the Immortals After Dark Series　を読んで気に入った作家さん。

ドラマが大きな流れのなかにあり、多彩な登場人物、過去の絡みあい、など
元々ヒストリカルの作家さんだというのが、よくわかる。
ヒーローがみな高潔で（下半身オバカではあるが）献身的で、ヒロインは頭の回転が速く
威勢がいいが、基本が素直ですがすがしい。

ユーモラスでテンポがよく、そのくせ、切ないツボを押さえているし、読んでいてとても楽しい。

さて、最初にこのシリーズを読んだのは２００６年８月のことで、「A Hunger Like No Other」を読んだ。
そのあと、２００７年に次の話「No Rest fot the Wicked」を読み始めてから、「A Hunger..」を読み返してみた。
それから慌てて、シリーズの一番最初の中篇「The Warlord Wants Forever」を読んだわけだ。

なるほど、登場人物（人間じゃないが）が多いので、何気なく読み飛ばしていた部分に
多くのとっかかりがあり、それが次の作品にちゃんと繋がっていた。
あのとき、あそこで、Nïx　と　Bowen　がこそこそしゃべっていたのは
そういうわけだったのか、とか
Forbearer　の将軍ニコライ　って、あれ、そんな関係をここに持ってくるのか、とか、
全作を読んでようやく、ニヤニヤ、ひっひっひ、
手際よく盛りこめられたお話の楽しさを味わった。

やられた、上手いなぁ。今では気になる登場人物たちの続きが読みたくて仕方なくなっている。

Lore　という摩訶不思議な世界の生き物たちは、現実世界で暮らし、人間と共存しているのに
人間たちは気づいていない、という設定。
主要な種族は、ヴァンパイア、ヴァルキリ、ライキーで、他に魔女やらゴブリンやらニンフやら
デーモン、グノーム、サイレン、なんでもあり。
先の３種族は敵対する関係で、これまで５００年に一度、大海蕭もといAccessionが起こり、
互いに殺しあう歴史を繰り返している。
だが、とりわけヴァンパイヤは邪悪な存在としてすべての種族から憎まれている。

彼らは基本は不死だが、頭をはねられると死んでしまう。
また、ヴァンパイア、ライキーは両性がいるが、ヴァルキリーは女性だけである。
ヴァンパイアに血を吸われてもヴァンパイアにはならないが、死ぬ寸前にヴァンパイアの血を
与えられると、ヴァンパイアになる。
生き物から直接血を吸わない者たちが近年現れ、彼らはForbearer　と呼ばれている。

つい最近まで、ライキーの王と、ヴァルキリの女王は、ヴァンパイアに捕らえられ拷問を
受けていたが、１冊目で、ライキーの王が逃亡に成功した。

the Immortals After Dark Series　の　主要な登場人物などの説明