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更新記録 2009年10月1日から2009年11月30日まで

10月 2日

このところ全くロマンス小説を読んでいなかったのですが、旅行直前になり、「買ったまま放置していたアレを読まずに死んだら悔しいじゃないか」と一冊手に取りました。
Judith James 「Broken Wing」(2008)

これは作者のデビュー作で、いくつかのレビューサイトで結構話題になりましたよね。
表紙絵は、むむ、ださいです・・・船が俺の血を呼ぶ!!っちゅうイメージを伝えようとしてるんですが。。。

プロローグは、をを、、、切ないです。一気に引き込まれます。文章がきれいで理知的(って、英語わかんないくせに偉そうだ>自分)
区分は一応リージェンシー。 ナポレオンが登場しているけれど、カレーからファルマスまで船で渡っているし、「アミアンの平和」中かな?それとももうワーテルローは終わってるのかな?

フランス革命前〜恐怖政治のどこかの時期に道端に捨てられた赤ん坊、それがヒーロー。
(まだ3章なので正確な年号がわからない)
大人たちに殴られ、弄ばれ、成長した今は男娼として絶望と自嘲の日々をおくっている。心に残る忌まわしい記憶の数々、、手首には白い線がいくつも、、、彼はリストカッターなんですね。

さらわれた弟を探し続けている英国貴族がいる。
5年前にこの娼館の女主人が買いとった少年(当時5歳)がどうやらそれらしい。
少年の兄と姉(ヒロイン)がやっとの思いで弟を探し出し、最悪な結果を覚悟して娼館に乗り込んでみると、弟は兄・姉の事は何も覚えていなかったが、奇跡的にも無垢のままだった。

少年を性暴力から5年間守ってくれたのは、ヒロインたちの前では冷然として露悪的な態度を取るヒーローだった。
ヒーロー、ガブリエルは家族という幻想を捨てきれない己を笑いつつも少年を守り通すためにどんな犠牲もいとわなかった。

というわけで、本当の家族が少年を引き取りに来た所から話が動き出すのですが、、ヒロインが人の気持ちをそらさないハンサムウーマンで、ストレートだけれど敏感で優しくて、こういう心に鎧をつけた傷だらけヒーローにぴったりに思えます。

といっても、本の厚さからすると幸せはずっとずっと先のようで、多分ふたりの前には艱難辛苦が雨あられなんでしょう。あぁ、どうか幸せになってほしい・・・

というわけで機内持ち込み荷物に持っていく事にします。

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10月5日ー11日

フランス世界遺産のツアに出かけ中です。

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10月12日

フランス世界遺産旅行から無事日本に帰ってきました!
日本は台風が来たんですってね!
大変だった方々に申し訳ないですが、ずっといいお天気でフランスを楽しんできました。
ざっと一気に書きます。

一日目(火)
シャルトル大聖堂でみた青いステンドグラスと黒いマリア様。
イヴリン・ヴォーンらの「マドンナ・キー」シリーズを読んで以来、ブラックマリア像に興味があったんですよねぇ。

青空に映えるモンサンミッシェル。干潮だったので干潟が有明海のはぜ漁を連想(爆)。
遠くから見るほうが素敵かも・・
カルカソンヌと同様、中世の世界ですねぇ。
ピエタ像の首が、というよりむしろ首が無いのが生々しかったです。

海賊の根城だったサンマロ。パイレーツグッズが沢山売られていて、心惹かれました。

二日目(水)
ロアール川流域の古城めぐり
シュノンソー城の見学とシャンボール城は外からだけ(ここがホンマ残念でした)
シュノンソー城も、もっと遠くからゆっくり見たかったのに中のお部屋をまわっていたら時間がおしてしまいました。

三日目(木)
フォンテーンブロー宮殿。豪華だけれど抑制があって愛らしいです。
ベルサイユ宮殿は前日ストだったので心配したけれど、無事スト解除。バカバカしいほどでかくて豪華絢爛で派手で、見上げてばかりで首が痛くなりました。

フォンテーヌブローを愛したってだけで私の中のナポレオン株が上がりましたよ。

とにかく圧倒される王の権力。贅沢のきわみ。

夕方5時にパリに着いたあと自由行動。
木曜日はオルセー美術館が9時半までやっているのでオルセーへ。
まずは腹ごしらえ、オペラ大通りのブラスリーでロゼ2杯とタジンを頂く。

実はツア中の食事が全然ダメでねぇ。
フランス人って日本人より唾液の分泌が多いに違いないとツア参加者全員が口にするほど、ぱさぱさしてるかクリームがもたついているか、どちらにしろ水分が少なくて、野菜が無いっていうか、味も私にはしょっぱくてうんざりだったんです。
3つ星レストランに行けば認識が変わるんだと思いますが、普通の朝ご飯、昼ご飯なら絶対日本の方が美味しいわ。旨みと湿り気が無いんですよねぇ・・・

で、タジンはモロッコ料理だけど、これまでで一番美味しかったです(笑)。
ツア中に親しくなった女性4人で一緒に食べたんですが、ほかの人が頼んだ肉料理はみなステーキ(肉の部位はそれぞれ異なる)と大量のフライドポテトでした。

オルセーは大満足!平日の夜に安い値段で美術館を開けるのっていいですね。

4日目(金)
自由日なので、前もって日本でツアを申し込んでいました。
午前はルーブル半日ツア。
無茶苦茶効率よく有名な作品を全部見ました。

一番ショックだったのは・・・なんと!フェルメールが帰ってきてました(笑)。
あんなに苦労してみたのに、わははは、がらんとした部屋でのんびり見れました。

混んでいるのはモナリザの前だけですね。

解散したあと、もう一回気に入った絵のところに戻ったりして、ルーブルのカフェテリアで昼食。おおお、久しぶりにサラダを食べました。
セルフサービスでサラダ3.5ユーロで取り放題。カマンベールチーズとパンとサラダとジュースで9ユーロくらいかな、水分補給できて大満足。

午後はパリ市内を電気自転車でまわるツアへ。

これが超快適!!
日本の電気自転車と違い、ペダルをほんの少し踏むだけで勝手に走るんです。ほとんどこぐ必要無し。車両と同じ扱いなので道路を走る。大通りはビビリましたが、セーヌ川沿いは自転車専用道路があり、びゅんびゅんと風をきりました。

ルーブル〜パレロワイヤル〜ボンヌフ橋〜サンジェルマン〜 パリで一番古いカフェや普通なら絶対に入らない小さな修道院や素敵なアパルトマンの庭などを巡り、パンテノン、そしてサン・シュルピス教会。
この教会、自分でも行きたいと思っていたのですが、行く予定の美術館達とは方向が違うため、行くのは無理かもと思っていたのでとっても嬉しかったです。
ドラクロアのフレスコ画(天使と戦うヤコブ)があるんですよね。
映画「タンゴ・レッスン」を見て以来、この絵を見たかったの。

そこからぐるっとパリをまわりエッフェル塔まで行って、ヴァンドーム広場に戻り、、
ツアが解散したのは6時50分。

解散してからポツリポツリと雨が降り出し、見る見るうちに土砂降りに。
自転車をこいでいる時じゃなくて本当に助かりました。

夕食はまた女性4人組で待ち合わせして、別のブラッスリーに行ってみました。お店特製サラダと白ワインを注文。生ハムがしょっぱくてサラダのドレッシングがべたべたしてて、、付け合せのパンばかり食べてましたが、夜のルーブル(金曜は10時までやっている)に戻らず結局しゃべり続けてしまいました。

5日目(土)
自由日。
ホテルの朝食はパスして、ひとりシテ島へ。
今回の旅行でも必ず持って歩いた「方位磁石」。
これ、本当に役立ちました。
シャトレという地下鉄の駅はとても広くて出口が沢山あるんです。
一番南の出口から出た方がシテ島に近いので、磁石をちら見しながら地下街の通路をくねくねと歩き、まさにシテ島へ渡る橋のすぐ近くの出口に出ました。

橋が3本あり、どの橋を渡ろうか、と道路掃除しているおじさんに
「エクスキュゼモア ジュブドレザレア サンショペル」
たぶんフランス語の部分はほとんど通じていないけど、サント・シャペル教会に行きたいって事はちゃんと伝わり、「あの橋だよ、あの建物の向こうに見えているのがサンショペル教会だよ」と、あなたのフランス語は分からないけど言ってる事がわかる、お互いがそう思ってる会話でした(笑)。

サンショペル教会はステンドグラスが見事なんです。
でも開くのが9時半なので、まず通りにあるカフェで「ボンジュール、カフェオレ、シルブプレ」を手振り身振りで。

他の人がクロワッサンを頼んでいたので、わたしも欲しいと手振り身振りで。
お店の写真を撮ってもいいか?と本に書いてあったフランス語で聞いてみると、「お前の言ってる事はわからん」と英語で言われました(笑)。

フランスに来て思ったんですが、ほとんどドコでも英語でOKなんですよねぇ。
フランス人は英語を話さないって昔は聞いたけど、こちらが地球の歩き方マル覚えのフランス語で話すと、すぐに英語で聞き返してくる(笑)。
たまに「こんにちは、わたし日本語話せます」とか言われちゃうし、、

モンサンミッシェルのお土産売り場で「ジュ・ヌ・パルル・パ・フランセ(私はフランス語が話せません)」の正確な発音とかを日本語ぺらぺらの店員さんに教えてもらったりしました。

さて、ノートルダム大聖堂(ミサを行っていました)とサント・シャペル教会をまわった後、地下鉄を3つ乗換えて「ロダン美術館」へ。
ロダン美術館は庭園が美しく、花々が咲いている庭にも彫刻が置かれているので、庭だけでも楽しめます。もちろん館内も素敵でした。
ロダンの作品だけでなく彼が所蔵していたゴッホやルノワールの絵も飾られています。

そこから歩いてナポレオンの墓所と軍事博物館へ。
これが広くて広くて・・・
ナポレオン時代のフランス陸軍の制服とか武器とか、書籍売り場が離れがたかった・・

地下鉄で次に向かったのはギュスターブ・モロー美術館。
腹ごしらえは中華料理のテイクアウト店。
たった5.5ユーロでこれが今まで一番美味しかった。
旨みと汁気があるんだもん(笑)。

モロー美術館は圧巻、圧巻。
書き出すと長くなるので別の機会にするとして、本ばかり買うので荷物が重くなり、いったん帰ることに。

オペラ座の前の階段に座り、大道芸を見たあと、スーパーのモノプリへ。
棚になにやらフランス語で書いてあるのをじっとみて、近くにいたマダムに
「エクスキュゼモア、ヴ・パルレ・アングレ?」英語話せますか?
大丈夫だとおっしゃるので、これ何て書いてあるんですか?と聞くと
「二つ買ったら、二つ目は半額だって書いてあるの」

というわけで、そのマークがついてる紅茶とかコーヒーとかチョコレートを買いまわりました(笑)。

ホテルに戻り荷物を置いて再出発。 5時半ですが晴天で明るいです。
モンマルトルでワイン祭りをやっているとの事で、行ってみました。

ものすごい人手。紅葉の清水寺か元旦の八坂神社か、人、人、人、坂道、階段を埋め尽くす。金・土・日の三日間、ワインの収穫を祝うお祭りらしいです。
てっぺんのサクレ・クール聖堂でミサが行われていました。
入り口で1ユーロ寄付すると、寄付集めの神父さん?が「あなた日本人ですか? ありがとうございます」日本語上手ですね「もう随分忘れました、一橋に4年居たのですが」だって。

世の中狭くね?

ワイン祭りは最高。各ワイン業者がテントを出していて、ワイン以外にハム、チーズ、ソーセージ、チョコレート、クレープ、その他もろもろの屋台が出ている。ワインは小さいコップ一杯2ユーロ。あれこれ飲み比べて、つまみを食べて、、ほろ酔い気分に。

ロンドンからユーロスターでパリに来たという日本の若いお嬢さんとたまたましゃべって、晩ご飯をモンマルトルで食べようと、下山?しました。混んでいたけど道のテーブルが一つ空いていたブラッスリーで、私はまたしてもタジンを(笑)。

ここ、美味しかったです。昼の中華料理に匹敵する美味しさ。
英語メニューは無いの?って訊くと、おいおい、俺らをバカにするなよ、そこらの観光地用レストランとは違うんだよ、って言ってました。
といってもギャルソンは英語ぺらぺらで、上記のやり取りは全部英語です(笑)。

店の外のテーブルで夜の10時過ぎまで食べて飲んでしゃべって。
寒くなくて本当についてました。

そのお嬢さんはシャンゼリゼのモノプリに行くというので、私とは地下鉄の方向が違い、モンマルトルでお別れ。お祭りなので人が多くて別に恐い事もなく無事11時過ぎにホテルに帰ってきました。でもワインを4杯くらい飲んだので私はかなり酔いがまわっていて、よくぞ無事に帰ってこれたものだと。。。

6日目(日)
帰国日です。
午前は自由なので、オランジェリー美術館に行きました。
教科書やテレビで見た名画がふんだんに壁にかかっていて、しかもこれが個人所有だったというのが驚きですね。
のんびり鑑賞した後、ルーブルまで歩いて、最期にまたルーブルを。

あっという間の一週間で、予想以上に好天に恵まれ、ツアの人とも仲良くなり、自由時間も満喫したツアでした。
お土産が異常に重くて、エコノミークラスはひとり20kgだと言われたのですが、スーツケースの方が20kg。もうひとつボストンバックが10kg。これに手荷物バッグが2つ、、
足は疲れ、腰や肩は痛み、当分旅行は結構、という気分ですが、さてどうでしょう。

侯爵君に嫌われちゃったのでは、と心配していたけれど、まあ大丈夫なようで、いつもの職場からの帰宅と同じように迎えられました。ほっ。。

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10月17日

フランス旅行おみやげ編だけ書きました。

夜の8時に帰国し、翌朝から仕事の日々が普通に続いたので、ほかは全然整理できていません。写真も撮ったはいいけど、どこの何なのかさっぱり・・・(爆)

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10月18日

旅行する前は地名も知らなかった「サンマロ」で買った絵葉書。
船の絵が物珍しかったから買ったのだが、帰国後ちょっと調べたみた。

美しい帆船は「La Boussole」(羅針盤)という。
左上の人物はジャン・フランソワ・ド・ガロ・ラ・ペルーズ伯爵。ルイ16世の命を受け、1785−1788年の大航海を行った人。

この小さな絵では判別は無理だが、上部にはオレンジ色で航海経路が描かれている。 南米をまわって北米、それから太平洋を渡ってマカオ、そして北上して日本海、アラスカ、南下してオーストラリア、、オセアニアで消息を絶ったが、40年後デュルヴィル海軍大佐(当時)の指揮するアストロラーベ号が遭難場所を発見(このアストロラーベ号とデュルヴィル提督の絵葉書も買った 爆)

宗谷海峡は日本呼称で、国際的には1787年にここを通過した彼の名にちなんでラ・ペルーズ海峡(英語:La Perouse Strait)と呼ぶ事を初めて知った。

宗谷岬平和公園には「ラ・ペルーズ顕彰記念碑」 が建っているそうだ。

先ほど書いたデュルヴィル大佐はトルコからミロ島で発掘されたヴィーナス像を買った人で、この功績で大佐に昇進したそうだ。3本マストの美しいアストロラーベ号は「天体観測儀」という意味。

面白いのはこれ。

Robert Surcouf ロベール・スルクフ(シュルクフ)(1773-1827) この人の事も全然知らなかったが、サンマロが生んだ英雄 Roi des Corsaires ("King of Corsairs") 海賊王と呼ばれた人だそうだ。

写真は細長い絵葉書の上半分だが、絵葉書に書いてある名前「 La Confiance 」という18門コルベットは、ウィキによるとベンガル湾における英国海軍との戦いで火力・人力ともに3対1という劣勢の中勝利をもぎとった船である。 絵葉書の右のほうにその戦略が描かれている。
彼の戦いっぷりは生ける伝説となり、当時彼の首には500万フランの賞金がかかったという。

記録して残っている限りで47隻もの船を私掠したそうで、ものすごい大金持ちになり、ナポレオンも彼に軍資金を借りたそうだ。

彼が残した有名な言葉。
* Discussing with a British officer:

"You French fight for money, while we British fight for honour."
"Sir, a man fights for what he lacks the most."

「貴様らフランス人は金のために戦うが、我々英国人は名誉のために戦うのだ」
「人というものは自分に欠けているもののために戦うのでございます」

大笑い!

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10月27日

ずいぶん間があいてしまいました。

旅行に持参したJudith James「Broken Wing」(2008)は、前半を読み終えたあと、後半を飛ばしてラストをちょっと見ちゃったのが失敗の元で、「えげげ〜っ、こういう話になるのか〜、ちょっと好みじゃないかも〜」とただ今放置状態。
当初アン・スチュアート系ダークヒーローかと思ったヒーローがそれほどダークじゃなくて、めそめそ君なんですよねぇ。
自分は人に愛されるに値しない、自分は汚れている、ヒーローの自己憐憫ぶりを Mrs. Giggles が非難してるけど、確かに羽をもぎ取られ手を血で染めた天使っちゅうイメージがちょっとくどいと感じる。
ヒーローは語学、楽器演奏、剣に乗馬、やればなんでも出来るのに、自分は男娼としての価値しかない、と繰り返す。
ヒロインは実に良くできた女性で菩薩さまで、嫌いじゃないけど現実味が乏しいかも。。

テレメアの2番目Naomi Novik「Throne of Jade」もあとちょっとで読了、という所で放置状態。
どうしても英国空軍・海軍の視点が好きになれなくて、対ナポレオンだけを考えればよいリージェンシーロマンスだったら気にならないのに、同じ時期でも対中国、対アジアという局面になると、イギリス人ってなんて失礼で傲慢なんだろうと、読んでいて腹がたってきちゃって。。。

ほかに読んだのは、佐藤賢一「英仏百年戦争」。 わたし、この本読むまでリチャード獅子心王とか失地王ジョンとか、深く考えずにイングランド人だと思っていたんですけど、実際はフランス人で、フランス人同士の領地争いなんですねぇ。

ベティ・ニールズを3冊。「星は見ている」「ドクターは御曹司」「赤い薔薇とキス」。
お約束設定ですけどどれもいたく満足。自分に自信のない長身看護師ヒロインと家柄良し顔よし地位よしドクターヒーローは、例えていうなら学校で人気ナンバーワンのカッコいい男子に「学園祭の執行部」に誘われた善良で生真面目だけど冴えない女生徒って感じ。
「一緒にやろうよ」と強く誘われたから、ドキドキとして「なんでわたしを?」と聞くと、「彼氏とかいるとデートとかあるから放課後残ってくれないけど、○○さんはそういうのが無さそうだし」

もちろんヒーローはヒロインに一目ぼれしてるんですけど、ヒロインを怖気させないようにわざと素っ気無く振舞う、っつっても素っ気無さすぎの唐変木です(笑)。

メアリ・バログ「ただ愛しくて」
H/Hの話は良いんですけど、脇役が多すぎて面倒でした。しかも、H/Hの部分でいかに深刻な話になろうとも、脇役たちが理解ありすぎて不自然なくらい引っかき回さないので、シリアスなのに軽いという微妙な感じ。
バログにはもっと噛み応えのある話を書いて欲しいと思ったり。。

ヴァイオレット・ウインズピア I-8「アンダルシアにて」(1982)
古い本ですけど、もうもうもう、良いですわ。。
胸をかきむしる、とか、グラスを握りつぶすとか、階段から転落する、とか、すべてがドラマチックでかつ生々しい。愛と背中合わせの怖れ、これがこの本の主題ですけど、暗いうずに巻き込まれたように容赦なく引き寄せられ、もがいてのたくって、真に迫ってます。
こういう話ってイマドキのロマンス本には無理なのかしらねぇ。

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10月29日

読んだのはエリン・マッカーシー「そばにいるだけで」

出来のよいデザイアかテンプテーションを読んだ気になります。
整形外科研修医ヒロインと指導医ヒーロー。医療ドラマとはいえベティさんより医療場面は少ないかも(笑)。
自分探しや過去のトラウマからの脱皮やら、地道なテーマとホットなあれこれをバランスよく配合。新刊で買うのはちょっと躊躇うけれど、半額なら絶対買い!ですね。

ローズマリー・ハモンド I-615「言えない言葉」(1990)

どっかーん!!
やられんました・・・・

ストーカーゴリラなヒーローに、胸がきゅんきゅんいたします。
ぎりぎりの所で無理強いをしないので、ストーカー行動ではあるけれど許せます。こんな強烈に「愛を請う」ヒーローにほろっとこない人がいるでしょうか。

ヒロインの気持ちがぐらぐら来る過程の心理描写も秀逸。理屈じゃない怒りや嫉妬も、わかるなぁ〜。。

この作家さんの本を読んだのは初めてですけど、昔のHQはあなどれませんねぇ。

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11月 1日

嵐のPVクリップ集DVDや特番を見るのに忙しくて・・・(爆) 

読んだのはマージョリー・M・リュウ「虎の瞳がきらめく夜」(ヴィレッジ)

鋼の細工師ヒロインが、北京の市場で押し売りされた小箱を開けると、ランプの精ならぬ小箱の虎、シェイプシフターのヒーローが現れる。2000年以上昔、まだ地上にシェイプシフターたちが闊歩していた頃、妖術師に呪いをかけられ、小箱の奴隷となってしまったヒーロー。。

うむむ〜、、RTの2005年パラノーマル・レビュアチョイス?
作家としての将来性は強く感じるけれど、美点と欠点が相殺して3.5ってところじゃないかなぁ。

わたしが思う問題点は、
1)プロットが甘い。つじつま合わせを読者がやらないといけないし、気を回して読んでもつじつまが合わない。
妖術師がかけた呪いをどうやって解くのか、と読者をひっぱっておきながら、解く方法が実につまらない。虎の皮を遠いジャングルで探さなきゃだめなのか?!と前振りはよかったが、皮は呪いとは関係なかったんだ、とか、結局は妖術師と対決して両方死ぬしかない、とか、愛が呪いを解く「美女と野獣」的定番とか、肩透かしの上に新鮮味がない。

妖術師はなぜヒーローを2000年前の最初は利用しようとせず、今頃になって捕まえようとしてるのか。 きっと最初はヒーローを奴隷の境遇に落として屈辱を与えた事で満足していたのだが、呪いが自分自身にもふりかかっている事を発見して、ヒーローとの間に出来たつながりを絶つためにヒーローを探していたんだろう。 でもなんで2000年もかかったの? 妖術師が探し続けていた、っていうエピソードは、娘を作りまくった、というエピソードしか無くて、あまりにバカバカしい。

2)マジック要素が精彩に欠ける
超能力集団のダーク&スティールの面々は実にキャラがたっているのに、重要キャラである虎ヒーローと妖術師に関しては、際立った魔術感が無い。
虎のシェイプシフターであるヒーローに、虎らしい野性を感じない。目が金色って事と素早い動きって事くらい? 彼はシェイプシフターである要素と2000年という歳月の要素を持っているはずなのに・・・

本来なら敵キャラとして生き生き描くべき妖術師が最低につまらない。
登場した時点ではぬめっと存在感があったが、それ以降はただの脇役。
妖術ではなく、薬物注射で誘拐したり手錠をはめたり。万能なのか非力なのか?こちらも2000年という歳月と、妖術というパワーの持ち主のはずだが・・・

3)語句の形容が仰々しすぎる。
まるで作家志願のIQが高くてませた小学生の作文のように感じる。

素直にダーク&スティール社の物語を書けばよいのに、無理やりシェイプシフター物を書いたのが間違いだったのでは? ま、虎男くんの方が売れるってのがあったんでしょうねぇ。。

「とにかくひどい奴なんです」「とにかくひどく辛い経験をしたんです」「とにかく恐ろしい力なんです」「とにかく美しいんです」「とにかく心が綺麗なんです」「とにかくソウルメイトなんです」「とにかく今後のダーク&スティールシリーズをお楽しみにしてくださいっっ」
かいつまんでいうと、こういう物語ですね(爆)。

さて続編の「Shadow Touch」(満身創痍ヒーロー、アルチュールと、癒しの手ヒロイン、エレーナ)はざっと見回すと評価が高いみたいなので楽しみにいたしましょう。

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11月 3日

ぼやっとしてる間に、ナリーニのチェンジリングの新刊発売日となった。

eBookを買うならココと、ずっと利用していたfictionwise は Barnes & Noble 社に吸収されてから変わってしまい、版権?販売権?しがらみにがんじがらめとなった。
ダウンロードするのに地域もあるかいっ! と言いたいが『地域制限』ができ、ガバルドンの最新刊5割引セール(ただし北米のみのダウンロード)とか、ナリーニの新刊予約北米のみ、とか、クレジットカードの番号で地域を判別されて『日本は購入不可』となるのだ。
DVDにリージョン1や2があるように、eBook販売にも何か大人の事情があるようで、窮屈な世の中になりつつある。

fictionwiseは割引率がとても良いし、購入者の評価が見やすくて参考になる書店だったが、別のオンライン書店に移る事にした。今回購入したのはDiesel eBooks という所。

7巻目、Nilini Singh「Blaze of Memory」(2009)

4巻で登場した Forgotten 絡みなので、このシリーズを読む人は記憶力が良いか、eBookじゃないと細部まで思い出せないんじゃないかなぁ。
eBookの場合は(というか私の場合は)、思い出すんじゃなくて「Devって誰やねん?」とか、「xxってどこで出てきたっけ?」と検索し、、ははは、、
eBookは若者よりも年寄りに向いているという新発見(汗)。

読むのはこれから、であるが、ぼやっとしていたら、Kresley Cole も短編を10月21日にリリースしていた事を発見。
ヴァンパイヤ兄弟のMurdoch の物語? どーしよーかなぁ。。

もうひとつ、昨今の翻訳ラッシュに作家名だけはチェックしていたつもりが、Angela Knight アンジェラ・ナイトも翻訳されていた事にびっくり、全く気がつかなかった。
ヴァンパイヤやwerewolf、妖精、あれこれ入り乱れるMageverseもの2冊しか読んでいないが、読ませるストーリーを描ける作家さんなので、もしかしたら長編も翻訳されるのかな。。とはいえ、パラノーマルものはもう飽和状態かな。

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11月 5日

ナリーニの書き出しの上手さに舌を巻く。
読み始めた途端、緊迫したドラマに夢中になってしまう。

これがあの子供? 1巻目で Councilor の Shoshanna&Henry Scott夫婦が言及していた子供?

1巻でちょろっと漏れた思わせぶりなセリフ、呆れちゃいますよね、7巻になってやっと意味が分かりそうです。

Changeling シリーズを読みつつ、ただいまローズマリー・ハモンド集め中なので、こちらも。
I-285「日々の愛」(1986)
うわ、、、いわゆる契約結婚モノだけど、きりきりしくしくうずく痛み、、これも好きだわ(爆)。

「言えない言葉」よりは控えめだけれど、ヒロインの心の移ろいがしみるように分かる。 知性ある大人の女性、心のうちを誰彼にしゃべる事はしないで、ぐっとためこむうちに、心の糸がもつれて、もつれて、、
彼女の勝手な思い込みというより、誰だってそう考えちゃうよねぇ、と理解できるもつれ方。
そして、もがきながらも現実的な行動と意味づけをしようとする所とか、すべてひっくるめて勇気ある行動をとろうとする所とか、、自分でも同じような行動をするだろうと思う非常に冷静な視点(これがハーレクインではありそうで少ないから面白い)と、自分では出来ない「ハーレクインならでは」の部分があって、、よござんした。

ヒーローは、、あ、、読み終わってから気付いた。
あらま、上院議員だったわ、、
まさにセオリー通りのパッショネート・ポリティシャンだった。
ヒロインに照準を合わせてからは、いつ爆発するか分からない弩パッション爆弾を胸にしまって、追う、追う、追う!(冷静に考えたらひどい奴なんだが、ま、恋するヒーローにモラルを問わない 爆)
この作家さんの描くヒーローは、なんちゅうか、すがりつくような暗い執着を灰色の冷たい鎧で抑えてる、非常に動物的でアンバランスな危うさが魅力。

ってことで、保存本としてpdfにいたしましょう。

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11月 8日

ローズマリー・ハモンドの本を2冊読んだが、残念ながら凡作。
I-591「恋のタッチダウン」(1990)、I-698「復讐は甘く切なく」

でも、もうちょっとハモンドの本を集める予定(笑)。ロマンス本なんて似たり寄ったりに決まっているのに、たまにキラリがあるからつい探し続けちゃうんですよねぇ。

Nalini Singh「Blaze of Memory」(2009)読了。

ふぅ。。前作は山ほど小道具を並べたが、今作は Psi と Silence にテーマを集中させた。シリーズを通じての緩急づけが上手い。

3巻以降何度も登場人物たちに言わせている「救いとしてのSilence」。

Forgotten というPsy社会から歩み去った者たちが直面する問題。
まるでPsy社会の動揺と歩調を合わせるように、Forgotten社会も揺れている。 強い能力をもった子供たちの誕生、テレキネシスをコントロールできず、誰かを傷つけるのではないかとおびえて部屋に閉じこもる少年、怒りにかられ妻を殺してしまった夫、、

感情を捨てたらたとえ幸せでないとしても絶望せずに暮らせる。
犠牲者を出しても理想のために戦い続けるのか、、、自由意志でSilenceを選んでもいいのではないか、、

Forgotten を組織する中心的存在のShine財団のディレクターDevの肩には責務がずっしりとかかっている。

そこにまた一つ苦悩が。

Devの家の前に、拷問の痕もむごたらしい衰弱しきったPsy女性(ヒロイン)が投げ出されていた。 彼女はCouncilor Ming によって心を刻まれ、深部にDevを殺す暗示を刷り込まれたEkaterina、5巻でAshayaの逃亡を助けたM-Psyだ(Ashayaが逃亡したあとMingに捕らえられ監禁拷問を受けた 涙)。

Forgotten の情報を盗み、Devを殺すために用意された「トロイの木馬」である事は明白だが、餓死寸前で傷だらけの彼女を助けないわけにはいかない。それが人間というものだ。。

拷問・洗脳から必死で立ち上がろうとするヒロイン。
何かの言葉や行動が引き金になるサスペンス。
どこまでヒロイン自身の意思なのか、どこまでヒロインを信じられるのか・・・

ロマンス部分は辛め好きに人間にはやや甘ったるいが(ぞっこん)、ストーリーは絶好調。
(ただし3巻Juddの話を読んでいないと面白さが弱まるかも)

なんと、Ming の親衛隊 Arrow に驚くべき新展開がっ!

一方、前作6巻で登場したアレコレは新展開なし。Human Alliance、PurePsy、Psyを無力化する薬、謎のナノテク企業、、今後どんな風に絡むんでしょうね。

次作は人間のシリアルキラーを追うPsy女刑事と人間刑事のロマンスなんだが、うーぬぬ、どこがどう繋がるんだろう、、気になる。。

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11月10日

ロマンスミニレビューを9ヶ月ぶりに更新。
この間に読んだものの中では、作家別に独立させなかったがエリザベス・ボイルやSEPの「あなたがいたから」はとても良かった。

Joan Wolf「The Guardian」を読了。

この作家さんは何と言ったらいいか、時代を間違えて生まれてきたんじゃないか、と思えるほど昔っぽい。慣れるまで辛抱強く付き合わないとなかなかお話の面白さにたどり着けない。オースティンのドラマのように、ジェントリー社会の日常が隙間なく詰まっていて、多くの人物があれこれ自分のこと家族のこと日常のこと社会のことをしゃべるので、ページを飛ばしたくなる時もある(っていうか、飛ばした 爆!)。

だらだらしてて切れ味が鈍いように見えるが、それは見せかけで、実際は鋭い人間観察とセリフで意表をつく。

話は全然似ていないが雰囲気としては、ジョージェット・へイヤーの「素晴らしきソフィー」が好きならこの作家さんに向いている。へイヤーが退屈だとこの作家さんも退屈だと思う。

夫(伯爵)が落馬で死亡し、ヒロインの4歳の息子の後見人に夫の弟が指名された場面から始まる。そうそう、ヒロイン一人称の物語だ。
ステファン(夫の弟)は5年前からジャマイカのサトウキビ農園にいる。

ヒロインの館には夫の叔父や叔母、いとこなどが一緒に暮らしていて、半島戦争から帰ってきた従兄弟や金策に走っている従兄弟や、他にも領地内の人々のアレコレ、狐狩りの馬に農地を荒らされそうになった小作人や、狐狩りのクラブの料金のことや、とにかく今時のロマンスだったらこんなに延々と語られるわけがないってくらい延々と人々の暮らしが語られる。
それと並行して、ヒロインとステファンは幼い頃からのベストフレンドで長じてからは恋人になっていることが明かされ、、
ヒロインの息子が実はステファンの子であった事など誰もが予想することだが、Ms.Wolfはそこに巧みなヒネリを加え、えっ!そうきたか・・・

表面上は平和にみえていた暮らしが、一皮剥くと叶わぬ思いや妬みや欲や、人間くさい感情に溢れていた事が次第に明らかになる。
これが現代小説なら「壊れゆく家族」をシニカルに描くのかもしれないが、リージェンシーロマンスなので、苦々しくも穏便に解決してハッピーエンドになる。
とはいえ、ちょいと物悲しい気分にもなるので読後感が良いと言いがたい。

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11月12日

時々無性に痛い目に遭いたくなる(爆)。
Cheryl Reavis を読むなんざ、まさにそういう時だ。

HH-319「The Bartered Bride」 (1996)
ばかげた言いがかりのせいで上手くいかないのではなく、「こんな困難なシチュエーション、どうやったら上手くいくの?!」と読んでいる方が思ってしまう程しんどいシチュエーションの中に主人公たちを置いて、生真面目に不器用に関係を模索するから、なかなかふたりの間が上手くいかない。

誰だって人に言いたくない事を抱えているし、感情を表現するのが下手な人間もたくさんいる。世の中には楽天的な性格の人もいれば悲観的な性格の人もいるし、どんなに苦しくとも「苦しい」と言うくらいなら舌を噛んだほうがましだと考える人もいる。

舞台は南北戦争末期、ノースカロライナ、ドイツ人入植農民が多く暮らす村、ヒロインは兄、弟と小さな農地を切り盛りしている。彼女の一家はドイツ系ではないが、妹が隣家のドイツ人(ヒーロー)と結婚した。

妹は女の子2人を産んだ後、妊娠しない方がよいと医者に言われたが、3人目を妊娠し、結局難産で赤ん坊とともに一年前に死亡した。

ある日ヒロインは兄から隣家の男と結婚する事を命じられた。ヒロインがまるで家畜であるかのように、対価として土地のやり取りの約束まで交わしたようだ(題名が売られた花嫁ってとおり)。

ヒロインは妹の結婚生活(絶え間なく小姑が嫌味を言う)および死について、ヒーローを心の中でずっと責めて憎んでいた。そもそも、ヒロインは不和だった両親の結婚生活、粗暴で無教養な兄との暮らし、なにもかもが苦々しく、村の学校の教師のように堆肥や家畜の匂いがしない知的な男性にずっとあこがれていた。。

体は大きく粗野にみえる、働き者の農夫で無口な男。
レビスの「コヨーテのいたずら」のルーカス巡査や「リトル・ダーリン」のマットと同じ、たたき上げ・ブルーカラー・抑制された怒り系男性。 こういう男を描くとほんま上手いんだよねぇ(っていうか、わたしのツボなんだろうか?)
過去に受けた裏切りの傷が今も痛み続けている男、ヒーローは図体はヴィンセント・ドノフリオで性格はたまにカッとする高倉健、ってトコ(なんじゃそれ?)。

リンダの「ダンカンの花嫁」や昔のダイアナヒーローと同じく、「自分が犯した罪ではない罪を責められる」ヒロインという構図があるが、シェリル・レビスヒーローはさすがにダイアナヒーローほどおおっぴらに理不尽ではない。とはいえ、心の奥で固くなったしこりはなかなかほぐれない。
一方、リンダやダイアナと違い、レビスの場合はヒロインにもここには書かなかったが大きな負い目があり、、いやはや、もうもう、始末が悪い。

小姑(同居しているヒーローの妹)の意地悪な嫌味が、ただでさえ難しいH/Hの生活を最悪なものにする。
婚期を失っている不器量なヒーローの妹にも同情の余地はあるが、何もかもが悪い方に行く。。

本を読んでいる途中何度も「一体どうやったら本当の幸せにたどりつけるんだろう」と自信がなくなってゆく。
傷ついた人間が余計に意固地になってゆくのを見て、悲しくなる。

ヒロインの秘密、ヒーローの秘密、戦争の激化、、兵士として村の男たちが強制徴兵されてから物語は大きく動き出すが、なかなか一筋縄ではいかない(かば!かば!)。

全身全霊をかけて愛するほどの強い愛を最後にみれる幸せ。
ハッピーエンドがまじで嬉しかった!(笑)

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11月13日

Super Librarianに書いてあったことだが、リンダ・ハワードとメアリ・バログの新刊ハードカバーが200前後ページらしい。
薄っ!!

どこの出版社も経費削減のために字を小さくしたり行間を詰めたりしてページ数を抑える傾向という。

冗談でなくフォントを自由に拡大できる eBook のほうが読書に快適な時代になりそうだ。

Super Librarian は時々読みに行くサイトだが、ブログオーナーがカテゴリーロマンスにも素晴らしい作品がある事を力説するベテラン図書館司書さんである点が嬉しい。
ハーレクインやラブスウェプトなどシリーズロマンス本を集めて目録やカテゴリー分類を備えた図書館を作りたいと書いていた。
このままだと古いロマンスペーパーバックは時間とともに消失してしまうのではないか、と気にしている。

日本に限って言えば、ハーレクインやサンリオ等の全作品が揃っている図書館はないのではないだろうか。

わたしが大学生だった頃、京都の一乗寺に私設のマンガ図書館があった。とあるマンションの一戸を改造して若い夫婦が自腹で運営していたが、財政的にたちゆかなくなり閉鎖となった。
膨大なマンガはご主人が子供の頃から集めたものだが、彼は耳が不自由でマンガが最高の友達だったという。
収集された漫画本には希少なものも多くあり、少年少女から大人の劇画まで多岐にわたっていた。コレクションが散逸しないよう、買い上げてもらえないか、と自治体や学術機関に支援を呼びかけていたが、色よい返事がもらえなかったようで、その後ご夫婦がどちらに行かれたかも知らないし、マンガたちがどうなったかも知らない。

今では国がマンガ図書館を作ろうかという時代だが、30年前にはマンガなんて文化とも見なされていなかった。

古本屋でハーレクインの白Rを見かけなくなって以来、せめて表紙絵だけでも残しておきたい!と、せっせとネットで画像を集めては保存しているのだが、例えば100番までの中で52番の「僧院のジュリアン」だけ画像が見つからず、「読むつもりは無かったが買うしかない」なんて自腹を切ったりする(笑)。

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11月15日

記録し忘れていたSusan Carrollをアップロードしようと、「The Brighton Road」 などを再読。あらら、初読の時もツボだったけれど読めば読むほどよいわ。
タイミングの良いユーモア、きゅんと切ないブリキのきこり系ヒーロー、、
「魔法の夜に囚われて」も最初は身構えで読んでしまったからダメだったけれど、再読するとタイミングの良いユーモアと切ないブリキのきこりヒーローににんまりする。

マイ・フェイバリットを少し変えて、ブロックマンとキャロルを入れ替えてみた。う〜ん、42個にこだわるつもりはないのだけれど、43だと半端で整列しないから、、う〜ん。。

ひとりローズマリー・ハモンド祭り(笑)。
「言えない言葉」以外もけっこう私のツボをつく本があり、ひたすら読んでしまった。「くっだらねぇ〜っ!」と読み終わり、「はい、次っ」と手に取る流れ作業?! ま、もうちょっと読んでみる予定。

他にナリーニ・シンシェリル・レビスなども更新。

友人から借りて読んだ本など手元には残っていない本をどうしても再読してpdfにしたくなり、ヘレン・R・マイヤーズの「レディになる日」やアン・スチュアートの「愛のファントム」などをネットで購入。
で、送料が一緒なのでこの際、、と、他の古本HQも買ってしまい、、
久しぶりにパトリシア・ウィルソンやリンゼイ・アームストロングを読んでしまった。

スキャンしてpdfにする理由は本の整理だったはずなのに、もしかして増やしてる?!

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11月17日

日本文学を英語に翻訳している方の小文を読む機会があり、言葉と文化のギャップを痛感しました。

日本語と英語で対になる言葉はあっても、実際はなかなか適切な訳語を当てるのは難しく、訳さない方がいいものも多数あると筆者は書いています。
例えば「お金」や「ご飯」「お便所」のような「お」のつく丁寧語。
これは日本人からしたら、「かね」とか「めし」「べんじょ」とは区別されるニュアンスをもってますが、丁寧語として「honorable this」などと訳すと大変悪い印象を与えるらしい。
筆者が子供の頃(たぶん1950年代ではないか?)は、「honarable this」のように英訳するのは珍しくなかったが、「日本民族は二面性のある偽善者である、moneyやtoiletに対して深い尊重を払う民族は信用に値しない」と当時のアメリカ社会に受け取られたそうです。

う〜ん、、「お」をつけただけで、信用に値しない人間になるとは・・・

ぶっきらぼうに言うと身も蓋も無いと感じる・そのままでは生々しく感じる、こういう感覚って日本人特有なのかなぁ。わたしが思うに、日本人は対象を「上げ」ようとするのに対し、アメリカ人は「下げ」ようとする気がします。

アメリカ人のセリフに嫌っちゅうほど出てくるファッキング言葉。日本人が「お豆さん」とか「お近くにお立ち寄りの際は」とか、丁寧語大好き民族であるのと正反対に、めったやたらに「くそ」言葉をつける。
「かね」というニュートラルな位置から、「どくされ金」へと下げてゆく、みたいな。

F文字やヘルやアスやその他もろもろの冒涜言葉を無理に日本語に訳すと日本語的にはおかしくなるので、結果的に「下げ」ニュアンスが薄れたーサニタイズされたーセリフとして訳されてしまう。

英訳にしろ日本語訳にしろ、訳さないほうがいいけれど訳さないと失われるニュアンスがあって、これがまさに文化のギャップなんですねぇ。

話は変わって、マイケル・ジャクソンの「This Is It」を見てきました。
リハの映像がこれほどまでに完成度が高いとは思ってもいませんでした。

洋楽音痴なわたしにとって晩年のマイケルのイメージは、TVの芸能ニュースでとりあげられる整形や裁判等きわものネタ、だったのです。申し訳ない!
それが、こうしてステージで歌い踊っている姿を見ると、震えるほど格好よい。
あぁ、こんなに輝いている。
この人は骨の髄まで一流のエンターテイナーで、芸で評価されるべき人なんだ、今まで本当に失礼な事をしてしまった、と思ったのでした。

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11月18日

ジョージェット・ヘイヤー「愛の陰影」を読みました。

うわ〜、なんていう上手さなんでしょう!
辛らつな皮肉を上品な衣で包み、企みをおくびにも出さず、ものうく気取ったしゃべり方の公爵ヒーロー、これほどまでに完璧なヒーローって滅多にいないんじゃないでしょうか。

家事も手付かず、降りるバス停も乗り過ごし、、没頭してしまいました。
『放蕩者改心す』の原典というか古典というかお手本というか、もろツボ、心臓ど真ん中でした。

人物造型が実に鮮やかで、中断されてばかりの会話が憎らしいほど巧みで、ジョージアンの人々が目の前にいるよう。
ベルサイユ宮殿に先月行ったばかりだったので、これも読書にグッドタイミング。
中庭も階段も鏡の回廊も、レオンの興奮と同じように感じることができました。パリからベルサイユまでの距離感もそう。

原書だと「閣下」と「御前さま」の雰囲気の違いが自然に伝わるけど、こういうのって難しいですよね。でも日本語訳の雰囲気、とってもよかったんじゃないでしょうか。
っていうか、私はフランス語が全然だめなので、頻繁にでてくるフランス語部分が分からず、原書のeBookは読まずに放置してましたが、
ヒロインは公爵を「Monseigneur」モーセニョール フランス語で「閣下」と呼び、他の人は「Your Grace」と呼ぶとか、召使頭?執事?のウォーカーは Yyourrr Grrrace と大仰に呼ぶとか、豚野郎ってほんとはどう言ってたの?とか、「ふん」は一体なに?とか、調べ物に使えました。

出色の出来のヒーローと並びヒロインの魅力も際立ってます。
ぴちぴち若魚が跳ねるような生命感、わたしはあなたのものですと言い切れるすがすがしさ、ティツィアンの髪とサファイアの瞳、あぁ、ほんとに気持ちよい程可愛いんですよねぇ。

読みながら思い出した作品が2つあります。
それは「アルプスの少女ハイジ」と「小公子」。

ハイジとおじいさん、セドリックと伯爵、 気難しくて人間嫌いで、周囲の人からあまり愛されていない男と、無垢で純真な少女(少年)。

実は岩波少年文庫の「小公子」、そういう視線で読んでんじゃないと思いつつも、時々「うっひっひ」と読み返したくなるんですが、これってわたしだけ?(自爆?)
辛らつで不機嫌、情け容赦ない伯爵は女性を愛した事がない、認めたくないが孤独である、そんな毎日に突然天からの贈り物のように彼をあがめる美少年がやってくる。くるんと金髪の巻き毛、薔薇色の唇、大人びた物言い。。皆が怖れる伯爵にただ一人恐がりもせず信頼の目を向ける。。しまいには偽物が登場し財産や地位を取られそうになるが、欲しいのはおじいさんの愛だけだと言っちゃったりする。。

「小公子」パターンって「美女と野獣」とはちょっと違う年の差系ロマンスに当てはめられますよね。 皮肉や孤高の鎧をまとった心を貫くのは無私無償の崇拝、、

話をヘイヤーの「愛の陰影」に戻すと、
唯一この話で悩む点があるとすれば、ジョージアンのイメージですよね。髪粉や白いかつら、つけぼくろ、男性のハイヒール、、美意識って不思議すぎるわ。

<追加>わははは、面白いページを見つけました
ママン、ママン!It was the Devil! どの場面か、おわかりですね♪

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11月19日

読んだのは随分前だが、Bonnie DeeViolet Summers をまとめてアップロード。
ジョージェット・ヘイヤーもアップロード。

「Frederica」(1965)
美しい妹によい縁組を持たせたいと、ロンドンのシーズンにやってきた姉がヒロイン。自分はもう結婚市場的に「アウトオブ範疇」だから、シャペロンなんて要らないんですのよ、ご覧になればわかるでしょう?
いいえ、全くわかりません! となるのがヒーローという相場でございます。

遠い遠い縁でほとんど無関係といってもいいくらいの親族だが、ミス・フレデリカ・メリヴィルが「妹のシーズンデビューの手助けをしてくれないか」と頼むと、Alverstoke侯爵は断れなかった。
ウィットに富み、大胆で、おっちょこちょいで世話好きなフレデリカ、侯爵を尊敬のまなざしで見つめる腕白メカ好きFlex、もこもこ犬のLufra、、
人の顔をみればお金をせびる事しか考えない親戚と世の中にうんざりしていた侯爵だったが、何か新鮮な喜びと好奇心・保護欲を覚えたのだった。

よくあるテーマだが、目が覚めるほど美しい妹のシーズンデビューをきっかけに、「家族の心配事を一手に引き受けてる」長姉と「姉はなんでも賢く出来ると思いつつも自分たちの意向を聞いたり相談してほしい」と思い始める兄弟姉妹の間に溝ができてくる、、

これまたよくあるテーマだが、あれほど優しかった妹が姉を避け、姉を非難し、、家族の責任をこれまで放棄していた弟(長男)が「俺が何をいっても姉さんは聞こうとしなかったじゃないか」的な事を言い始め、、けっこう切なく辛くなってくる。

さらには末弟たちは末弟たちで色々と考えなければならない事が起こるし、ヒーローの親戚たちはあーだこーだと最初から最後まで言い続けているし(爆)・・・

ストーリーは人間の欠陥を見つめつつも優しい笑いを忘れない。

ヒロインの心配を何でも解決してくれる侯爵ヒーローはスーパーマンのようだが、ラストの大事件では思わぬ助っ人に助けられたり、自分は彼女を愛しているんだろうか、これが愛というものなんだろうかと悩んだり。。

薄いのによく出来ていて感心してしまった。
自分の英語力が無いせいだけれど、ヘイヤーの本は普段読む本よりずっと英語が読みにくいので、これも翻訳がでてほしいなぁ〜。

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11月23日

先週末NHK-BShiで放送された「華麗なる英国競馬の世界〜三浦皇成 イギリス武者修行の旅〜」というドキュメンタリーをみて、今頃ですが、ニューマーケットとタタソールズ(Tattersalls)の場所を知りました。

え、車で約2時間? こんなにロンドンから離れてるの?!

普段リージェンシーで読んでいると、ちょっとそこまで、という感じで馬を買いにいってるのに、、、うーん、そういえばスペルもリージェンシーの方は「Tattersall's」 アポストロフィ・エスが付いてるわ。
ニューマーケットにあるタタソールズと、ヒストリカル小説に出てくるタタソールズは別物??

と言う事で、改めてタタソールズを調べてみると、1766年に Richard Tattersall がハイドパーク・コーナーに馬のせり市を開設したので「タタソールの馬せり市」という意味でアポストロフィ・エスが付いていたが、その後この馬せり市場は Knightsbridge に移り、その後 Newmarket に移り、会社組織になってアポストロフィをはずし、タタソールズIncとなって現在に至るというわけです。

リージェンシー時代はハイドパーク・コーナーの近く、あのウェリントン・アーチの辺りが馬市場だったんですねぇ。 そうそう、旅行記を放置したままですが、今年の2月マカボイ君に会った翌日、ウェリントン・アーチの天辺(馬の像のあたり)まで登ったり、Apsley House の中に入ったりしたんです。でも Tattersall's の事は全然意識しなかったわ。

話を元に戻すと、テレビ番組がきっかけで昔と今のタタソールズの場所を正確に認識できたので、ついでに有名なジェントルメンズ・クラブ White's などの場所も調べてみました。
リージェンシーのヒーローたちはどこらへんをウロウロしてたのかな。
このページがとても詳しい(サイト内の他のページも充実してます)。

White's は1693年に 4 Chesterfield Street にチョコレートハウスとして始まり、1778年には 37-38 St. James Street に移り、現在もこの場所にクラブがある、、St James ストリートにはAlmack'sを含め、クラブが軒を連ねていたんですね。
最近は住所さえ分かればグーグルマップであたりの風景が見れるけれど、いつか旅行する事があったら、今度はこの通りを歩いてみたいわ。

「ホワイツ・クラブ」をググると、HISのシスル・ハイドパーク・ホテル(Formerly "The Whites" Lancaster Gate, London W2)の紹介文が出てきてしまうのですが、”もともと「ホワイツ・クラブ」という紳士クラブだった建物を利用しており、うんぬん” との紹介文は間違っているんじゃないでしょうか。
上記のとおりクラブの場所はこれと違う。 ホテルの名前は旧ザ・ホワイツだけれど、ホワイツ・クラブとは無関係に思えるし、本家の英語ページには何もクラブの記載がない。 紳士のクラブの雰囲気を味わうために宿泊した人はどう思ったんでしょうね。

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11月25日

黙々とローズマリー・ハモンドを読んだり、アン・スチュアートの「ハリウッド・ゲーム」を読んだり。

「ハリウッド・ゲーム」はわたしが初めて読んだアンの作品だ。
当時はこのようなヒーローが希少だとは分かっていなかったので、読後手放してしまったが、どうしてもあのヒーローをpdfにして保存したくなり、古本を買ってしまった。

欲しいものは絶対に手に入れる。勝負には絶対に勝つ。
狡い手を使おうとも、卑怯な手を使おうとも、相手を屈服させる。
「最初から言ったはずだ」とか言っちゃうんだよ、醒めた顔して。くぅぅぅ〜っ。

ヒロインの行動が幼いと思うし、映画化権にヒロインの顔を立てる必要があるのかどうかもよく分からないし、ところどころワケがわからないんだが、それでもこのアンヒーローのしびれるようなやばさときたら。
子供の頃おぼれた事があり、水に顔をつけられないヒロインに対して、自分の家のプールにヒロインの宝石のネックレスを沈め、プールの中ほどまでやってこさせ、、やおらキスをして、抱きしめたまま沈みこむ、、パニックになるヒロインを逃がさずに強く抱き、キスしたまま沈む、、ぷはーっと水から頭を出して「な、なにを・」と言い終わらぬ前に、再びぐいっとキスをして沈む。。。

どっひゃーーー!恐すぎるほど素敵だ(爆)。

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11月27日

シャンナ・スウェンドソン「ニューヨークの魔法使い」(2005 翻訳2006)

いやぁ〜、面白かったーー!
以前から気にはなっていたものの出版されてから3年以上も経ってしまったわけですが、期待以上の楽しさでした。

帰宅途中に立ち寄った古本屋さんで「(株)魔法製作所シリーズ4冊セット」2000円を見つけ即行買ったのですが、セットで買えてラッキーだったわ。
1巻目を読み終えた今、2巻目読むのが待ちきれないです。

どんな魔法もかからない、マジカルな要素全く無し、のヒロイン。
そんな「普通さ」が素晴らしい魅力ってのが平凡な人間にとってはファンタジーとも言えますね。

この作品はチックリット系に分類されてるみたいで、原作の表紙絵はいかにもチックリットな表紙絵ですし、日本の文庫の宣伝文句も「魔法版ブリジットジョーンズの日記」ですが、私が普段思っているチックリットとはちょっと違うと思いました。

実際「魔法版ブリジットジョーンズの日記」という言葉が最初買うのを躊躇った理由なんですよね。 チックリット系小説のヒロインって偏見と非難されるのを承知で書くと「わたしってこういうヒトでしょ」と言いたがりのような、わたし大好き人間に感じてしまうんです。
ところが、この作品のヒロインは、普通に真面目でまっとう、常識的で能力もあり、読んで素直に楽しめるファンタジー&ロマンス?でした。(オーウェン!がんばれ!)

ヒロインの女友達にしても同僚にしても、基本が理解できる範囲内というか、悪目立ちしてないんですよね。元カエルとくっつくのも理解できる範囲か、と訊かれると困るんですが(笑)。
魔法の扱い方もそう、コンピュータのソフトウェアをインストールするように魔術が買えるのが現実にありそうでいながら、静電気がバチバチ充満する不思議感もあり、大人のチャーミングな魔法物語という感じで大いに楽しみました。

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11月29日

2005年の冬に突然の頚椎ヘルニアで指がしびれ、以後、雪崩のように足が上がらなくなるわ、五十肩で腕が上がらなくなるわ、声が出なくなるわ、、関節や神経など体のメカニカルな部分があとからあとからガタがきて、「どひゃ〜、どうなってんの、やばすぎる・・」とうろたえたのだが、今では全ての症状が消えてしまった。

のぼせも高血圧も動悸も起きなかったが、どう考えてもアレは更年期だったのではないだろうか。 少なくとも、自分ではそう思っている。

でその時期を境にして体重がどどんと減少した。もちろんダイエットなどをしたわけじゃなくて、食べてもおなかに留まらないという感じで、あれよあれよと5キロほど痩せて、ストップした。

なぜこんな事を書いているかというと、今日靴を買いに行ったのだが、かつて24を履いていた私が今日買った靴は23なのだ。

信じられない! 23なんて昔は絶対に入らなかったのに、日本のサイズ表記に変更があったのでないなら、やはり自分の足が小さくなったという事だろう。。

歩くたびにかかとが外れたり、靴の中で足が前にすべってしまったり、、よく使う靴が全部履き辛くなり、パッドを敷いてだましだまし履いていたが、やはり買わなくちゃ、と出かけたのだ。。あぁ、靴って高いから全部買いなおすとバカにならないわん!!

シャンナ・スウェンドソン「赤い靴の誘惑」

この本を読んだから靴を買う気になった(笑)。

1作目に比べ、魔法にまきこまれるヒロインや会社のスパイ騒動などがせわしいので、常識的でまったりした所が好きだった事を考えると2作目はやや煩かった。
オーウェンとの関係をもっとじらして欲しかったというのもある(笑)。

色々な伏線がよく出来ている。初読ではうるさく感じたストーリーだが、再読するとこちらに見通しがたっているせいか面白く読めたりする。
シークレットサンタって面白いね。
ロッドも幸せにしてやりたいなぁ。

とても楽しい魔法製作所シリーズだが、このシリーズの新米読者としては、一番肝心な「マーリンを起こすほどの重大事」が未だにピンとこない。

イドリス、なんだかチャチくない? う〜むむ。。

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11月30日

記録し忘れた本、3冊。

レイチェル・ギブソン「夢で逢いましょう」
 おバカじゃない、安心して読める楽しさ。ただし色々な設定や脇役などにどこかで読んだ事がある感がつきまとう。 新鮮なコンテンポラリーを要求する方が無理なのかもしれないが。
ハーレクイン・アメリカンかイマージュにこういうオウムを飼っていたヒロインがいたなぁ、とか、オーラが見えるヒロインと刑事ヒーローの正反対コンビとか、こういうコンビってよくあるよなぁ、とか。
この作家の他の本も買う!とならないのは、ヒロインがふるいつきたくなる「ナイスバディな女」であるのが物語の出発点である事があげられる。
そりゃ、人間なんて第一印象がすべてなのかもしれないけど、ロマンス本を読む楽しみが無いというか、最初にもう98%ぐらい終わっていて、あとは残り2%を埋めるだけって感じがするんですよねぇ。
(ナイスバディ・コンプレックスを抱えている自分 爆)

デリカには笑った。そりゃそーだ! 朝にそんなデリカに寄ってくるなよー!女なら誰だって頭くるわ(笑)。

アン・ブロンテ「アグネス・グレイ」(1847)
京都修学社から出ている文庫本を古本屋さんで購入。
最近はバベルの<古典新訳シリーズ>からもeBookで出てますね。

初アン・ブロンテはというと、う〜むむ、道徳的で苛烈。ガバネスの地位の低さと雇い主たちの傲慢ぶり。無知と言うより無恥、恥知らずで最低な子供達。。いつかはマシな家庭に雇われるのか、と思って読み続けたが、最低ラインから浮上する事なし。
裕福な商人階級と地方ジェントリー階級についても、小説としてここまで辛らつにひどく描く必要があるのか、それともこれが当時の本当の姿なのか、本当だとしたら、世の中マシな人間なんてほとんど居ないということだねぇ・・・、悩む。

牧師の娘、忍耐強くて信仰深いが、プライドがとても高くて頑固。正直、あまり魅力を感じないキャラクターであった。

Kristin Hannah 「If You Believe」(1993)

いつものクリスティン・ハナーだった。(というか、それを期待して読んだ)
神さまから人生を再び生きる二度目のチャンスをもらうヒロインとヒーローの物語。
きめ細かい優しさと(ときに過敏に感じるくらい)デリケートな感受性。

1890年代のワシントン州、流れボクサーのヒーロー、マッドドッグが短期雇われ仕事として出向いた先の果樹園のオーナーがヒロイン&ヒロインの父。

ヒロインはひっつめ髪と茶色の服の厳格で頑なな34歳。16年という長い年月この果樹園から一歩も外に出ていない。。。

ヒロインの過去に何があったのか。
安全という名の檻からどうやって一歩足を踏み出すのか。
愛しているのにこじれてしまった親子関係はどうなるのか。
一箇所に定着できないヒーローはどうするのか。
という物語。

たまにこの作家の本を読みたくなるのは、清らかで安全な物語だからだろうか。
ヒロインに焦点をあてすぎた結果、ヒーローの過去には腑に落ちない点が多々あり。 ヒロインにしても週1の水浴など納得のいかない造型で、作品的には3.5といった所。

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