かないので、ま、これは大変困難な状況に置かれた男女の、大変苦しいラブロマンスだ、という事なんですね。

残り3分の2を読むのがなぁ、、
愛する男 Jared(26) に全然魅力を感じないのが、最大の悩みっす(爆)。

このページの先頭へ
 1月22日

ロイス・マクマスター・ビジョルド「任務外作戦(上下)」

やっぱマイルズって最高!!(毎回そう言ってますネ)

よくあるプロットだと分かっていても、さすがビジョルド、ページをめくる手が止まりません。
登場人物たちの行動やセリフが、もうね、至福のロマンチックコメディです。

ロマンス本からマイルズシリーズに入った私は、マイルズを見るとジョージェット・ヘイヤーの「大いなるソフィー」を思い浮かべちゃうんです。
ハイなバイタリティー、恐るべき知略、有能すぎて周りが引きずりまわされ、終わってみると全てが解決しているが、喜んでいいのか怒った方がいいのか分からない(笑)。

もちろん、ソフィーと違ってコンプレックスの塊で自虐的でもあり、陰と陽のエネルギーが渦巻いているのがマイルズの魅力ですが。
で、今作、むっちゃいい所で登場するアラール&コーデリアは、あれです、あれ、閣下とレオニー、まるで「悪魔公爵の子」でした(笑)。

とうとうマイルズが前作「ミラー衛星衝突」で出会ったエカテリンをゲットします。と言っても、そこはビジョルドですからね。
胸がきゅんとなるシーンもあるし、相続争いもあるし陰謀もあるし、バター虫というクレイジーなサブプロットもあるし、アラール父ちゃんの涙もあるし、グレゴールの結婚もあるし、、

バラヤーは確実に変わってきています。
男性優位の封建主義社会のなかで、女性が目覚め立ちあがってくる姿が、今作のもう一つの柱ですね。
愚か者が山ほど登場するので、匙加減が下手だと「女性は賢く男性はアホばかり」になりそうなのですが、ちゃんとグレゴールやマイルズやイワンが要所を引き締めてます。
それでも、最後に私が思ったのは、、
「恐るべし、レディ・アリス・・・」でした。。^o^

このページの先頭へ
 1月26日

バラの根頭がんしゅ病について色々調べているのですが、対応に苦労してなんとか頑張っているバラ愛好家のブログは沢山ヒットしますが、農業研究者や生物系研究の情報がなかなか見つかりませんでした。
うーん、何もやってないのかなぁ、と思っていたところ、「自然土壌細菌を利用した植物根頭がんしゅ病防除法」というpdfがヒットしました。

そこで広島大学大学院先端物質科学研究科生命分子情報学研究室を見てみると、今はバクテリオファージによる青枯病菌の防除を研究しているんですね。

根頭がんしゅ菌を研究していた准教授は長浜バイオ大学バイオサイエンス学科/遺伝子生命科学コースに移動されたようです。
安心したことに、今も植物根頭がんしゅ病抑制細菌の機能解析研究を続けておられます。

さらに調べると、根頭がんしゅ菌 Agrobacterium tumefaciens についてはこのページが分かりやすいです。
http://archive.bio.ed.ac.uk/jdeacon/microbes/crown.htm

英語だけれど、図や構造式なども含めて説明がとても分かりやすい。

傷ついた根から出る化学物質に病原性菌は強い走化性を示し、傷口に足場を作ってプラスミドを根の細胞に移す。
Tiプラスミドに感染すると植物は自分では使わないアミノ酸由来の opine や特殊な炭水化物をせっせとつくる「根頭がんしゅ菌専用工場」になってしまう。
で、上のページによると、土壌にはAgrobacterium は多く存在するが、90%以上は病原性プラスミドを持っていない。
病原性菌は少数である。
だが、プラスミドは細菌から細菌へ移る事ができる。
この転移を促進するのが、根頭がんしゅにかかった根から分泌される物質 opine、というわけで、がんしゅにかかったバラの根は、病原菌を養うだけではなく、正常菌を病原菌に変えるのを手伝ってしまう。

果樹やナッツやブドウなど、バラに限らず換金植物の大敵だという事で、 今回わたしは初めて知ったのですが、がん腫の機構は随分昔に解明されてるんですね。
ガン腫を引き起こすのはプラスミドだという論文が1975年のNature に載り、オーストラリアの Allen Kerr 教授は、1977年に Tiプラスミドによる in vitroでの病原性転移の論文をNatureに発表し、その後アンチガン腫菌である K84 株及びその生産物、antibiotic, agrocin 84 を発見しています。

このアグロシン84ってのが面白い。
アデニンみたいな形をしていて、根頭がんしゅ菌が取りこむ特殊な糖と同じチャンネルから取り込まれて、DNA 合成を阻害するらしい。
近縁種を殺す仕組み、、、自然ってすごいですねぇ。

DNA Plant Technology (米)では果樹やナッツの木の根頭ガン腫対策のために、遺伝子組換えでTiプラスミドのセンスRNAやsiRNAを発現する系を作っているそうです。
ガン腫が出来て木が弱ると、多大な損失ですからね。

色々読んでみたけれど、いったん感染してしまうと、治療はほぼ無理なのが現状。
ただし、プラスミドにより形質転換した根細胞はカルス化するとして、プラスミドは根細胞からその隣へ隣へと移っていかないようです。
ある論文によると、「Agrobacterium tumefaciens を有傷接種するとガン腫は接種部位だけに現れ、決して他の部位に転移する事は無い」と書いてありました。
道管や師管にバクテリアが入って移動する、、みたいな事もバラでは無いようです。
つまり、根の一部が感染しても、病巣を取り除いて根を殺菌して土も新しくすれば、原理的には直る可能性があるわけです。

あくまで原理的。
感染している根細胞を100%取ること、100%殺菌すること、これが出来れば、の話。

だけれども、もし感染したバラを廃棄せずに様子を見るなら、まず、がん腫は取り除いた方が良いし、根を洗って出来るだけ除菌殺菌して、土を変えた方が良いのは確かでしょう

で、研究のアプローチを見ていると、結局土壌のなかに根頭がんしゅ病菌を抑える細菌やらアカンサアメーバが居るって事なんですよね。
となると、素人なりに、カニガラを撒くとか米ぬかを撒くのは、結構正しい対処なのかな。

あと、なぜ穀物が育っていた畑は Agrobacterium tumefaciens フリーなんだろう??
イネは田んぼだからかもしれないが、小麦やトウモロコシは畑やし。
単子葉植物は、挿し木とか挿し葉とか出来ない、形成層がない。それが Agrobacterium tumefaciens の居る居ないと関係があるってこと?
単子葉の根には感染できないから次第に栄養源が無くて消えてゆくってこと?
誰か教えてほしいわ~。

このページの先頭へ
更新の記録履歴へいく

ホームに戻る